20年前足繁く通った、当時既にレトロな模型屋、狭い道路沿いの木造、チーフと呼ばれた老店主。
閉店のため不用品を大量にくれた。さらに問う、「もう余りものはありませんね?」
チーフ曖昧な返事、貰った模型について質問すると教えてくれ、自分紙にメモするが思い通りの文字が書けない、何故か別の文字になる。
チーフ、サラサラと紙に数式を書き説明するが、自分理解できず呻吟。チーフ少し不満気な表情だが親切に説明してくれる。
「チーフ、大学は理系ですか?」
通りをチーフと歩く、チーフのもう一軒の店舗(実際は無い)が隣、通り側が全面開放で中丸見え、作りかけの模型飛行機が天井からぶら下がり、女子中学生数人が指さしている。
「チーフ、あれは完成させないんですか?」
分析:理系への憧れと劣等感、中学の数学すら復習が進んでいない事への慙愧、何年も未完成の模型飛行機への憐憫と愛着、天井からぶら下がった、ミニ・プレーンズオブフェイム状態の機体群への自嘲の混じった満足感。
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