仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
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岩村暢子「変る家族 変る食卓」

2008-02-01 14:32:47 | 私の本棚から

本日のタイトルの「変る家族 変る食卓」という本。

マーケティング調査に関わる著者が綿密に調べた

現代家族の食卓の風景、という様相のものです。

ここでアンケートに協力している女性達は

「添加物は避けたい」「野菜を多く」とか言いながら、

お菓子を朝食に出したり、インスタント食品のみで夕食をすませたり・・・。

 

著者の分析によると、「正しい答え」と「実情」を使い分けているのでは?

ということでした。

あるいはその時の「気分」で凝った料理をつくってみたり、

「ケーキ作りが趣味」なのではなくて掘り下げてみると

ケーキ作りが趣味の素敵な奥さんの私」像が欲しいだけだったり。

 

読んでいくと食卓を越えて、教育とか自己実現の問題まで考えさせられて

しまうような本です。

食品の偽装や薬物の混入が世間を騒がせています。

添加物や薬品、外国産の野菜。

眼の敵にして騒ぎ立てるのは簡単でわかりやすいことだけれど

では、それらを一切拒否して、現在の私達の食は

成り立つのか?

粋に国産・無添加・無農薬なんて食材を手に入れられるのか?

それを生産する労力を慮ることができるのか?

そんな食材が欲しい人みんなにいきわたるほど量産できるものなのか?

手に入れたとして、それを添加物なしに調理しきれるのか?

そして、続けられるのか

 

安全で、安心で、安価で、調理が安易で・・・・・・

私たちの欲望は再現がないけれど、

どこをとって、どれをあきらめるのか?

産地の現実にまで心をはせることができるか?

 

食品との付き合い方に消費者それぞれの

「姿勢」が問われているように思います。

まぁ、私自身はまったくポリシーのない食材選びをしてますが。

「自分ができないことに関しては

 文句はいわない」ことが唯一のポリシーです。はい。