名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

山里の暮らし

2011年01月29日 | セカンドルーム

 

今朝の冷え込みは強く、朝の散歩に出かける時の外の気温は-12℃を指していた。
雪の降らない朝は、いつもより寒く感じる。
昨夜は晴れていたので、狭い盆地状の集落は、放射冷却の影響で、寒気がいっそう強くなったようだ。

 

障子の外側のガラス戸は、鋭い氷のとげで被われていた。


家の脇を流れる水路も、飛沫が氷の塊になっている。
「この寒さも節分までの辛抱やさ」と、近所のおばあさんに励まされたが、その日も間もなくだ。
節分を過ぎると太陽もいくらか高くなり、日照時間も長くなる。
降った雪も早く解けるので、ドカ雪に苦しめられることも少なくなるし、日陰だった場所も日が差すようになる。
山里の人たちは、座敷に入る陽光を、畳の目で読みながら、春を待つという。

先日、そのおばあさんが、雪の降る中で洗濯をしている姿を見て、春を待ちわびる人たちの気持ちが分かった。
吹きさらしの洗い場は、谷から水が引かれていて、野菜や農具などを洗うのに使う。
2漕式の洗濯機が置いてあり、たらいで下洗いをしてから、洗濯機を使っている。
野良仕事や牛の飼育をしているので、泥や糞で汚れた衣服は直接洗濯機に入れないとのことだ。
今はゴム手袋もあるし、木をくり抜いた舟で洗っていた頃に比べれば、ずっと楽だと言っていた。
風呂も便所も外で、さぞかし冬は寒いだろうと思うが、老夫婦にとっては、子供の頃からのことで、周りが思うほど不便を感じていないようだ。
山里には、暑さや寒さになじみながら、自然に寄り添って生きていく、昭和の暮らしが残っている。

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4 コメント

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おんば日傘から一転・・・ですね (Rei)
2011-01-29 21:02:23
美しい結晶ですが、鋭い寒さを感じます。

夫の実家はやはりトイレは外でした。
自家風呂はなく、村の共同温泉場へ雪を踏みしめていきました。
穂波村と言いました、いまは山之内町です。
家の前の小さな流れをせき止めて鯉を飼っていました。
私たちが行くと料理してくれるのですが、
私は苦手で困りました。

畳の目で読みながら、春を待つという>
雪国に住むの人の気持ちが現れていますね。

明日は名古屋も最高気温3℃ときいてびっくりしました。
8℃の見間違いかと。

飛騨ではさぞやと察しられます。お気をつけて・・・
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自然に寄り添って (山里の住人)
2011-01-30 09:51:56
Reiさん
行ったことはないけど、温泉とスキーの町でしょうか。
山国はどこも、自然に寄り添って暮らしてきたようですね。
利便性と引き換えに、自然が失われていくのは残念ですが・・・

信州は鯉料理や馬刺しが有名ですが、鯉こくや洗いは大好きです。 川魚は苦手な人が多いようですね。

こちらは、ある程度寒さや雪の備えがあるので大丈夫ですが、名古屋で最高気温3℃は厳しいですね。  風邪など引かれませんように。


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節分 (ryo)
2011-01-30 17:40:49
節分が来れば、もう春はそこまで来てる?
おばあさんの言葉は雪国の暮らしがよく表れていて
畳みに伸びる陽射しが、やがてくる春の尺度に
なってるのですね~。

トイレや洗濯も冷たい外だということですが、
昔に比べたら、ゴム手袋などもあり、ずっとまし~に
なった..というお話~、都会の暮らしに慣れてしまった
私に取っては、ずいぶん、贅沢なことをしている~と
反省させられました。
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反省しきり (山里の住人)
2011-01-30 18:53:02
ryoさん
春は遠いけど、長い冬を過ごす人たちは、ほんのちょっとした春のの兆しにも敏感に反応して、期待もするようです。
その分、春が来たときの喜びは大きいです。

つつましく暮らしている人たちの真似は、なかなか出来ないですね。
いつも暑いの寒いのと騒いで、反省しきりです~


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