名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

歓迎せざる春の兆し

2011年01月11日 | セカンドルーム

 

小さな盆地の集落は、寒気が閉じ込められてしまったようで、連日真冬日の寒さが続いている。
今朝も水道や湯沸かし器が凍結したので、ストーブの温風をダクトで送って復旧した。
夜間、部屋に入れているユキ(柴犬)は、明るくなると戸を叩いて外へ出せと盛んに促す。

しぶしぶ起きて散歩に出かけたが、小屋の温度計はマイナス12℃を指していた。


昼間も外はプラスになることは無いが、寒さに強い犬は雪も氷も蹴散らして遊んでいる。
こんな姿を見ていると、部屋に入れるのは過保護かと思ったりしてしまう。


厳寒の中でも、春の兆し?が頭をもたげて来た。
杉の木が、毒々しい赤錆色に変わり始めた。
今年は杉の実の当たり年で、花粉の飛散は去年の10倍以上だと言われている。


よく見ると、数も多いし丸々と太って、目いっぱいに花粉を溜め込み、弾けてやるぞと手ぐすね引いて待っている。


戦後、国策で豊穣な広葉樹林が伐採されて、杉や檜の大規模植林が行われた。
ようやく伐採期になったが、木材市場は安い輸入材に席巻されて、林業は衰退し、後継者もいなくなってしまった。
人の手が入らなくなった植林地は、利用されないままに荒廃し、大量の花粉を飛ばしたり土砂災害を引き起こして、人々を苦しめている。
密生した植林地には下草も育たず、野生動物も住めなくなってしまった。
生態系や自然環境が壊された結果、人間の生活への影響も、じわじわと出始めている。
これは明らかに、誤った林野行政による、戦後最大の公害であり、人為的な災害と言っても過言ではない。

 

コメント (2)
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