名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

野生動物たちのドラマ

2011年01月09日 | セカンドルーム

 

山の動物たちは、乏しい餌を求めて、盛んに動き回っている。
雪上には足跡や食事の跡、糞など、彼らの痕跡がくっきりと残り、時には残酷な生と死のドラマを見ることが出来る
夜間に行動する動物が多いので、彼らを身近に観察する機会は、それほど多くはないが、家の近くでカモシカ、イノシシ、クマ、キツネ、タヌキ、リス、ウサギなどを見かける。
この時期の散歩は寒さが厳しくて腰が引けるが、アニマルトラッキング(動物の足跡をたどって生態を観察すること)が楽しみで、早朝から雪原を歩いている。

 


今朝もキツネとウサギの命をめぐるドラマが、真っ白な舞台で繰り広げられていた。
これも毎年見かける光景で、右手の特徴のあるウサギの足跡と、一直線に左手から迫るキツネの足跡がクロスする先に、攻防の跡が生々しく残っている。

キツネの足跡は、血痕を点々と残して森の中へ消えているが、巣で待つ子どもたちへ、仕留めたウサギを運んでいったのだろう。
雪を蹴散らして、地中の草の根や冬眠中の昆虫やミミズを捕食した跡もよく見かける。
本来、雪や寒さに弱いと言われていたイノシシも、温暖化で雪国の気候に順応して活発に動いている。


雪の深い山奥から、比較的餌の得やすい里に下りて来たイノシシは、箱わなや鉄砲で仕留められて「ぼたん鍋」にされてしまう。

猟師の作業小屋には、内臓を抜かれて寒風に晒されたイノシシが吊るされている。
これで臭みが抜け、熟成された肉は旨味が増すといわれ、味噌仕立ての濃厚な鍋は、寒い夜の「大ごっつおう」である。
集落の人口より多いイノシシの被害は甚大で、この程度では気休めにもならないが、数少ない猟師が細々と狩りを続けて、山里の田畑を守っている。

 

コメント (4)
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