こころとからだがかたちんば

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夏の100曲 : 原田知世 「リセエンヌ」

2020-08-14 08:00:00 | 音楽帳

いわゆる”アイドル”といったジャンル(だった)ものを、もう1つ。
原田知世さんの「リセエンヌ」。1984年11月発売の2ndアルバム「撫子純情」に収録された曲。

教授(坂本龍一)が作曲・アレンジをした曲として、1984年秋、ラジオ「サウンドストリート」でもかかった。
アルバムは、大貫妙子さんやかしぶち哲郎さんらが協力、教授がすべてのアレンジを行っている。この「リセエンヌ」では、知世ちゃん自身が歌詞を書いている。

***

知世ちゃんは、1983年デビュー当時、特にファンではなかった。
「いつかちゃんと・・・」と言いながら、映画「時をかける少女」をすべて通してちゃんと見たのは、大林監督が亡くなったついこないだである。(2回も見てしまった)
この2ndアルバム、LPジャケットには真正面に構えた顔、そしてボーイッシュに切った髪。
アイドルを無理なく演じる品性。それを持った人だったのだろうが、正直当時は全く関心がなかった。

それがまさか、のちに鈴木慶一さんや幸宏と作品づくりをすることになり、魅力的な女性として見ることになるとは思ってもみなかった。

***

そういえば、1983年「高橋幸宏のオールナイトニッポン」にYMOの面々が「散開」を前に揃ったとき、知世ちゃんがゲストだった。
大久保林清(=景山民夫さん)脚本のラジオドラマ「時をかける少女」では、細野さんが昆布茶をすするおじいちゃん、他2人が深町・堀川を演じていた。また後半「スター・ウォーズ」では、細野さんがヨーダとして現れ、知世ちゃんはレイア姫、SETの小倉久寛さんは期待通りチューバッカを演じていた。。。そんな楽しかったラジオ放送を思い出す。


「リセエンヌ」とは、フランス語でいう女学生とのこと。
知世ちゃんの持つイメージと合っており、すでにこの段階でプロデユースする側が彼女の存在感をよく見抜いていた。
教授が作ったこの曲は、大貫さんのヨーロッパ三部作に近い静謐感を持っている。

「夏」とは一言も出てこないのだが、この端正な姿勢の曲を、エアコンかけた部屋でよく繰り返し聴いていた。
となると、聴いていたのは発売の翌年1985年夏だったのか?
どういうわけか、自分には夏らしいイメージが音から感じられる1曲となっている。
2020年夏、病気で調子悪い日、外に出られない日、室内で聴くと身に染みる。


■原田知世 「リセエンヌ」'84■

昔読んだ小説では
ヒロインはみんな17才
早くおとなになりたいって
そっと胸の中
祈った
アルバムがめくれるたび
みんな形を変えるね
あそこまで行けたかな?
夢見てた頃の
Seventeen

男の子みたいだって
言われたの髪を
切った時
教室のうしろの席
おしゃべりがふと途切れる
首すじがどことなく
涼しくて
音も立てずに静かに
みんな形を変えるね
あそこまで行けるかな?
夢みてる頃の
Seventeen


原田知世「撫子純情」
1984.11.28発売 サウンドプロデュース:坂本龍一

a1/星空の円形劇場  作詞・作曲:大貫妙子 編曲:坂本龍
a2/Happy Yes     作詞・作曲:かしぶち哲郎 編曲:坂本龍一
a3/もっと素直に     作詞・作曲:白井貴子 編曲:坂本龍一

b1/リセエンヌ    作詞・原田知世&康珍化 作曲・編曲:坂本龍一
b2/クララ気分    作詞・来生えつこ 作曲:南佳孝 編曲:坂本龍一
b3/天国にいちばん近い島 作詞・康珍化 作曲・林哲司 編曲:萩田光雄

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