「とにかくかったるい」。今年の夏は、ついそうつぶやいてしまう。
病気だから常にだるさや調子悪さはあるのだが。。。
その悪いカラダで35℃を越える炎天下に出ていく。
セミの鳴き声がシャワーのように降り注ぐ。
ギラつくアスファルト、風は熱風。かげろうが立ちのぼる。
日陰を探して路地に入ってみたりするが、日中、頭の上にお天道様があるから逃げ場がない。
足をひきずって医者にて治療。
そこから図書館へと向かう。
汗が止まらず、冷たい麦茶を買って外で飲む。クスリを流し込む。
となりで真っ黒なおじさんが、真っ白いアイスをおいしそうに食べていた。
***
「ファンではないのだが・・・」と言い訳をしながら、斉藤由貴が気になっていた1984年。
画面に向けて『胸さわぎ、ください』と言われた冬。カップヌードルのCM。
そこに始まり、水着姿の広告にひかれて、気が付けばAXIAのカセットテープも買っていた。
その後、90年代はじめ、異国・大阪で仕事を始めたころ、現地に誰も知り合いもおらず、侘しい日々を過ごしていた。
そんな週末・日曜日の昼下がりには、FMで彼女がDJの番組「サウンドクルージング」を聞いていた。
彼女のエッセイを集めた本「運命の女」を買い、CD「LOVE」まで買っていた。
気がつくとアンニュイな雰囲気を持つ彼女に惑わされていた。
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1984年はじめて知った彼女は、その後、カルピスのCMで夏の幻の中に居た。
カルピスのCMで一番好きなのは、「One」という曲をバックに、夏の木陰でまどろむもの。
夏は「とにかくかったるい」。
「頑張らない派」の私は、水や風、鳥の音に囲まれて、死ぬように眠りたい。
自分のツレは、何であんなに斉藤由貴はモテるんだろうか?
と彼女の不倫会見をワイドショーで見たとき言っていた。
そのとき自分は「ああ、そうだね」と気のない相槌を打ってごまかした。
■斉藤由貴 「One」'87■
カップヌードルのCMは今でも鮮明に思い出されます。
めちゃめちゃ可愛かったですよね。
彼女には内に秘めた強い意志を感じます。
昔も今もずーっと。
そして笑顔の時でも寂しい目をしてる。
だから気になっちゃう。