こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

秋風とペンキ。

2007-10-04 00:20:00 | スケッチブック


大学時代、その大学で一番古いという「美術研究会」という倶楽部に所属していました。
名前は研究会といいながら、誰一人研究などはしてはいません。
研究などをせず、みな自由にしていながらも、毎日、絵を自分は描いていました。
絵というと、「ほう、油絵ですか?」そういう会話が、ついなされるものの、自分は、ひたすら、紙と道具があれば、指を動かしていただけであったのです。

大竹伸朗さんは、「紙と鉛筆というのは、いつになっても永遠の道具」というが、まさに、「何かを作りたい」という衝動以外、何ら知識もテクニックもないまま、指を動かして、そこに出てくる、なにものかが、次第に展開していく、そういう不思議さにだけ惹かれて、毎日、指を紙の上で動かし続けました。

毎年、秋になると、学園祭が開催されたが、その入り口のゲートを描くのが、大学では、自分らに任せられた一大行事でした。

ベニヤをクギで、組み合わせて、出来た巨大なハリボテに、ペンキで、絵を描いていく。
描かれる絵よりも、普段では描けない大きさの面積の堆積物に向かって、思い切りペンキを塗れる快感のようなものがありました。

夏を過ぎ、秋風が吹き、肌寒くなり、日の長さが短くなってくると、ペンキのにおいの漂う中、「ゲート塗り」の季節がやってくるのが、毎年の恒例でありました。
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