昔、NHKのFMで、日曜の23:00から「現代の音楽」なる番組があって、現代音楽の静かな音楽をばかり流していた。
確か、そのテーマ曲が、芦川 聡さんの、このアルバムに入っている「前奏曲」という曲だった。
このアルバムは、おおいに、ブライアン・イーノの環境音楽、特に、「Music For Airports(空港の為の音楽)」に影響を受けている。
特に、この「前奏曲」は、そっくりの音構成をしている。
しかし、イーノの影響を受けながらも、芦川さん独自の「静けさ」のある音に仕上がっている。空気の輪郭を描いた音とでもいうのか。
楽器としては、ハープや鉄琴やピアノなどが目立つが、音楽自体は現代音楽的でもありながら、少し物悲しいメロディ、それは、とても日本的に聴こえてくる。
「Music For Airports(空港の為の音楽)」では、イーノ独自のエロティックでロマンティックな面が、音の隙間にあるのに対して、「Still Way」は、まるで、葬式で流れるような、ある種無味乾燥的な乾いた空気感を出している。
実は、芦川さんは30歳という若さで亡くなった方である。
環境音楽という概念を打ち出したのは、ブライアン・イーノですが、その影響は波紋のように広がり、日本の現代音楽にも波及しました。
このアルバムでは、打楽器奏者の高田みどりさんも演奏に参加しています。
1・前奏曲
2・車輪の風景
3・スティル・パーク(アンサンブル)
4・スティル・パーク(ピアノ・ソロ)
5・スティル・スカイ
6・木陰の映像
7・リンクル
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このCDもレコードも、現在ではほぼ入手不可能。
自分は、ジャニスで借りました。
ただ、CDとはいえ、レコードを起こしたもので、ときどきプチプチとノイズが入ります。
マスターテープが無いのか?その辺は不明ですが、サブカルチャーの世界では、かなり話題になった、隠れた80年代の1枚です。