京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

美濃吉本店竹茂楼

2024年02月29日 07時36分00秒 | 日記
 2月23日の夜は美濃吉本店竹茂楼さんへ。 


今回も日本料理アカデミーさんの主催「京都の老舗料亭で福井の恵みを味わう"福井の美食旅キャンペーン"」での参加です。















会場は2階の大広間。
室内の設えもシンプルですが、それがまた、老舗の伝統と風格を感じます。

開演まで時間があったので、1階奥にある富山県五箇山から移築された合掌造りの離れと設えを見学させて頂きました。



 











歴代のご当主が集められた作品が展示されています。
額には堂本印象の書が、江戸時代の御殿びなや棟方志功の屏風、民藝を代表する陶芸家・河井寛次郎の作品、ピカソが絵付けをした陶器やマイセンの置物などがケースに展示されています。





こちらの部屋も「合掌館」として使われています。



司会進行役はいつもの?日本料理アカデミーの田中良典さんです。



続いて福井県京都事務所の大南所長さんから福井県のお話があり、3月16日に金沢から敦賀まで延伸される北陸新幹線の話題や福井県の特産品や古くから"御食国(みけつくに)として御所に食材を届けて来られた歴史など京都との結び付きの強さを話されました。





ご主人の佐竹洋司治さんと女将さんの挨拶の後、いよいよ美濃吉本店竹茂楼さんの懐石料理を頂きます。













先付から"春"を感じる食材が満載です。

一番に楽しみにしている椀物は、聖護院かぶらをおろした"みぞれ仕立て"具材には福井県産のぐじにうぐいす菜と柚子。

ぐじには片栗粉が打たれているのでしょうか?形崩れもなく、出汁の旨みとみぞれ仕立てで身体も温まり美味しい椀物でした。

お刺身

かわはぎの薄造りには冬場には絶品な"肝"が添えられています。
福井県産の甘えびは大きく、味が濃いです。
この大きさの甘えびははじめ食べました。










進肴

佐竹さんはじめ三名の料理人がお座敷で仕上げをされライブ感がいっぱいです。

すっぽん仕立ての酒粕です。
寒ぶりは福井県産の予定でしたが、"しけ"で漁が無く富山県氷見産のものです。 

他の具材には金時人参と福井県産勝山水菜。
勝山水菜は茎が太く、京野菜のひとつ水菜とは違い菜種に近い品種だそうです。



雪の中で越冬させているので、独特の甘みとほろ苦さの両方を持っているのが特徴です。


途中からに若女将が登場。
3人の子育つをしながら女将業をこなされています。





前沢牛ローストビーフ

福井県産上庄さとも、トマト、タラの芽





強肴

福井県産さごしの炙り
うるい、こごみを生姜酢で頂きます。

鰆にな前の大きさのさごしですが、"炙り"で魚の旨みが充分に引き出されています。
"春"の食材が添えられ、実際の春はまだ先ですが、器の中には春が到来しています。









最後の御飯です。

美濃吉さんは、江戸時代享保元年( )に京都所司代から「川魚生州八軒」のひとつをルーツにされているだけに、うなぎやすっぽん料理を看板にされてるいます。

名物の鰻かば焼きには福井の郷土料理"へしこ"が添えられています。
鰻の焼き具合といい、へしこの塩味の中に隠れている旨みといい、美濃吉さんの本領が発揮された一品です。

半分は蒲焼きで、残り半分はお茶漬けで"味変"を楽しみました。

水物





最後の水物は"白玉入り白味噌しるこ"です。
〆に相応しい一品です。
多くのお店どは果物が出されますが、小豆とは一線を画す"白胡麻しるこ"は白胡麻の風味、旨みとのバランスが絶妙です。

最後の"お薄"で口の中がリフレッシュされ、美味しかった料理の数々の余韻だけが残ります。
よく考えられた懐石料理だと思います。



満足感いっぱいで美濃吉本店竹茂楼さんを後にしました。