2月9日は、京料理の名店「たん熊北店」さんへ。初めての訪問です。
四条河原町の北側の繁華街の一角にこの様な名店があるのは京都の伝統と長い食文化に裏打ちされた"京都の和食の真髄"を感じます。
昭和3年、京料理「たん熊」は、高瀬舟で有名な京都高瀬川のほとりに誕生。高瀬川筋は、江戸時代、季節の川魚をあつかう生洲料理屋が櫛比したところですが、「たん熊北店」は、そんな伝統を踏まえつつ、以後の精進をか重ねて来られました。
戦後も茶道両千家をはじめとして、谷崎潤一郎、吉井勇先生等の文人墨客もご贔屓にしていたそうです。
京料理は宮中の有職料理、寺院における精進料理、茶道における懐石料理が渾然となって生まれたものとされています。
「たん熊北店」の屋号は、創業者栗栖熊三郎の「熊」と、彼が修行した老舗「たん栄」の「たん」にちなんだものだそうです。
福井県京都事務所所長の大南さまの挨拶の次に、「たん熊北店」ご主人の来栖正博さんのこの日の献立についての説明があり、楽しみにしていた"宴"が始まります。
この日の献立表を見ながら説明されましたが、数カ所ミスプリもあり「料理人が書いていないので、ミスが多いですね!」と言われていました。
最後の日付ですが、二月にも関わらず一月吉日だったり、、、
いよいよ料理が運ばれて来ます。
八寸は京料理の華ですね。
二月の節分にちなんで鰯の土佐煮には柊があしらわれ、この一品だけでも季節を感じます。
今回は"福井の美食旅キャンペーン"の一環なので福井県産の食材が多く使われています。
古来より若狭国は御食国と呼ばれ水産物、農産物の多くの食材は皇室に献上されて来た長い歴史があります。
若狭と京都を結ぶ街道は「鯖街道」と呼ばれ、鯖や甘鯛(京都では"ぐじ"と呼ばれます。を塩漬けにされた海産物が運ばれていました。
今では鯖の漁獲はほとんど無いそうですが、ふぐと同様に養殖されているそうです。
吸物の丸吸(スッポン)は絶品です。
こんなにも深い味わいの吸物は初めての経験でした。
蓮胡麻豆腐や焼餅、焼葱との相性も食欲をそそる絶品な一品でした。
ご飯は福井県産の真鯛の塩焼きの身が入ったもので、おかわりしたい程に美味しかったです。
止椀は粕汁。
福井県の蔵元から仕入れた生の新物が使われています。
香り高く、味も濃くて"ほんまもん"の粕汁を味わいました。
最後の水物もコースの〆に相応しい美味しさです。
「豆乳松景ヨーグルト・干柿添え」は、たん熊北店でしか味わえない美味しさです。
(御献立では、各食材が別れて書かれています。)
「仕出しを長くされているお店は間違いが無い」の自論?はこちらのお店でも生きています。
懐に余裕があれば、季節毎に通いたいお店です。