京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

長楽館(村井吉兵衛 京都別邸)

2021年09月18日 08時38分00秒 | 日記
 
 円山公園の西側には「長楽館」と言う名の洋館があり、今も喫茶やフレンチレストラン、ウェディング会場、ホテルとして使われています。(ホテルは別館です)





長楽館は明治の煙草王・村井吉兵衛の京都別邸として立教大学学長で宣教師でもあるアメリカ人ガーディナーにより設計され、明治42年(1909)に竣工しています。





内部は重厚感にあふれ、ルイ15・16世の時代を彷彿とさせる雰囲気で、また、バロック、コロロ、中国風と多彩な内装が特徴的です。









長楽館の開店時間は11時ですが今回のツアーは10時からの入館で全ての部屋を案内して頂きました。

施主の村井吉兵衛は、明治大正期の実業家で国産初の両切り巻たばこ「サンライズ」などの製造、販売で大成功を収めます。

明治政府は、日露戦争の軍費調達のため明治37年に「煙草専売法」を施行します。

その際に手にした莫大な補償金を元手に村井銀行や村井倉庫などの会社を立ち上げ、経営面でも活躍します。



2階の喫茶室入口の上には伊藤博文がこちらに滞在した際に揮毫した扁額が掛かっています。









中2階には「喫煙の間」があり、壁は中国風、床にはイスラムを想像するモザイクタイルが敷かれています。








調度品も素晴らしく、当時から使われているバカラ社製のシャンデリアも現役で使われています。

しかし、この長楽館も戦後はGHQに接収され、高級将校の住居となり内部は随分と変更されたようです。

何代にもわたるオーナーの方達が元のかたちに復元に努められてきました。

3階にある「御成の間」も見学していますが通常非公開の場所なのでSNSに上げない様に言われているので残念ですが写真は遠慮させて頂きます。

1階、2階とは打って変わり書院造の和室があります。

花頭窓からは祇園枝垂れ桜や円山公園、遠くは比叡山から如意ヶ岳までの東山の風景が広がります。





最後にデザートを頂いて解散となりました。

過去に3階の「御成の間」の公開はありましたが、今回は全室を見学できる機会を得て貴重な見学会になりました。

比叡山境内にある「大書院」も東京にある村井吉兵衛の邸宅の建物を移築したものです。