戒壇院千手堂を、拝観後に近くにある「入江泰吉旧居」を訪ねました。










2回目の訪問です。
入口の門に掛かる表札は第206代東大寺別当の上司海雲師による揮毫です。
玄関です。
土間はなく直接、部屋に通じています。

客間です。



客間です。
この部屋では志賀直哉や杉本健吉、白洲正子などの文人墨客が訪れた部屋です。


年配の方にとっては"奈良大和路"の写真家と言えば土門拳であり、紀行文では亀井勝一郎ですね。
僕が奈良の魅力に取り憑かれた中学生の頃は、まだ入江泰吉さんはご健在で1月の若草山の山焼きや3月の東大寺二月堂のお水取りの素晴らしい写真に感動したのを良く覚えています。


元東大寺塔頭を買い取ったようで、ロッキングチェアが置かれているアトリエの部屋と書斎とは増築された部屋だそうです。




奈良に関する様々な蔵書があり、かなり研究熱心な方だったのが偲ばれます。

部屋に飾られている聖林寺の国宝・十一面観世音立像の表情も気高く感じます。
来年に奈良博に来られるのが楽しみです。



家の周りには飛石がうたれ、川の流れを眺めながら散策する事が出来ます。
平成4年(1992)4月に、入江泰吉は自分の作品の全てを寄贈し、その展示施設として奈良市写真美術館が開館しています。
また、その8年後の平成12年(2000)には、妻ミツヱさんが自宅を奈良市に寄贈され、一般公開されるに至っています。
こちらの入館チケットで奈良市写真美術館の入館料が団体扱いになるそうです。