京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

萬福寺で知る文化財保存修理

2019年05月04日 09時52分08秒 | 日記
4月28日は、JR東海の会員イベント「萬福寺で知る文化財保存修理」に参加しました。







13時の集合の後、萬福寺の一室で京都府教育庁 文化財保護課の竹下さまから約一時間レクチャーがありました。

①文化財は定期的に修理する必要があり、状況により屋根だけの葺き替えの場合、部材が痛んでいる場合は、半解体あるいは解体して破損部材を交換し、再び組み直す修復。

②文化財の修復は現状維持が原則で痛んだ部材のみ交換する。彩色が剥落していてもこれ以上、剥落しないように修理保存処理をする。

③過去の文献や建物内部で棟札などが見つかった場合は、創建当初の姿に戻す修復をする。

④建物を覆う巣屋根が必要な半解体、解体修理の場合は、丸太と針金で巣屋根を作る。これも、伝統工法を後世に伝える為に行う。

次にいつもの(?)の萬福寺執事の中島さまに諸堂を案内して頂きました。











次に、ヘルメットを着用して工事現場の見学です。

この日は竹下さまのご配慮で職人体験をさせて頂きました。
大工道具の基本かんなの使い方、また、かんなが発明される以前の槍かんなの使い方を体験!
力の入れ具合で随分と出来映えが変わります。
槍かんなは正直、手強いです。腰を入れて槍の刃に神経を集中してやっても上手く行きません。
おそらく半時間で腕がパンパンになってしまいそうです。
今ではほとんど使われていないそうです。

飛鳥時代 法隆寺建立の際はどんな作業風景だったのでしょうか?

次に檜皮葺きの作業体験です。専用の金槌を使います。長さ2センチほどの竹釘を口に含み、金槌の肢に着いている金属部品で竹釘を檜皮に打ち付けます。それを今度は金槌の先端金属部品で打ち込んでいきます。
これは、なかなか上手く行きました。それもそのはず、下地が畳だからです。実際の檜皮ではこうは行かないでしょうね!これを何百、何千回と素早く、また規則正しい打ち込んでいくのですからかなりの熟練が必要ですね!
今では、この金槌を作る職人さんも全国におふたりしかおられないそうです。







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最近は、このような文化財の修復現場を公開されるようになってきました。見学させて頂くと文化財に対する見方、考え方が変わってきます。足場ひとつ取っても、街中でよく見かけるパイプ材を使って覆屋を作ればいいと考えがちですが、丸太と針金を使う伝統工法を使う事によりその技術の継承や人材の育成につながっているんですねー。

毎年、11月3日の文化の日に事前申込で修復現場の見学が出来ます。
ちなみに、今年の公開現場は、まだ、決まっていないそうです。
中身の濃いイベントでした。
企画されたETさん ありがとうございました。


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