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化石燃料供給は8割から2割へと縮小 IEA、2050年炭素中立で行程表

2021-05-20 07:24:42 | 日記
IEAは18日、2050年に温暖化ガスの排出を実質ゼロにするためのロードマップ「Net Zero by 2050」を策定した。
2050年にCO2排出を実質ゼロにし、パリ協定が定める世界の気温上昇を1.5℃に抑えるためには、「毎日、世界最大規模のソーラーパークを設置し続け、エネルギー効率を毎年4%ずつ改善する必要がある」など、「人類が直面する最大の課題になる」と指摘している。
また、IEAでは2035年までにガソリン車など内燃機関の乗用車販売はゼロ、大型トラック販売の50%が電動車になり、2040年までに電力部門はゼロエミッションに達するとの行程表を示し、2040年には、ジェット燃料の50%が低炭素燃料に置き換わり、石炭・石油火力の段階的な廃止で石油需要は現在に比べ50%減、2045年には天然ガス需要が現在の50%減となり、発電量のほぼ90%が再生可能エネルギー由来で風力と太陽光は70%近くを占め、残りのほとんどは原子力になるとしている。
一方でエネルギー安全保障は重要で、化石燃料の需要減少により石油・天然ガスの新規投資の必要がなくなる中で産油国・産ガス国や化石燃料を取り扱う企業は大きな影響を受けるだけでなく、OPECの石油供給の落ち込みが他の地域に比べ大きくなると予測。IEAではOPECのエネルギー市場への影響が相対的に小さくなったとしても、中東の地政学リスクなどこれまでのエネルギー安全保障上の課題は残ると指摘している。
他方、これからのエネルギー安全保障は、電力の重要性が高まるため、天候などに左右されやすい再エネの供給の流動性や、サイバーセキュリティのリスクが含まれるようになるとしている。さらにクリーンエネルギー技術やインフラの普及が進めば、レアメタルなどの鉱物への依存が高まり、価格や需給面で脱炭素への移行を妨げる可能性があると指摘している。

石油通信社
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