to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

予告犯

2015-06-09 23:15:09 | the cinema (マ・ヤ行)

上映時間 119分
原作 筒井哲也『予告犯』(集英社YJCジャンプ改)
脚本 林民夫
監督 中村義洋
出演 生田斗真/戸田恵梨香/鈴木亮平/濱田岳/荒川良々/宅間孝行/窪田正孝/福山康平/田中圭/滝藤賢一/本田博太郎/小日向文世

ある日、新聞紙を被った男がネット上で、集団食中毒を起こした食品加工会社に対する制裁を予告する。翌日、確かにそれは実行された。その後も、法律では裁かれない不正義に対する制裁の予告とその実行が繰り返され、マスコミも巻き込んで社会現象化していく。ネット犯罪を取り締まる警視庁サイバー犯罪対策課の吉野絵里香は、通称“シンブンシ”と呼ばれるこの予告犯を追い詰めるべく懸命の捜査を続ける。そしてシンブンシが単独犯ではなく、複数犯であることを突き止める絵里香だったが…。

法では裁けぬ悪や罪をネット上で暴露し、その対象への制裁を予告しては実行する
謎の予告犯シンブンシとエリート捜査官の攻防―
原作を全く知らない友人と観てきましたが、
予告の不気味さとは裏腹な、中村監督らしい眼差しを感じる作品でした。

IT企業で陰湿ないじめに遭い体調を壊した奥田宏明は、その時の入院という空白の期間を理由に
なかなか再就職が出来ずに所持金も無くなったそんな時、カンサイに声を掛けられて
痛みを知る仲間と出会う―…


食い物の扱いを知らないやつらに火を通す!
度を越したイタズラ動画をアップした飲食店店員にはどんな制裁を加えるのか、
強姦事件の被害者に対して自業自得とつぶやいた男子大学生には?
入社希望の男性の面接の公開生放送で揶揄した面接官には?!

何れもこの数年、ケイタイの普及によって身近になったSNSの引き起こした
現実にも繰り返された社会問題だけど、
その動画サイトを利用して″シンブンシ″たちは予告し、
制裁を加え、足跡を残す。。。
誰でも簡単に動画が投稿でき、それを安易に拡散できる現状。
悪意のある記事や動画を面白がり嘲笑うひとは、自身に悪の根が張っている人。
同じ理由から、
虐げられた人に共感し、味方になりたいと動く人は、、痛みを知る、、そんな人――

派遣斬り産業廃棄物SNS模倣犯、、、最近の社会現象を反映しています…が、

「勘違いするなよ、これは・・・」という、予告のシンブンシの台詞が気になってました。

果たして彼らはネットで神様キブンに浸りたかったのか?
本当に拾いたかった"声″とは?

アヒルと鴨~」「ゴールデンスランバー」「フィッシュストーリー」とともに、
原作者、舞台背景などは違っても、同じ中村監督の社会に対する目線と、
弱者の中にある小さな消せない善意、優しい正義を感じる作品でした
コメント (6)
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メイズ・ランナー

2015-05-23 22:02:52 | the cinema (マ・ヤ行)

原題 THE MAZE RUNNER
上映時間 113分
原作 ジェイムズ・ダシュナー『メイズ・ランナー』(角川文庫刊)
監督 ウェス・ボール
出演 ディラン・オブライエン/ウィル・ポールター/カヤ・スコデラーリオ/トーマス・ブローディ・サングスター/アムル・アミーン/キー・ホン・リー/ブレイク・クーパー/パトリシア・クラークソン

全米のティーンエイジャーを虜にしたベストセラーYA小説3部作の第1部を実写映画化したSFアドベンチャー
そびえ立つ壁や毎晩変化する構造を持つ謎の巨大迷路に月に1度、自分の名前以外何も覚えていないランナーが送り込まれてくる。やがて団結し始めた彼らは迷路の仕組みを調査し脱出法を見いだそうとするが、迷路の扉が閉まる夜までに帰還しないと命の保証はない。生き残りを懸け巨大迷路に隠された謎を解き明かそうとするランナーたちの運命は……。


巨大な壁に囲まれた草原の広場で主人公トーマスを待っていたのは、自分と同じように
何者かによって記憶を消され送り込まれてきた若者たち。
毎月一度、一人の人間と共に生活物資は送られて来る為、脱出を諦めここで生きていく事を受け入れるものも出てくるが
トーマスは先輩ランナーのミンホ(キー・ホン・リー)とともに巨大な迷路に挑む―。

迫る壁の恐怖も然ることながら、
  ナゼ? 誰が??
  何の為に?!
こんなグレードを造ったのか?

そして、トーマスは一体何者なのか?――

その答えを求めて、彼らと共に疾走する2時間弱!
期待通り、面白かった
私は2度ほど飛び上がりましたが、普通にSFアクションものをご覧になれればダイジョウブ


主人公のディラン・オブライエンは正面からみるとびっくりするほどケヴィン・ベーコン似!
若い頃のケヴィンに見えて仕方がなかったけど、別に息子じゃなかった
あと、
ラブ・アク」の天才子役、
トリスタンとイゾルデ」にも出てたトーマス・ブローディくん
もう25歳!!童顔なんですねぇぇ~。驚きです♪

リトル・ランボーズ」「ナルニア国物語」でも悪ガキだった(笑)ウィル・ポールター、
今回も嵌り役。ナルニアなんてついこの前みたいに感じるけど、彼ももう22歳なんですね~。
すると、、ナルニアの時、実は高校生?だった?彼も童顔なのね・・・

最後に第2部の予告が上映されますが、これは世界中で唯一日本の映画館だけなんだそう
だいたい続編は初回の面白さをを超えられないというのが定説だけど、
期待を抑えつつ、楽しみにしたいと思います♪
コメント (10)
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マダム・マロリーと魔法のスパイス

2014-11-24 23:28:16 | the cinema (マ・ヤ行)

THE HUNDRED-FOOT JOURNEY
上映時間 122分
製作国 インド/アラブ首長国連邦/アメリカ
原作 リチャード・C・モライス『マダム・マロリーと魔法のスパイス』(集英社刊)
脚本 スティーヴン・ナイト
監督 ラッセ・ハルストレム
出演 ヘレン・ミレン/オム・プリ/マニシュ・ダヤル/シャルロット・ルボン/ミシェル・ブラン

フランス南部でインド料理店を開いた移民家族と、その真向かいに建つミシュラン1つ星の名店フレンチ・レストランの女主人マダム・マロリーが、互いの料理と文化を巡って激しく衝突するさまとその顛末をハートウォーミングに綴る。
南フランスでミシュラン1つ星を誇るフレンチ・レストランの気高きオーナー、マダム・マロリー。夫を亡くして以来、レストランに情熱の全てを捧げてきた。そんなある日、故郷インドを追われ、新天地を求めてヨーロッパにやって来たカダム一家が、マダム・マロリーの店の向いにインド料理店をオープンする。派手な電飾と騒がしいインド音楽に眉をひそめるマダム。市場での食材の奪い合いも勃発し、マダムとカダム家の頑固なパパは一触即発の険悪ムードに。そんな中、カダム家の次男で亡き母の才能を受け継いだ天才料理人ハッサンと、マダムの店の副料理長マルグリットは互いに心通わせていくが…。

インドでレストランを経営し、裕福で幸せな生活を送っていたハッサン一家は、
ある日選挙絡みの暴徒によって店が火事になり、一家のマトメ的存在のママを失い、以降はインドを逃れて
ヨーロッパの各地を転々。入国審査、出国の管理局のやりとりとともに手際よく語られ
新天地を求めて旅する一家が車のトラブルで足止めをくったその地は…―

パパが心を奪われたその売家は、道路を挟んでミシュラン1つ星を誇る高級フレンチ・レストラン。
奇しくもそのオーナー、マダム・マロリーはその空家の管理を任されているという。
パパとマダムのこの出会い。
マダムのお店でシェフとして働くマルグリットと一家の自慢の料理人・ハッサンの出会いが
テンポよく語られ、予想通りの展開であっても、飽きさせない。

フランス人はホテルで値切らない。でもパパは気にしない。
フランスのレストランは客引きをしない。でもパパはメゲナイ。
故郷を捨てフランスにたどり着いた一家は、パパの号令のもとインド料理店を開業する。
格式高い名門フレンチの真向かいに、にぎやかな音楽と庶民派インド・レストラン──
対照的な2つのレストランは、食材やお客をめぐって激しい小競り合いを繰り返し、
やがて、マダムの意図しない事件を起こしてしまうが、、、




ラッセ・ハルストレム監督といえば、やはり男性を美しく描くというイメージがある。
ギルバート・グレイプ」の家族という重荷に押しつぶされそうなジョニー・デップ然り、
サイダーハウス・ルール」の、女性を援ける為の堕胎という重荷に人知れず苦しむ院長・マイケル・ケインもステキだった。
そして、本作では“絶対味覚”の持ち主ハッサンが、さながらギルバートのような、
淡い恋心と、孤独感を滲ませて、程よいスパイスになっていて、そこにらしさを感じた

愛することは、、やっぱり、忘れないこと・・・。

今回は設定もあってか音楽が、大好きなレイチェル・ポートマンでなく
ちょっとインド色が勝ってるかもだけど(笑)
シャルル・アズナヴールの「帰り来ぬ青春」が、超!超~懐かしかった。
ウン十年も昔、よく聴いてたなあ…(←遙かに遠い目)

Hier Encore

本作品に挿入されているオリジナル版、探せなかった....

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まほろ駅前狂騒曲

2014-10-29 21:04:02 | the cinema (マ・ヤ行)

原作 三浦しをん『まほろ駅前狂騒曲』(文藝春秋刊)
脚本 大森立嗣/黒住光
監督 大森立嗣
主題歌 くるり『There is (always light)』
出演 瑛太/松田龍平/高良健吾/真木よう子/本上まなみ/新井浩文/三浦誠己/古川雄輝/横山幸汰/岩崎未来/麿赤兒/松尾スズキ/大森南朋/岸部一徳/永瀬正敏

三浦しをんのベストセラー小説を実写化した『まほろ駅前』シリーズ第2弾
東京の郊外まほろ市で便利屋を営む多田啓介のもとに、同級生の行天春彦が転がり込んできてから3年。2人で行う便利屋仕事もすっかり板についてきたある日、多田はある難題を抱え込んでしまう。行天に内緒で、彼の実の娘はるの子守りを引き受けてしまったのだ。多田は子ども嫌いの行天にちゃんと伝えられず四苦八苦。そんな中、いつもアブない依頼を持ち込む裏社会の男・星良一に頼まれ、無農薬野菜の栽培&販売をする“家庭と健康食品協会(HHFA)”という団体の調査を始めた多田と行天だったが…。

多田と行天の便利屋コンビの距離感は相変わらず、なのだけど、
そして、謎の多い気味の行天に振り回される多田、というのも相変わらずなのだけど(笑)
この二人の過去の経緯を知らなくても、この物語は楽しめると思います。

この多田便利軒に関わってくる依頼人や、多田をとりまくまほろの街の人たちも、
そこまで「知っていないと理解できない」モノではない。想像して観れば十分

結構マジメな多田。優しくて誠実で.......女性には不器用です。
結構不真面目な行天。不器用を絵にかいたような男なのに、いつも仰天の行動で
多田の心臓を脅かし、、、結果オーライだったり(爆)も相変わらず。が!

今回の事件は意表を突かれる展開に


ゆる~い便利屋が巻き込まれる今回の事件は、やっぱりどこか軽く描かれていて、
暗過ぎず(むしろ明るい)濃すぎず、重過ぎず(むしろ軽いか?)、腹八分目
なので、お腹いっぱいを求めると、ちょっと違うかも。

ユルイんだけどパンチもある
キャストも主演二人のこの空気感に見合った、高良くんや新井くん、大森南朋さん岸部一徳、
そして永瀬くんだもの。ちょっと脱力系強面と言うべきか(笑)

マジメな多田がヤクザな星(高良くん)に○○されるとこで、先ず観客ほぼ全員が声出して笑ったね
いつもふざけてるような行天が、ポイントポイントで美味しい
色々あっても彼らの人生の切り抜け方を、緩い目で見守りつつ楽しみましょう
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めぐり逢わせのお弁当

2014-10-11 22:48:41 | the cinema (マ・ヤ行)

原題 The Lunchbox
上映時間 105分
製作国 インド/フランス/ドイツ
脚本:監督 リテーシュ・バトラ
出演 イルファン・カーン/ニムラト・カウル/ナワーズッディーン・シッディーキー

家庭でつくった“できたて”のお弁当をオフィスに届ける配達サービスが充実しているインドの大都会ムンバイ。そのシステムでは誤配の確率は1/600万だという。
そこでその稀有な1件から生まれた交流を描いていくというもの。
ムンバイに暮らす主婦のイラ。すっかり冷めてしまった夫の愛情を取り戻そうと、お弁当作りに精を出す。ところが、その丹精を込めた4段重ねのお弁当が、なぜか早期退職を控えた男やもめ、サージャンのもとに届いてしまう。その日、お弁当箱は、きれいに空っぽになって帰ってきた。それを見て喜ぶイラだったが、ほどなく夫が食べたのではないと気づく。そこで次のお弁当には、きれいに食べてくれた見知らぬ誰かへのお礼の手紙を忍ばせるイラだったが…。

地元上映は無くて遠出しないと観れないなあと思っていたら、好きなシネコンで遅れて上映。
予告で印象と違って、画面は濃いけど内容はそれほどでもない、ってか
インド映画っぽくない、不器用な大人の静かなラブものでした・・・

ムンバイのイラ一家は叔母の階下に住んでいるらしく、食材なども常に籠を使ってやり取り。
何かというと大声で会話をし、夫婦の冷めた関係の相談すら窓越し(笑)

夫と子供を送り出してからお弁当を作り、ダッバーワーラー(弁当配達人)に渡す。
それからのお弁当の旅路に、いやはや、複雑~・・・
自転車→カート→駅→乗り換えてまた電車→カート、、、
金属製のフタに金属のバンドがかかっていても、絶対ソースとか漏れるでしょ~
と、ツッコみたくなる宅配システム......持って行けばいいじゃん。。。


でもね、コレ脇のキャラが面白い。チョッとイラッとくるけどね

間違えて配達されたよそのお弁当を完食し、礼状でダメだしするほどの堅物サージャンは、
早期退職が決まっていて、その後任は、孤児だというシャイク。
ちっとも引き継ぎの指導をしてくれないサージャンにまとわりついてきて、ある日彼はこう言う。
「母がよく言っていた」(え?)

――"時にはたとえ間違った電車に乗ったとしても、正しい場所へと導かれる"――に、
ナゼか心惹かれるサージャン。そしてここから彼に僅かに変化が・・・

一方のイラは、なんとか夫に自分をみて貰いたいと努力はするものの、、、
次第に孤独を深めていき・・・ある時ついに、、、

孤独な主婦と、
孤独で家庭に憧れながらも自分の老いに気付き、臆病になった男のお弁当が取り持つ恋物語。
お互いの心の隙間を埋める手紙だけの交流で、、果たして・・・

主演のイルファン・カーンは、「スラムドッグ$ミリオネア」で警部役「アメイジング・スパイダーマン」で博士役、「ライフ・オブ・パイ」で、成人したパイの役と、生真面目な役が多いんですね~。
こちらも嵌っていましたし、彼の単調な日常描写からの心の変化は伝わってきました。
が、弁当箱の手紙がメインなので、異常に人物のアップが多く、
単調で、しかも引いた映像がほとんどないと言っていいので、凄く目が疲れました

ヒロインの、壁に向かって尽くしているような心情は伝わってくるものの、共感まではし難く、
その決心も行動も、中途半端感があって、ちょっとどうなの?って思ってしまったワタシ。
料理もお弁当なのでちょっと色々と地味目な作品ですが、
ある意味インドを体現できる作品でもあるかな~。
でも、、朝、ちょっと早起きしなくちゃいけなくても、その後パートをしたり出来る日本の主婦。
やっぱり日本に生まれてよかったわ。なんて思ったのでした
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マイ・フレンド・フォーエバー

2014-08-20 23:09:36 | the cinema (マ・ヤ行)

原題 THE CURE
制作年度 1995年
上映時間 100分
監督 ピーター・ホートン
音楽 デイヴ・グルーシン
出演 ブラッド・レンフロー/ジョセフ・マッゼロ/アナベラ・シオラ/ダイアナ・スカーウィッド/ニッキー・カット/ブルース・デイヴィソン

何か、この時季らしい映画が観たかったので久々のツタヤへ。
そこで見つけました!いつの間にかDVD化されていた
08年に哀しい最期のニュースが報じられたブラッド・レンフローを偲んで。。。

ある日、エリックの家の隣に新しい住人が引っ越してきた。その家の子供デクスターはHIV感染者だという。始めは戸惑い、敬遠していたエリックだったが、やがてデクスターと心が通い合い、友情が芽生えてきた。そしてエリックは“彼の治療法を見つける”とデクスターを連れてあてどのない旅に出掛けるが……。

共に母親との二人暮らしながら、
HIVに感染しているが、母親が唯一人のトモダチのデクスターと、
友達もいなく、離婚で傷つき子供には支配的な母と暮らす孤独なエリック。

エイズに対する知識の無さから垣根越しの会話しかなかったが、
ある日エリックはついに垣根を越えてデクスターの前に

その日から、チビで疲れやすいデクスターと、会わずにいられないエリック。


おもちゃの兵隊と戦車、泥の要塞、キャンディー・・
2人でいれば楽しかった。だけど、デクスターの病気は特効薬がない。。。
特効薬が開発されていないということは、つまり何が効くか解らないということ??
少々ドキドキさせられる、エリックの実験がふたりの日課になる
そんな時、ゴシップ誌にウソみたいな記事が!?
エリックがサマーキャンプに行く日が迫っていたし、デクスターはだんだん疲れやすくなってきてるし....
2人はエイズの特効薬に望みをかけて、ニューオーリンズに向けて旅立つ…―


旅の途中。どんな時も、冷静に自分をとりまく状況を把握してるデクスターがうちあける。。。
時々夜中に目が覚めて…真っ暗だと怖くなるんだ。
ボクは宇宙にいて、もう戻れないような気がするんだ、、、


一つ年長のエリックは、この旅で何度もオトナの判断を迫られますが、この答えははなまる
それを抱いて寝ろよ。目が覚めて怖くなったらこう言うんだ。
(これはエリックの靴。僕はこんな臭いスニーカーを抱いている。宇宙であるはずがない。
ここは地球で、エリックが傍にいる。)


塀の向こうとコチラ側の、孤独だった2人の少年に訪れた輝くような夏休みは、、、
 

十数年ぶりに観ましたが、今回もまた子供と一緒には観れませんでした。

主演のブラッド・レンフローくんは依頼人(1994)で、スーザン・サランドン演じる弁護士に
僅か1ドルで弁護を依頼する生意気で頭のいい少年役でデビュー。
その危うさを秘めた美貌と演技力で大いに話題となりましたが、アメリカの天才子役に待ち受ける
様々な試練に呑み込まれ、弱冠25歳という若さで亡くなっています。。。

もう一人の少年を演じたのはジョセフ・マッゼロくん。
この作品の体格差から、もっと年齢差があると思っていましたが、レンフローくんより1つ下だったのですね、、。 
推定無罪(1990)で映画デビュー、ハリソン・フォードと共演し、ジュラシック・パーク (1993)
激流(1994)と話題作に出演した天才子役。
ソーシャル・ネットワークではマークの友人でしたが、以降何故か目立った出演作がないようです。

名子役のひと夏の切ない、儚い友情物語

MUD -マッド-」や「ギルバート・グレイプ」「テラビシアにかける橋」、
或は「ぼくとママの黄色い自転車」がお好きであれば、オトナであっても、きっと温かいもので満たされると思います。

おまけ
日本語吹き替えで、ジャニーズJr.時代の滝沢秀明くんが主人公エリック、今井翼くんがHIVに感染した少年デクスターの声を演じているそうです。
タキツバが吹き替え担当「マイ・フレンド・フォーエバー」DVD廉価版発売決定
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マレフィセント

2014-07-19 23:44:44 | the cinema (マ・ヤ行)

製作年 2014年
上映時間 97分
監督 ロバート・ストロンバーグ
脚本 リンダ・ウールヴァートン
出演 アンジェリーナ・ジョリー/シャールト・コプリー/エル・ファニング/サム・ライリー/イメルダ・スタウントン/ジュノー・テンプル

ディズニーが1959年に製作したアニメーションの古典的名作「眠れる森の美女」を、魔女のマレフィセントの視点から描き直した作品
とある王国で、待望のロイヤル・ベビー、オーロラ姫が誕生し、盛大なお祝いのパーティが開かれる。招待客が見守る中、3人の妖精たちがオーロラ姫に幸運の魔法をかけていく。ところが3人目が魔法を授けようとしたその時、“魔女”と恐れられる邪悪な妖精マレフィセントが現われ、“16歳の誕生日の日没までに、姫は永遠の眠りに落ちるだろう。そして、それを解くことができるのは真実の愛のキスだけ”と恐ろしい呪いをかけてしまう――。

誰もが知っている「眠れる森の美女」の、真実の愛のキスが魔法を解き、
オーロラ姫は王子のキスで目覚めるハッピーエンドのラブストーリー。
それは幼い女の子の憧れのみならず、少女から乙女になり、大人になっても、
心の中に燦然と輝く、「唯一人の真実の恋の相手」のバイブルだった―…。

それが…
邪悪な妖精の側にも実は、、という、
大人の事情を描き、でも、ベースはしっかり「眠れる森の美女」で、
ちゃんと、昔観たかつて子供だった観客に大人の視点でその物語をなぞります。
が、
魔法にかけられて」の時ほどじゃないけど、
なんだか観ながら、解り易いけど大人に迎合してる感を凄く感じて、
ディズニーのターゲットが明らかに大人中心になっているのを寂しく感じました。
(まぁ、、テーマは愛、母性、家族に違いないんですが、夢は砕け散ります)

なので、子供は観ちゃいけません(笑)
子供には、悪い魔法にかけられて眠らされていても、きっと素敵な王子のキスが
姫を魔法から目覚めさせる
・・その物語を心に刻んで大人になってほしい(笑)


これはアンジーの為の作品といってもいいくらい嵌っていました。
もっとシリアスかと思っていたのですが、そこはやっぱりディズニー映画。
そこそこコミカルなシーンも入れて、全体に温かな視線を感じました。でも、
だから余計にバランスの悪さを感じてしまったのかも知れません。コレ、オトナ向け?って。
オトナでもない、コドモでもない、中途半端な、そんな人が増えてきているのか?って。。。

とは言え、胸が熱くなったシーンもあり、キャストも映像もヨカッタ♪
エンディングのラナ・デル・レイの気だるい「ONCE UPON A DREAM」がすこぶるマッチ
それにしてもちっちゃいオーロラ姫、ブラピ似だと思ったわ
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MONSTERZ モンスターズ

2014-05-31 23:41:07 | the cinema (マ・ヤ行)

製作年度 2014年
上映時間 112分
脚本 渡辺雄介
監督 中田秀夫
音楽川井憲次
出演 藤原竜也/山田孝之/石原さとみ/田口トモロヲ/落合モトキ/太賀/三浦誠己/藤井美菜/松重豊/木村多江

見るだけで他人を思い通りに操作できる特殊能力を持つ男と、その能力が唯一通じない男の激闘を描く韓国発『超能力者』をリメイク
対象を見ることで他人を自由に操れる超能力を持つ男(藤原竜也)は、その能力ゆえに孤独と絶望の人生を歩んできた。ある日、自分の能力が一切通じない田中終一(山田孝之)に出会ってしまった男は、動揺のあまり誤って終一の大切な人を殺してしまう。復讐を果たそうと決めた終一と、自分の秘密を知る唯一の人間を狙う男が壮絶な戦いを繰り広げていく。

同時公開されたコチラと「X-MEN:フューチャー&パスト」どちらを先に観るか迷うところでしたが、
待ち時間が少なかったし、コチラを先に♪
さすがは竜也クン、山田くん主演作ということで、観客の平均年齢がぐっと若く(笑)
初日にしてはイイカンジの混み具合。今回、映画の日が休日ということもあって
きっと1日の映画サ-ビスデイはもっと混みこみなんだろうなあ~。

本作が『超能力者』のリメイクと言う事は知っていましたが粗筋をパンフで読んでいたぐらいで、
オリジナルは観ていませんでしたので、比較してどこがどうのと云わずに観れたことはヨカッタかな
主演2人の異常な攻防を、純粋に楽しめましたから。

冒頭はその男の幼少時代から。
夫のDVから逃げていたという感じでないことは、少年の爛れた足、目隠しなどで解るけど、
その日から、少年はたった独りで生きることを選ぶ――そうせざるを得ない状況が映される。

幼い少年が、親と離れてたった独りで生きる。心の拠り所は1冊のコミック。
(そのコミックがAKIRAというのも、泣かせる)
生きる術は、人を操る事。・・・命を削りながら。―
ある日、孤独なその男の、深層に触れる出会いがあったあとに、
彼を恐怖に陥れる、操れない男・終一を見かけ、彼を葬ることに執念を燃やすことになる―


X-MENの新作を観る前に、と思って、過去のシリーズを立て続けに観直したのもあってか(笑)
孤独な操る男=(人間性は別として)プロフェッサー
驚異的な蘇生力と身体能力の男=ウルヴァリン
という、アチラと違って日本ではその存在すら知られていない進化した超能力者同士に見えた。

誰とも交わらずに生きてきたその男の驚愕っぷり。
対照的な終一の、生きている意味を知る場面が好い!!
それに比べると、終一の能力に気づいていて、そういう進化した人間の存在に気づいていた筈の
松重演じる刑事の周辺設定が弱い。
特別捜査官の存在もあって無いような希薄さがザンネン。(存在感がまるで無い)

まあ、大体においてアメコミなんかでも、警察側の武器って銃オンリーなんだけどね。
でも、コレは日テレじゃなくテレ朝だったら刑事側の設定・演出もかなり違っていたと断言できるわ(笑)
最後の舞台となったあの刑事と石原さとみちゃんにはツッコんでみたくなるところ


この序盤のEPがあるから、成人したのどこか幼い思考がナットクの哀しさ。。
瞬きが一切許されない、藤原竜也クンの演技!
この日は気が付くとギョロリと目を剥いて竜也クンになっちゃってました(爆)

闇金ウシジマくん」や「凶悪」ではみられなかった、なんか初めてっていう位の山田くんのアクションに
気分は上がりました~(笑)この2人で成立する作品
ツッコみどころもあるけど、「絵」としての面白さもある。
巻き込まれた通行人や、時には刑事になったつもりで2人を追って行けば愉しめると思います。
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闇金ウシジマくん Part2

2014-05-17 21:22:34 | the cinema (マ・ヤ行)

製作年度 2014年
上映時間 133分
原作 真鍋昌平『闇金ウシジマくん』(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載)
監督 山口雅俊
出演 山田孝之/綾野剛/菅田将暉/窪田正孝/木南晴夏/門脇麦/中尾明慶/光石研/柳楽優弥/崎本大海/やべきょうすけ

真鍋昌平のコミックをテレビドラマ化、闇金融の業者を演じた山田孝之が強烈なインパクトを与えた群像劇の劇場版第2弾
10日で5割というバカ高い金利で金を貸すカウカウファイナンスの社長ウシジマ(山田孝之)。ヤンキーのマサル(菅田将暉)の母親はパチンコにはまっており、ウシジマに借金をしていた。ある日、マサルは暴走族のヘッド、愛沢(中尾明慶)のバイクを盗み、慰謝料として200万円をウシジマに借りるように脅される。しかしウシジマはマサルを気に入り、闇金で働かせることにして……。

「カウカウファイナンス」の社長・丑嶋馨(ウシジマカオル)がファミレスで
一見普通の夫婦から借金の取り立てをしている風景で物語は始まる。
夫は強面のウシジマたちを前に少しの恐怖も感じておらず、、
金を叩き付けた妻と引き上げた直後に、その理由が判明する――

大抵シリーズの2は前作を超えられないが定説だけど、コレは面白い!!
私としては前作よりもコミカルな運びで愉しめた!

最初に登場する懲りない嘘虫歯の夫・バカリズム始め、
いずれ劣らぬクズどもが次々と!
ウシジマの幼なじみで情報屋・戌亥(イヌイ)役の綾野剛が清涼剤となり(笑)
おまけに私的にご贔屓の若手、窪田クンと菅田クンがいずれもダメ人間で出てるから
もうそれだけで美味しいのに、
今回の物語を引っ張るダメ人間の中尾明慶くんはこれ以上ないくらい嵌ってマス

ふとしたワルふざけから暴走族のバイクを壊したマサルは寸でのところを牛嶋に救われるが、
その暴走族も実は借金の返済を迫られており、彼の妻はホストクラブに金を注ぎ込む木南晴夏。
そのクラブに見習いホストの窪田クンがいて、ゲーセンで不登校の女子高生と出会い、
その女子高生に一目ぼれしたストーカーに柳楽優弥。これは途中まで気づかなかった

ホストくんの店の客がどこかイタイ系な女たちだけど、
その中でやっぱり貫禄のキムラ緑子姐さんは、アッパレランジェリー姿も披露

テンパってる時の普通じゃない奴の脳内の声が可笑しく、
それが場違いな笑いとかを生んで、
とことんクズな奴らの驚きの行動から目が離せない。

返済を迫られてジタバタする懲りないクズ男のハイスピードな動向は、でも小者感満載で(笑)
片や女性陣のキレ感たっぷりの浪費振り・・・。
そんなクズどもを相手に表情も変えず、取り立ての手をゆるめないウシジマ♪
カウカウファイナンスを襲う危機に、メンバーはどう立ち向かうのか?!


痛いシーンもあるけど、こんな面子が店先でまったりな風景もね~

やっぱり惚れるわ、ウシジマ@山田くん
前作やドラマ版を知らなくてもコレ1本でも楽しめる内容です

そうそう
エンドロール始まって直ぐにはお席を立たないで下さいね、美味しいオマケを逃しますよ
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MUD -マッド-

2014-02-04 22:56:51 | the cinema (マ・ヤ行)

あの夏、ぼくらは逃亡犯と友達になった――
製作年度 2012年
上映時間 130分 PG12
監督/脚本ジェフ・ニコルズ
出演 マシュー・マコノヒー/タイ・シェリダン/サム・シェパード/マイケル・シャノン/ジェイコブ・ロフランド/リース・ウィザースプーン

少年のひと夏の冒険と成長をビターに描いた青春サスペンス・ドラマ
14歳のエリス(タイ・シェリダン)はアメリカ南部、アーカンソー州の川辺のボートハウスで両親と暮らしている。彼はある日、親友ネックボーン(ジェイコブ・ロフランド)と出掛けたミシシッピ川の島でマッド(マシュー・マコノヒー)という男性と出会う。エリスは世間から隠れて暮らす彼に興味を抱くが、ネックボーンはマッドのことを快く思っていなかった。

ヒューマントラストシネマの【未体験ゾーンの映画たち 2014
これは、海外では評価が高く話題作であるのに、日本では劇場公開されていなかった映画たちの上映企画なんですが
ようやく行けました♪

少年期の冒険が、犯罪者との出会いを生む――
ありがちなストーリーではあるけれど、
キャスト、映像でこんなにも心惹かれる作品に

舞台はアーカンソー州の、どこか文明から取り残されたような片田舎。
14歳のエリスとネックボーンは、思春期にさしかかり、子供時代に別れを告げようとしていた。
2人で出かける秘密の冒険の島。
そこでマッドに出会い、次第に心惹かれていく、少しオトナな夏。

家庭が崩壊していくことに危機を感じていて、「永遠に変わらない愛」を信じたいエリス。
そんな彼の傍にはいつも、
両親はいないけど、若い叔父に育ててもらっているちょっとクールなネックボーンがいて、
エリスが暴走しようとするとブレーキをかける。

序盤に2人がボートで、支流からミシシッピ川に合流する時の映像が素晴らしい!
今まさに、大海に小舟で漕ぎ出そうとする少年たちを後ろから見守る時、
そのシルエットにワクワクとドキドキとともに、子供時代への別れも感じながら物語は始まる。

大人の世界に手をかけた少年たちと、オトナになりきれない一途なマッド。
3人の夏は、信じるに足る本当の愛にたどり着けるのか・・?


ガラクタと泥にまみれた川――壊されても文句を言えない家―…。
決して明るくない未来を感じさせながら、
乾いて埃っぽい黄昏の町をバイクで走る少年たちと、
ただ一つの事にしか目がいかなかった男の人生が交差して…―

壊れゆく両親の愛に、成す術もなく心を痛めるエリスに
大人の掛けるセリフが、シンプルで無駄がなくていいし、
愛と挫折と、自立を描いた、ちょっと懐かしい思春期のあの時代を思い起こさせる作品で、
爽やかさとともに、うっすら口に残るほろ苦さもあり、
キャストも映像もヨカッタ拾い物の1本
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マッキー

2013-10-28 23:01:26 | the cinema (マ・ヤ行)

原題 EEGA
製作年度 2012年
製作国・地域 インド
上映時間 125分
監督 S・S・ラージャマウリ
音楽 M・M・キーラヴァーニ
出演 ナーニ/サマンサ・プラブー/スディープ

悪徳実業家に殺されハエに生まれ変わった男が、小さなハエの姿のまま愛する人を守り、復讐に立ち上がるインド発の痛快エンタテインメント・ムービー
ジャニ(ナニ)は近所で暮らす美女ビンドゥ(サマンサ・プラブー)に思いを寄せていて、彼女もジャニのことが心に引っ掛かっていた。しかし、建設会社社長のスディープ(スディープ)もまた彼女に夢中で二人が相思相愛になったことを知ると、マフィアの顔も持つ彼は激怒した揚げ句ジャニを殺害する。やがて小さなハエに生まれ変わったジャニは、殺された恨みを晴らそうとするが……。

余り馴染みのないインド映画に今年は「きっと、うまくいく」で超~注目♪
コチラは上映時間が(インド映画にしては)125分と短いため、友人も誘って行きましたが、
コレは大人相手に下ネタ噴出のぬいぐるみも出てこないし(笑)
地元シネコンは字幕だけでしたが、中村獅童さんが悪役スディープの吹き替えを担当したらしいし、
お子さんとご一緒にご覧になるのもいいですよ♪

貧乏でお調子者で、超ポジティブ思考のジャニは、ビンドゥにツレなくされても無視されても、
2年もの間彼女だけをみつめて追いかけている。

マイクロアートの制作をしながら、ボランティア活動に熱心なビンドゥは、
ある日大口の寄付をするスディープの会社に挨拶に行き、そこで見初められてしまう。
まあ、それでもお人よしで脳天気なジャニは一向に気にならないのだが、
生きてる時からハエのようにビンドゥにつきまとうジャニを(笑)スディープは邪魔に思い、
躊躇なく拉致、殺害し、手下に命じて事故に見せかけて遺棄

ジャニの方では「アンタだれ?」状態の不意打ちだが、
虫の息の(苦笑)ジャニはこのイカレタ極悪人の顔をしっかりインプットし…―
どんな神のいたずらか、彼の魂は小さなハエの卵の中に~

そして小さなマッキーとなったもの言えぬジャニの冒険と復讐の人生が始まるのです


小さくて非力なハエの奮闘ぶりは、愛嬌たっぷりだし、ストーリーも解りやすいし、
呪術師のくだりは、超迫力で小さい子は少しビビルかもですが、面白い

たかが小さなハエ一匹にしつこく狙われ、次第に可笑しくなっていくスディープと、
嬉しい協力者を得てからのマッキーのトレーニングを積みながらの(笑)攻防は、
大爆笑と言うよりクスクス大人も子供も一緒になって楽しめるものだと思います

というわけで、今作ではハエが主人公なので、ラストは人間は踊りません
帰り道はマッキ マッキ マッキ マッキの単調な歌が頭の中ヘビロテでした~

原題「Eega」はテルグ語で、「Makkhi」はヒンディー語でどちらもハエの意味だそうです。
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マン・オブ・スティール

2013-09-05 22:32:42 | the cinema (マ・ヤ行)

原題 MAN OF STEEL
上映時間 143分
監督 ザック・スナイダー
脚本 デヴィッド・S・ゴイヤー
音楽 ハンス・ジマー
出演 ヘンリー・カヴィル/エイミー・アダムス/ローレンス・フィッシュバーン/ダイアン・レイン/ケビン・コスナー/ラッセル・クロウ/マイケル・シャノン/アンチュ・トラウェ/ジュリア・オーモンド/クリストファー・メローニー

ひとりの心弱い青年が、いかにして最強のスーパーヒーローになったのか?ヒーロー以前の知られざる物語が描かれる。
クリプトン星で生まれたその赤ん坊は、滅亡を悟った父に最後の希望を託され、地球へと送られた。地球にたどり着いた彼は、ジョナサンとマーサの夫婦に拾われ、クラーク・ケントとして育てられる。次第に超人的な能力に目覚めていく少年時代、養父からはその能力を使うことを固く禁じられていた。周囲との違いに孤独と葛藤を抱えながら青年へと成長したクラークは、やがて自分探しの旅に出て、自らの使命を確信する。そんなある日、クリプトン星の生き残り、ゾッド将軍がクラークの存在に気づき、彼を追って地球へと襲来する。

世界中で最も知名度の高いヒーロー、スーパーマンの、誕生の経緯からを描き
その特殊能力ゆえに虐められっ子だった少年期の思い出とともに、
青年クラークが自分の出生を確かめ、その使命感に目覚めるまでを描いたもの。

なので、まだ誰も知らないクラーク・ケントの物語。
まだ世間に認知される活躍もなく、愛されヒーローでもない物語なんですね~。

音楽もあのお馴染みのジョン・ウィリアムズのテーマソングは流れないし、
過去の(クリストファー・リーヴの)コミカルさはなく、
ひたすら地球人にないチカラを封じ込めて、正義感と疎外感に苦しむクラークを映していて、
まだスーパーマンではない、というコトを強調しています。
そうです。文字通り、クリプトン星で生まれた赤ん坊カル=エルの波乱の人生、
地球の家族との絆、戦うことを禁じられた日々が語られて、
本当の強い男への道のりの苦悩の物語でした。


クリストファー・ノーラン製作・原案ということである程度予測していましたが、
やはり「ダークナイト」「ダークナイト ライジング」に通じる、
正義と対峙し、苦悩するヒーローでした。

お馴染みの「」マークのスーツの由来。イヤ、
「スーパーマン」と呼ばれるに到るまでのエピソードは興味深く、面白かったです
そして――、ここから新しいスーパーマン、でも、次作から誰もが記憶している
無敵のスーパーマンと、謎のクラーク・ケントの生活へと繋がっていくのです。よね?

興行的にはパッとしなかったかも知れないけど、「スーパーマン リターンズ」が結構好きでした。
何しろクリストファー・リーヴの持つ雰囲気そのまま継承してるようなブランドン・ラウスが素敵!
ロイスのケイト・ボスワースもよかったし
ここらへんはもう好みの問題だという気がしますが

迫力のアクション、スピーディーな映像、丁寧な心理描写、
2人の父、ジョー・エル@ラッセル・クロウと、ジョナサン・ケント@ケヴィン・コスナーも
凄く嵌っていて見応えはあったのに、
肝心のメインのふたりに私的萌えポイントがなく・・・
後、終盤の破壊しまくりの戦いが長くて、、ちょっとだれちゃいました。

ターゲットが絞り込んであるという点では納得ですが、
やはりスーパーマンは、子供からお年寄りまで単純に楽しめる、明るいヒーロー作品であって欲しいな~。
というのも…―
 これは20年来のママ友と日曜のレイトで鑑賞。
 レイトにしたのは日中あまりに暑いのと、子連れファミリーを避けたいからだったのに、
 やられました、、、
 どうみてもオムツが取れたかどうかの2歳児の女の子を連れた中年の夫婦。149分、字幕ですぞ
 案の定、開始10分ほどで大泣き。終盤はあやしながら喋ってました。
 夫婦どちらかが子供の面倒を見、回をずらして一人で観ればよかったのに。何も子連れで観る事は無い。
 大勢の観客にも、まだ言葉もハッキリしない子供にとっても迷惑な話だと思いました。。。


今までの「スーパーマン」シリーズのイメージを捨てて行くべし、ですね。
コメント (18)
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マリーゴールド・ホテルで会いましょう

2013-02-02 18:29:08 | the cinema (マ・ヤ行)

インドの風がささやいた。
やりたいように、やればいい。

製作年度 2011年
原題 THE BEST EXOTIC MARIGOLD HOTEL
製作国・地域 イギリス/アメリカ/アラブ首長国連邦
上映時間 124分
原作 デボラ・モガー『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(早川書房刊)
脚本 オル・パーカー
監督 ジョン・マッデン
音楽 トーマス・ニューマン
出演 ジュディ・デンチ/ビル・ナイ/ペネロープ・ウィルトン/デヴ・パテル/セリア・イムリー/ロナルド・ピックアップ/トム・ウィルキンソン/マギー・スミス
「マリーゴールド・ホテルで、穏やかで心地良い日々を-」という宣伝に魅力を感じ、イギリスからインドに移住してきたシニア世代の男女7人。夫を亡くしたイヴリン(ジュディ・デンチ)をはじめ、それぞれに事情を抱える彼らを待ち受けていたのは、おんぼろホテルと異文化の洗礼だった。そんな周りの様子を尻目にイヴリンは、街に繰り出しほどなく仕事を見つけ……。

亡夫の残した負債を返済するため家を売り払い、インドでの一人暮らしを決意したイヴリン
退職後、国内に家を買うつもりが予算の都合でインドを選んだ夫婦ダグラスジーン
ミユリエルは股関節手術が、英国は半年待ちだがインドは格安・迅速だというので渋々やってきた
独り者のノーマンは、異国での最後のロマンスを求め、
結婚と離婚を繰り返していたマッジは、孫達と別れ富豪の夫を探すために、
突然判事を辞めたグレアムは、かつてこの地に住んでいた大切な人に会う為に・・・

そもそもの、インド移住の動機の時点での想いの強さが、
到着後の彼らの行動とともに、人生をも左右することへと繋がるのだが、、、


将来は“高級ホテルになる予定”という廃墟同然のボロ・ホテル。
彼らを待っていた、やる気だけは人一倍の若き支配人ソニーのいくらでも出てくる前向き弁明。
シャワーも電話も故障。いつの間にか鳥のホテルと化した部屋にドアのない部屋。
7人の夢を打ち砕く、優雅な生活とは程遠い現実―。でも、
ソニーの言うように“最後には万事めでたし”も説得力はないが・・―
しかし、ボロホテルに籠っていても楽しくない。

先頭を切ってイヴリンは、足の踏み場もないエネルギーに溢れたジャイプールの街に出かけ、
老いと決意と、初めての冒険をブログに綴っていく。

差別意識の顕著なミユリエルは、世話を焼いてくれる身分の低い食事係の女性の心遣いに、
かつての自分を思い出し、希望を取り戻していき・・・

明るく前向きなソニーも、ボロホテルの資金集めに駆けずり回りながらも
自分もある問題を抱えていたが、ある日、その問題が到着。
7人の先行きに大きく影響する事態となるが・・?


ジャイプール行きの飛行機が突然キャンセルされ、バスとトゥクトゥク(三輪車タクシー)を乗り継いで
埃っぽく、喧噪と色彩に満ちたインドの街に飲み込まれていく序盤から、
もう、8人目のメンバーとなり(笑)逞しくも我儘な、彼らの隣にいました。

異文化に衝撃を受け、時に弱気になり、恥じ入りながらも、
若者のように、うじうじと迷い、だらだらと過ごす時間は彼らにはないの。
決断したら一歩を踏み出すのに迷いはない。残り時間はそう長くないのだから
ちょこっとユーモアを交えながらも、そこで生きる人たちと触れ合い、影響しあい
これまでの彼らの人生、掴み取ったこれからの人生を描いた素敵な作品でした


それにしてもゆるくない。シゲキに満ちた音楽とカメラワークがインドの息遣いを伝えていて、
ロケーションも良かった
これは、早々に続編制作が決定していて、大好きなヘレン・ミレンやコリン・ファースの名が挙がっているとか♪
非常に楽しみです

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夢売るふたり

2012-09-12 22:14:09 | the cinema (マ・ヤ行)

人間最大の謎は、男と女
製作年度 2012年
上映時間 137分 映倫 R15+
脚本 監督 西川美和
出演 松たか子/阿部サダヲ/田中麗奈/鈴木砂羽/木村多江/伊勢谷友介/古舘寛治/小林勝也/香川照之/笑福亭鶴瓶

『ディア・ドクター』などで高評価を得た西川美和監督がメガホンを取り、小料理屋を営む夫婦が火事で全てを失ったことから始めた結婚詐欺を通して、複雑で深遠な男と女の関係を描き出す。
東京の片隅で小料理屋を営む貫也(阿部サダヲ)と妻の里子(松たか子)。店は小さいながらも順風満帆だったが、火事で全てを失ってしまう。ある日、貫也が常連客と一夜を共にし、すぐに里子の知るところとなるが、里子は結婚詐欺で金をだまし取ることを考案する。結婚願望の強いOLなど寂しい女たちの心の隙につけ込んで、店を再開するための資金を稼ぐ二人。しかし、夫婦の関係に影が差し始め……。

妻がリードの仲良し夫婦。
そこそこ成功して、幸せを手に入れていた。
ある日、店は燃え上がり、、店の再開のメドも立たず、
そもそも自分の不注意から出火したとの自責の念に駆られる貫也は、
文句一つ言わずにラーメン屋に職を決めて働き出す里子に負い目を感じるように…

いや、元々妻に、劣等感を持っていたようにもみえる貫也は、
"その夜"以降さらに里子に負い目を深くしていったように感じた。。。
デキ過ぎの女房に、益々不甲斐無い夫――



ダークな人間の心理描写が巧い西川美和監督。
ゆれるでは決壊してしまいましたが、コチラは、、予感めいたものがありました・・・
結婚詐欺」に映倫 R15+
はい。予想はしていましたが、生々しいデス。
しかも、捻じれてます

不倫で大金を手にした女。結婚したい独身OL。男運の悪い風俗嬢....
孤独なウエイトリフティング選手に、幼い息子を抱えたシングルマザー.......
この登場人物を演じる女優陣がみんな巧い!

美人局の逆バージョンの夫婦。
ターゲットを見つけると、松演じる妻がシナリオを書き、演出をする。
ひたすら頑張る(笑)夫だけれど、、、これが阿部サダヲなのでどこか憎めないのも計算のうちなのだろうが、
物語自体は女性に厳しいようでいて、やはり突き詰めると、
一般的な"男の方がロマンチスト"というのはこの場合逆であり、
不倫OLからの流れは、強さに隠れた"女の愛"の純粋さの裏返しが見て取れる

「大人の女の生きづらさ」を描きたかったという監督ですが、
どんな女性の中にも、曲げられない領域があり、それが為に孤独であり、強くならざるをえないそんな女たち。
たとえ、その為につけ入られることになろうとも、だ。

まあ、このストーリーで2時間超えは正直キツイですが、
監督、キャストのファンなら観て損はない、けれど、好みの分かれる作品だと思います。
テンポもあるのでしょうが、予想できる展開だったし、好きか嫌いかと問われれば好みとは云えない。
見応えのある役者の演技をもってしても、私は長過ぎだと感じました。
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メモリー・キーパーの娘

2012-07-21 22:05:10 | the cinema (マ・ヤ行)

原題 THE MEMORY KEEPER'S DAUGHTER
製作年度 2008年
上映時間 90分
原作 キム・エドワーズ『メモリー・キーパーの娘』(日本放送出版協会刊)
脚本 ジョン・ピールマイアー
監督 ミック・ジャクソン
出演 ダーモット・マローニー/エミリー・ワトソン/グレッチェン・モルヒュー・トンプソン/オーウェン・パッティソン/エマ・コルバート

全米ベストセラー小説を映画化、妻の生んだ双子の赤ん坊のうち一人をある理由で内密に手放してしまった医師の苦悩と、周囲の人々の行く末を描いたヒューマン・ドラマ。
愛妻ノラと幸せに暮らす医師のデイヴィッド。やがて、めでたく双子の男女をもうける夫婦だったが、女児の方はダウン症にかかっていた。過去に病弱の妹を幼くして亡くし、悲しみに暮れる母を見てきたデイヴィッド。妻に同じ苦しみを背負わせたくない一心の彼は、ノラには女児が死産したと伝え、実際には女児を手放すという苦渋の決断を下す。しかし、その女児フィービーを施設へ届けることを託されていた看護師キャロラインは彼女に生き甲斐を見出し、自分の娘として育てていくのだった。以来、双子はそれぞれデイヴィッド夫妻とキャロラインのもとで成長し、25年の時が過ぎるのだが…。

1964年のその夜が大雪だったこと・・・
その為にその愛し合う夫婦の運命が変わり、
その医師に心を寄せる看護師の人生に、新たな登場人物が現れる――

BSでみつけて録画したものを、子供と観ました。
何の予備知識も無く、でしたが、ドラマはほぼ予測通りに展開されていきました......。

自身のトラウマから発したとは言え、妻を愛するが故の決断だったデイヴィッドの行為。
しかしその"秘密"が彼を苦しめ、
一方でキャロライン(エミリー・ワトソン)も新たな生き甲斐を持ちながらも、ある想いから決別できずにいたが・・・


こちらも、数々の「もし・・・??」が過ぎるドラマでした。
もし・・・あの日大雪が降らず担当の医師が間に合っていたら?
もし・・・あの時、キャロラインの車がガス欠でなかったら?
しかし大雪は降り、キャロラインは男と出会い、フィービーという生き甲斐を手にする。

とっさの判断で、妻に生涯突き通さなければならないウソ。
それで平気でいられないデイヴィッドだからこそ、次第にノラとの距離が出来、
ノラも埋められない寂しさから他の男に走ってしまう.....
しかも、それをまだ子供の息子に知られてしまうなんて、とんでもない

本来幸せの絶頂であるはずの出産の日から、苦しみ続けたデイヴィッドと、
すれ違う妻と息子―。
しかし、とっさの判断で親としてフィービーを育てることになったキャロラインは?

ふたつの家庭の写真を通して、子供を捨てたデイヴィッドと、
子供を引き取ったキャロラインの苦悩が描かれていき、
そのどちらにも心を寄せて見守っていけました。

終盤、成長した息子が夢を叶える場面で、思いがけない挿入曲♪Paco de Lucia だったと思う!
ラストはなんだか胸が一杯になります
 苦悩し彷徨うダーモット・マローニー、なかなか良かった
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