あなたの愛で、
本当の自分になれた。
夫が女性として生きたいと願った時、妻はすべてを受け入れた。
THE DANISH GIRL
上映時間 120分 映倫 R15+
原作 デヴィッド・エバーショフ『世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語』(講談社刊)
脚本 ルシンダ・コクソン
監督 トム・フーパー
出演 アリシア・ヴィカンダー/エディ・レッドメイン/ベン・ウィショー/セバスチャン・コッホ/アンバー・ハード/マティアス・スーナールツ
舞台はデンマーク。風景画家のアイナー・ヴェイナーは、肖像画家の妻ゲルダと共に公私ともに充実した日々を送っていた。そんなある日、ゲルダに頼まれて女性モデルの代役を務めたことをきっかけに、アイナーは自分の内側に潜んでいた女性の存在に気づく。それ以来、“リリー”という名の女性として過ごす時間が増えていったアイナーは、心と身体が一致しない自分に困惑と苦悩を深めていく。一方のゲルダも、夫が夫でなくなっていく事態に戸惑うが、
内面的には女性でありながら、男性の身体を持って生まれてしまったアイナーは、
1920年代まで男性の画家、としてデンマークで活躍していました。これは事実に基づいた物語。
風景画家として成功を収めていたアイナー・ヴェイナー。
彼の妻のゲルダも肖像画を専門にする画家として活動していたが、結婚6年目の、
芸術家のお遊びだと考え登場させた“リリー”の、ゲルダに衝撃の告白が待っていた。
カミングアウトしてからは、夫として、画家としてのアイナーは消え去り、
皮肉なことに、彼女が描く“リリー”が評判となり、今度はゲルダが画家として評価されるようになる・・・が、
彼女は“リリー”より夫が恋しい…―
しかし封印を解かれたかのような、違和感のない女性としての“リリー”を、
どうしても手放せないアイナーも、苦しんで。。。
今でこそIS(アイエス=インターセックス)や「性同一性障害」という言葉を耳にし、
社会がようやく理解しつつあるのだけれど、今から90年も前、性的違和に対する理解がなかった時代では
「性的倒錯」や「妄想」果ては「精神分裂」と診断され、現代の私たちからみれば恐ろしい事。
寸でのところで脱出するシーンには、心から安堵しました....。
アイナーがリリーとして初めて出会うヘンリクはゲイなのだけど、アイナーは違う。
男性の身体に、心は女性―。女としての人生を手にしたいのですね。
身体も女性になり、子供の頃からの違和感から解き放たれたいと願う夫の思いに、
ゲルダも苦しみますが、愛する人の夢を叶える為に奔走していくことに-―。
そしてそれは、究極の選択を迫られる道へと繋がったのですね.....
最愛の夫が女性として生きたいと願うようになった時、
全て受け入れて協力することが自分にできるだろうか・・・
それは男女の愛を越えた無償の愛。
2人が深く深く認め合い、繋がっているからこその決断で、でも、
ゲルダを想うと胸が張り裂けそうでした。
お互いを認め信頼し合い、幸せな芸術家夫婦であった序盤が余りにステキで
アイナーがリリーとして生きていくというコトは、もう夫婦ではなくなるわけで。。
さりとて、二人の間にまだ大きな愛があるわけで…―
開かれたドアに向かって必死に進むアイナーは、
ともすると自分のことしかもう念頭にない身勝手な存在にもみえるけど、
それも我が身に置き換えたら、そんなことは言えないだろうと思うのですね、、。
エディ・レッドメイン、リリーとしても良かったけどアイナーの翳りが素晴らしい。
だけど、
アカデミー助演女優賞に輝いたアリシアのゲルダの心情に殆どの方が心を持って行かれるでしょう。
泣くに泣けない、そんなラブストーリー。
出演シーンはそれ程でもないけど、アイナーの幼馴染ハンスのマティアス・スーナールツ、
リリーの理解者にもなるヘンリクのベン・ウィショーが二人ともいい味でした~
1年前は・・・