知るべき闇は、
真実の先にある。
製作年度 2013年
上映時間 128分 映倫 R15+
原作 新潮45編集部編
監督 白石和彌
出演 山田孝之/ピエール瀧/リリー・フランキー/池脇千鶴/小林且弥/斉藤悠/白川和子/吉村実子
モデルとなったのは実在の殺人事件。その真相を暴くとともに、社会に巣食う問題を炙り出していく。
ある日、ジャーナリストの藤井(山田孝之)は、死刑囚の須藤(ピエール瀧)が書いた手紙を持って刑務所に面会に訪れる。須藤の話の内容は、自らの余罪を告白すると同時に、仲間内では先生と呼ばれていた全ての事件の首謀者である男(リリー・フランキー)の罪を告発する衝撃的なものだった。藤井は上司の忠告も無視して事件にのめり込み始め……。
モデルとなった実際の事件がどんなものであったのか、調べることなく観に行きました。
で、、
終盤になってようやく思い出した有様でした
スクープ雑誌「明潮24」の記者藤井修一(山田孝之)は社に届いた
東京拘置所に収監中の死刑囚・須藤の手紙を渡され、面会に行き話を聞いてくるよう上司から命じられる。
そして、、いつしか藤井は、須藤のあやふやな記憶を呼び起こし、裏付けに奔走し―
この事件に取り込まれていくことになる。。。
冒頭、死刑囚・
次いで宇都宮のマンションにおける凄惨な現場での須藤のキレっぷりに慄き、
この2件の殺人事件で、須藤は死刑判決を受けるも、上告をする。
そんな時に、スクープ雑誌「明潮24」に、誰も知らない、闇に葬られた事件があると、
自分の余罪を告白するとともに、全ての事件の首謀者である「先生」の罪を告発する衝撃的な手紙が届く。
須藤の感情にまかせた殺人は露呈し、すぐさま事件となるが、
この「先生」主導の殺人は事件にもならず、世間に正体を知られることなく
「仲間」であったはずの須藤が死刑になるも、のうのうと普通に暮らしているらしい。
藤井はその闇に包まれた真実を検証しつつ「先生」を追う。
この作品に描かれる、闇の中の殺人は、ナゼ事件にならなかったのか?!
そこが一番恐ろしい。
暴力団の酷薄さは、判りやすい。
しかし、普通の人の中に生まれる凶悪な思考。それがどれだけ厄介で恐ろしいか、
ひとの命を差し出す普通の人。それを「先生」はどのように「実行」したのか。
目を背けたくなる残虐な手口を手加減もなく描写していくのです。―
須藤vs「先生」よりも、突き刺さる藤井vs「先生」。
恐らくは藤井の家庭環境などは創作部分だと思うけれど、
普通の人に忍び込む凶悪の種をみせられ、なんとも暗澹たる気持ちにさせられる。
悪人とは云えない普通の人も、疲れ果ててしまえば、、楽になるために人に押し付けて逃げるか、
或いは留まりたければその「疲れの原因」を排除しようとするのかも.......
死刑囚、ジャーナリスト、告発された主犯の死の錬金術師。
それぞれが対峙し、事件とともに変化していく3人のキャストの演技も凄いけれど、
脇でじわじわと変化を遂げる女優陣も素晴らしい。
とはいえ、誰にでも薦められるものではないけれど、
つい10数年前に日本で現実にあった怖ろしい物語。
リアル凶悪のコトの発端と顛末。。。興味のある方は、心してどうぞ。
血がドバドバ出るよりも苦しそうでしたもん。
ピエールさんとリリーさんが凶悪すぎ。
何も前知識なく見に行ったので「凶悪」なのは山田くんなのかと思っていました^^;
でも、タガが外れればこの人もどうなるのか解りませんね。
命を何とも思わない人たちが一番怖いです。
>何も前知識なく見に行ったので「凶悪」なのは山田くんなのかと思っていました
あ、解る~
普通のルポライターが、事件とかかわるうちに~みたいになるのか?と思いきや、、
正義に燃える一方で、追い詰められているひとの叫びには背を向けて、、、
でも、ラストで新たなスタートを切ったと信じています。
一番怖かったのは、、アノ電話のシーンでしょうか
これは女優陣も心理描写が凄まじかったです!
自戒を込めてです。
あんな人を殺めて、自分の人生壊したくないけど、そうさせる何かがある!と思わせましたもん。
殺人事件なんて、遠い、遠い、別世界の物語だと思っていたのですが、超身近で今年起こってしまい、暗澹たる気持ちにさせられました。狂気はだれにでもあるかもしれないと思わせたのが、この作品のすごいとこでした。
社会的に「善人」で通じていている人の中にある「凶悪」と、
そんな人に、夫を殺してくださいと差し出す普通の家族の「凶悪」化。
そして、、最も静かに忍び寄る、日常の中の「凶悪の種」
人のふり見て・・・―ですよね、