kintyre's Diary 新館

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映画『誰よりも狙われた男』を観て

2014-10-19 16:03:12 | 映画・ドラマ、アクション

14-83.誰よりも狙われた男
■原題:A Most Wanted Man
■製作年、国:2014年、アメリカ・イギリス・ドイツ
■上映時間:122分
■料金:1,800円
■鑑賞日:10月18日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)

 

□監督:アントン・コルベイン
◆フィリップ・シーモア・ホフマン
◆レイチェル・マクアダムス
◆ウィレム・デフォー
◆ロビン・ライト
◆グレゴリー・ドブリギン
◆ダニエル・ブリュール
◆ホマユン・エルシャディ
◆ニーナ・ホス
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
2014年2月に急逝したフィリップ・シーモア・ホフマン最後の主演作となった、ジョン・ル・カレの小説を実写化したスパイサスペンス。ドイツのハンブルクを舞台に、対テロ諜報(ちょうほう)チームを率いる男がテロリストの資金源となっている者の正体をつかんでいく。監督は『ラスト・ターゲット』などのアントン・コービン。『きみに読む物語』などのレイチェル・マクアダムス、『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』などのウィレム・デフォーら実力派が共演。息詰まる展開に加え、ホフマンの熱演にも引き込まれる。
ドイツのハンブルグで諜報機関のテロ対策チームを指揮するバッハマンは、密入国した青年イッサをマークする。イスラム過激派として国際指名手配されているイッサは、人権団体の女性弁護士アナベルを通してイギリス人の銀行家ブルーと接触。ブルーの銀行にテロ組織の資金源である秘密口座の存在が疑われるため、バッハマンはその動向を監視していた。ドイツの諜報機関やCIAがイッサの逮捕に動き出す中、彼を泳がせることでテロ組織への資金援助に関わる大物を狙うバッハマン。だが、思いがけない事態が次々と巻き起こる……。

9.11以降の世界は明確に「イスラムは全て敵」のようなムードが漂い、特にドイツは9.11の主犯格モハメド・アタが活動していたこともあり、この映画もドイツが舞台でありチェチェンとロシアの混血青年の動向を追っているのも偶然ではないだろう。そこでドイツ諜報部とCIAがハンブルクで共に暗躍するのだが、互いのテロやスパイに対するスタンスは片や出来る限り泳がせて有効な情報を掴もうとするのに対してテロの芽を小さいうちに摘むとの相反する考えを持っている。だが、どちらも間違いではないし正解でもない。そんな中で亡くなってしまったフィリップ・シーモア・ホフマンが熱演しているのだが、もう、彼の演技が見られるのも公開前の「ハンガー・ゲーム」シリーズの続編だけなのは寂しい、あちらはファンタジー映画だから、やはり彼の真骨頂は今回の様なスパイ映画で発揮できていると思うのでね。
ホフマン演じるバッハマンが率いるドイツ情報部のテロ対策チーム、おなじドイツの諜報機関、CIAらが絡み、イッサの動向を常に注視していたバッハマンだったが、最後の最後にどんでん返しがありCIA,モア率いる諜報機関に食らわされてしまい地団駄を踏んで終わる。

それにしてもフィリップ・シーモア・ホフマンは体型は中年太りしてきたものの、その演技は全身から漲るエネルギーがスクリーンに投影されていて、スパイ映画には打ってつけの名優だった。そんなホフマンが薬物摂取が原因で亡くなったと報道で知った時はショックだった、まだまだ円熟味を増して来る年齢だったし、どんなジャンルの作品でも彼がスクリーンに映し出された瞬間、その存在感に圧倒されていた。改めて冥福を祈りたい。

「ラッシュ」では主役級だったドイツ人のダニエル・ブリュールがここではバッハマンの一スタッフという地味な役だった。


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