kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『ファーナス/訣別の朝』を観て

2014-10-01 18:07:31 | 映画・ドラマ、アクション

14-77.ファーナス/訣別の朝
■原題:Out Of The Furnace
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:116分
■料金:1,000円
■鑑賞日:10月1日、新宿ピカデリー(新宿)

 

□監督・脚本:スコット・クーパー
□脚本:ブラッド・インゲルスビー
◆クリスチャン・ベール
◆ケイシー・アフレック
◆ウディ・ハーレルソン
◆ウィレム・デフォー
◆フォレスト・ウィテカー
◆ゾーイ・サルダナ
◆サム・シェパード
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
レオナルド・ディカプリオやリドリー・スコットが製作に回り、オスカー俳優クリスチャン・ベイル主演で放つドラマ。アメリカの片田舎で暮らす主人公が、ささいなことをきっかけに転落の人生を歩む姿をつぶさに映し出す。弟を『ジェシー・ジェームズの暗殺』などのケイシー・アフレックが演じ、ウディ・ハレルソンやウィレム・デフォーら怪優たちが共演。
アメリカ・ペンシルヴェニア州の田舎町ブラドックはかつて鉄鋼の町として知られていたが、不況の波が押し寄せていた。ラッセルは白煙を吐き出す溶鉱炉が立ち並ぶこの町で生まれ育ち、老いた父の世話をしながら製鉄所で働いていた。さらにイラクから帰還した弟のロドニーはPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでおり、ラッセルは彼の面倒も見るようになる。家族や恋人のレナとのつつましいながらも愛情に満ちた暮らしは、ある日突然暗転する……。

拡大公開系の作品では無かったけど出演陣のクレジットをみたらこれが凄い。俳優のギャラだけで製作費の半分以上は軽く飛んでしまいそうな感じですが、主演はあくまでもクリスチャン・ベールでそこに弟役でケイシー・アフレックなどが絡んでくる展開と言える。
物語の背景として安い中国製に押されて閉鎖寸前の鉄工所、イラク帰りの弟がPTSDであったりと現在のアメリカ社会の暗部が描かれている点にも注目したい。ベール演じる兄は父と同じく地元の鉄工所で働き恋人との間も上手くいっていたが事件に巻き込めれて刑務所へ。出所したら病身の父は死亡、かつての恋人も警察官と同棲し妊娠してしまう。元恋人と橋の上で久しぶりに会うシーンは切なかったね気の毒に思えた。イラク帰還兵の弟はその肉体と闘争本能を買われてギャンブルでかさんだ借金返済の為に八百長ボクシングに身を転じるも、騙された揚句に山間部を牛耳るハンランのグループに殺害されてしまう。
最後は弟の仇打ちに燃える兄がハンランを騙して町に誘い、壮絶な撃ち合いを制し最後はふらふらになったハンランは絶命するが、それを何とか阻止しようと元恋人の夫となる警察官が後を追うが間に合わないのは当然か?
ストーリー的には派手さは無いが、このキャストの演技を観るだけでこの映画を観た価値がある。クリスチャン・ベールの演技は相変わらず納得させられるが、フォレスト・ウィテカーやウィレム・デフォーらの渋い演技派も目立たないが素晴らしかった。

追加:極悪犯のハンランらの一味が、ある方向へと夜道を進もうとすると「そっちは黒猫がいて不吉だから」と言って別の方向へと行くのは可笑しかった。黒猫ってキリスト教世界では「悪魔の使い」とされているくらいだからね。


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