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kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

ディスコ・クイーン、シェリル・リンの「イン・ザ・ナイト」(1981)

2010-09-28 00:00:00 | 音楽

 

 

<曲目>
1. Shake It Up Tonight
2. Show You How
3. In The Night
4. Hurry Home
5. I'm On Fire
6. With Love On Our Side
7. If You'll Be True To Me
8. What's On Your Mind
9. Baby
10.Shake It Up Tonight(Single Version)

ディスコ・クイーンとして知られるシェリル・リン1981年作であり通算3枚目のアルバム。シェリル・リンはデビュー作である「ガット・トゥ・ビー・リアル」が最大のヒットで、その後のアーティスト達にも多大な影響を与えているが、このアルバムも見逃せませんよ。彼女の一連のアルバムが紙ジャケとして6作品が蘇った訳ですが、この3枚目のアルバムである「イン・ザ・ナイト」はギタリストのレイ・パーカーJR.がプロデュースしている。

1曲目から彼女らしさであるディスコ・サウンドが流麗なストリングスにのって満開で早くも踊りだしたくなるような雰囲気に引き込まれる。
表題曲でもある3曲目は、映画「波の数だけ抱きしめて」(主演:中山美穂など)の挿入歌としてもヒットした。ギターとシンセが絡む幻想的なイントロで幕を開けるブラコン的なサウンドでAOR的な要素も感じさせられる「ガット・トゥ・ビー・リアル」と並んで彼女の代表作である。レイ・パーカーJR.のプロデュースの良さも光っているナンバーである。
レイ・パーカーJR.は3、5,6,7,9曲目の5曲を単独または共作で提供し、7・9曲目は彼女との共作である。共作の7曲目は軽快なサウンドで、レイのギターが終始曲をリードしていて手拍子もノリが良い。

アルバムを通して聴けば彼女がディスコ・サウンドだけを標榜している訳では無いことに気付くのだが、4・6曲目などの繋ぎの曲などは彼女のしっかりとした歌唱力にも裏打ちされていて、良いアクセントとなっている。何といっても捨曲や埋め草的なのが全く無いのもアルバムとしてのグレードの高さに繋がっている。
今、改めて聴くと当時流行のディスコ・サウンドが懐かしく感じるのは歳のせい?ディスコ風サウンドが確かに前面に出ているものの、ブラコン(ブラック・コンテンポラリーの略)色も濃厚に出ていて、これらが大部分の曲作りにも参加している彼女のスタイルと言える。

 

 


AORの名盤~ポール・アンカの「ウォーク・ア・ファイン・ライン」(1983)

2010-09-21 00:00:00 | 音楽

paul anka walk a fine line.jpg Produce:Denny Diante
<曲目>
1.Second Chance
2.Hold Me Till The Mornin' Comes
3.Darlin', Darlin'
4.No Way Out
5.Walk a Fine Line
6.Take Me In Your Arms
7.This is The First Time
8.Gimme The Words(Duet With Karla DeVito)
9.Golden Boy




Musicians:
Drums
:Jeff Porcaro,Vinnie Calliuta,J.R.Robinson
Percussion:Paulinho Da Costa
Bass:Nathan East,Lee Sklar
Guitar:Steve Lukather,Jay Graydon,Matty Walsh
Keyboards:David Foster,Michael McDonald,Michel Colombier,Bill Cuomo
Sax:Ernie Watts
Background Vocal:Michael McDonald,Peter Cetera,Kenny Loggins,Richard Page,Steve George,Steve Kipner

ここ最近AORアルバムのリイシュー(再発)が各社から形を変えて発売されていますが、数年前まではポツリポツリと言った感じのリイシューが、デヴィッド・フォスターの来日もありますが弾けたように、過去の名盤がCD化されるのは嬉しい限りです。そんな中で、ポール・アンカはこのアルバムと1979年の「ヘッドライン」の2枚が紙ジャケで再発されました。
ポール・アンカと言えば真っ先に「Diana」「You Are My Destiny」「My Way」らの日本での大ヒットが頭に浮かぶ、ホテルのディナー・ショウで歌う姿が似合いそうな1950~60年代のシンガー(エンターテイナー)のイメージがありますよね?

そのポール・アンカがAORブームに乗じて1983年に作ったのが「Walk A Fine Line」。ゴチャゴチャ言わずに、まずは参加Musicianの顔触れを見て欲しい。まさにAOR系のミュージシャンが勢揃いしているだけではなく、その中でもトップクラスのメンツが集結している。その背景には同じカナダ出身の大物プロデューサーとして名高いDavid Fosterの存在も見逃せない。

ポール・アンカはアルバム9曲中8曲で、デヴィッド・フォスター(5曲共作)やDoobie Brothersのマイケル・マクドナルド(3曲共作)、SSWでもあるピーター・マッキャンスティーヴ・キプナーらと共作している。

2曲目の邦題「朝のとばりの中で」はシカゴのピーター・セテラ、3曲目ではケニー・ロギンスをフィーチャーしている。8,9曲目はAORと言うよりディスコ系のサウンドにも挑戦している。
アルバム全体の印象としては、これはズバリ「AORアルバム」である。当時勢いのあったAORサウンドはSSW系以外のこうした大物アーティストもアプローチしていた時期で、ポール・アンカも時代の先端に乗り遅れては行けない?と思ったのかどうかは知らないが、AORファンに取っては欠かせないアイテムであると言えるでしょう。
それでも昔からのポール・アンカのファンからすれば、時代に迎合したサウンドに戸惑いを覚えたのではないでしょうか?アルバムはチャートでは振るわず、折角の力作?もAOR路線はこれで幕を閉じた。


4枚組で再発売/DELANEY & BONNIE & FRIENDS / ON TOUR WITH ERIC CLAPTON

2010-09-18 00:00:00 | 音楽


delaney and bonnie and friends.jpg2010_0825_222811-delaney and bonnie 4cd box set.jpg

■Musicians:

DELANEY BRAMLETT: rhythm guitar, vocals
BONNIE BRAMLETT: vocals
ERIC CLAPTON: lead guitar
DAVE MASON: guitar
CARL RADLE: bass
JIM GORDON: drums
BOBBY WHITLOCK: organ, vocals
JIM PRICE: trumpet, trombone
BOBBY KEYS: saxophone
TEX JOHNSON: conga, bongo drums
RITA COOLIDGE: vocals

収録内容

DISC 1

1.Intro/Tuning
2.Opening Jam
3.Gimme some Lovin'
4.Band Introductions
5.Only You Know And I Know
6.Medley: Poor Elijah/Tribute To Johnson
7.Get Ourselves Together
8.I Don't Know Why
9.Where's There's A Will, There's A Way
10.That's What My Man Is For
11.Medley: Pour Your Love On Me/Just Plain Beautiful
12.Everybody Loves A Winner
13.Things Get Better
14.Coming Home
15.I Don't Want To Discuss It
 

16.Little Richard Medley: Tutti Frutti/The Girl Can't Help It/Long Tall Sally/Jenny Jenny
17.My Baby Specializes

収録データ:1969年12月1日、Royal Albert Hallにて

DISC 2


1.Intro/Tuning
2.Opening Jam
3.Gimme Some Lovin'
4.Things Get Better
5.Medley: Poor Elijah/Tribute To Johnson
6.I Don't Know Why
7.Medley: Pour Your Love On Me/Just Plain Beautiful
8.Where There's A Will, There's A Way
9.Coming Home
10.Little Richard Medley: Tutti Frutti/The Girl Can't Help It/Long Tall Sally/Jenny Jenny
11.I Don't Want To Discuss It
12.Crowd/Announcement

収録データ:1969年12月2日、Colston Hall(Bristol)にて

DISC 3

1.Intro/Tuning
2.Gimme Some Lovin'
3.Introduction
4.Things Get Better
5.Medley: Poor Elijah/Tribute To Johnson
6.I Don't Know Why
7.Where There's A Will, There's A Way
8.That's What My Man Is For
9.I Don't Want To Discuss It
10.Coming Home

収録データ:1969年12月7日、Fairfield Hallsにて~1st Show

DISC 4


1.Intro/Tuning
2.Gimme Some Lovin'
3.Pigmy (Instrumental)
4.Introductions
5.Things Get Better
6.Medley: Poor Elijah/Tribute To Johnson
7.Only You Know And I Know
8.Will The Circle Be Unbroken
9.Where There's A Will, There's A Way
10.I Don't Know Why
11.That's What My Man Is For
12.Coming Home
13.LIttle Richard Medley: Tutti Frutti/The Girl Can't Help It/Long Tall Sally/Jenny Jenny

収録データ:1969年12月7日、Fairfield Hallsにて~2nd Show

このアルバム、元々は1969年にデラニー(ステージ上では「ディレイニー」と発音されています)&ボニー&フレンズの英国ツアーにエリック・クラプトンが「フレンズ」の一員としてツアーに参加していたライヴ盤として発売されていた。そのライヴ盤(写真左)はこのツアーの中からセレクトされたもので、ツアーの全容を伝えているとは言えない代物。
今回、アメリカのリイシューを専門とするRHINO(ライノ)レコードから4枚組として限定発売された。日本盤の発売予定はなく、ライノ盤を輸入盤としてCDショップなどで売っているが数は少ない。

因みにライノ盤は$79.98で1ドル80円換算で6,400円位で発売されていて、私はワーナーのサイトを通して買ったので8,199円でした。それでもCDショップはどこもマチマチで14,000円台や12,000円台など様々でしたが、このワーナーのサイトが一番安かったけど、今では売り切れとなっていますのでご注意あれ。詳しいデータは収録曲リストをご覧下さい。この4枚組の素晴らしいのは、いずれもショウ全体を収録されていて音質もまずまずである点です。セットリストも日々異なるうえ、演奏曲数も変わります。

こうした音源は音質の劣るブートレグでしか聴けなかったけど、こうして限定盤ながら聴けるのは嬉しい限りです、しかもメンバー紹介までノーカットで収録していて好感の持てる内容でした。
エリック・クラプトン絡みで興味のある方もデラニー&ボニーのファンも楽しめる内容でしょうね。クラプトンの荒々しいギターも良い味だしていますが、それを支える演奏陣も中々のメンツです。

米国南部をルーツに持つスワンプ・ロックですが、デラニー&ボニー(夫婦です)は元々ブラインド・フェイスの前座を務めた縁でエリックと意気投合。1969年の事でフレンズの輪はエリックの親友であるジョージ・ハリスンにまで拡大。既にザ・ビートルズは事実上解散状態にあり、英国ツアーの途中でエリックがジョージの自宅へ直接立ち寄り、強引に?ツアーに同行させステージに上げた。その演奏はDISC4で聴けるが、ステージ上でデラニーが紹介し大歓声を浴びている。が、契約上の問題でクレジットはされていない。

他にはデイヴ・メイスン、リタ・クーリッジやローリング・ストーンズのツアーなどにも参加するボビー・キーズ。リズム・セクションを担うボビー・ウイットロック、カール・レイドル、ジム・ゴードンらはツアー後にエリック・クラプトンと共にデレク・アンド・ザ・ドミノスを結成する。
このツアーで知り合ったミュージシャン同士の交流はその後も続き、クラプトンのソロアルバムをデラニーがプロデュースしたこともあった。また、途中にツアー参加したG・ハリスンはザ・ビートルズ解散後に発表した3枚組「All Things Must Pass」において、このツアーメンバーと共演している。デイヴ・メイスンやリタ・クーリッジは、ソロ・アーティストとしても成功を収めている。

残念ながらデラニー・ブラムレットは2年ほど前に病死し、ボニーはデュオ解消後はデラニーと離婚し、現在は女優として活動していて、2007年にケヴィン・コスナー主演の「守護神」に出演していたのを覚えています。

 


AORの名盤が復活、ディック・セント・ニクラウスの「マジック」(1979)

2010-09-13 00:00:00 | 音楽

<曲目>
01: マジック
 

02: ヘルプ・ユアセルフ
03: ホワッツ・ザ・リーズン
04: キャント・ギヴ・アップ
05: アワ・グッバイ
06: ボーン・トゥ・ラヴ・ユー
07: サッド・プライス・トゥ・ペイ
08: シーズ・マイ・ミュージック
09: チェンジング

最近になって一気にAORのリイシュー化が進み音楽専門月刊誌にまでレビューが書かれるなど、ちょっと前までは考えられない状態に嬉しい意味での戸惑いを感じています。その中で、この「マジック」はディック・セント・ニクラウスが本国では1979年に発売となり、日本では年明けて1980年1月に当初は大阪・関西地区のみでの発売となった。アメリカ村の輸入盤店での評判が広がり、関西地区全体に噂が広まり最終的には全国販売となった。
ディック・セント・ニクラウスと言えば、次作「スウィート・アンド・ダンディ」は1980年に本国発売となったものの、あちらでは全く注目されず、何故か日本人の琴線に触れたのか、こちらではローカルヒットを生んでいた珍しいタイプのアーティスト。私はこの「スウィート・アンド・ダンディ」はCDで持っていますが、今回の「マジック」はCD化されていなかったので聴いてみたかったので、リイシュー化は嬉しいニュースです。

1曲目の表題曲はディスコ風サウンドを取り入れていて、女性コーラスとの絡みがエロティックさを醸し出している。ホーン・セクションの使い方が効果的だが、FOが少し早い気がするのは残念。もう少し聴きたい、そんな感じでの終わり方。
2曲目は彼本来のサウンドが戻ってくる。キーボード中心のメロディ・ラインだが、中間部分以降でのサックス・ソロ(アーニー・ワッツかな?)とサックスの絡みは良い味を出している。
3曲目は別離への悔いを語るような内容のしっとりとした曲。しっとりとした部分とは対照的にコーラス部分は分厚いのが特徴で、控え目なストリングスも曲を盛り上げている。
4曲目はキーボードの連弾で始まる軽快なリズムが魅力。別れてしまった彼女への未練を歌っているが、ここでは明るい曲調で、女性コーラスの使い方が上手い。
5曲目はスローなメロディ・ラインとストリングスが絡む展開で、しっとりとした歌声で歌いあげる。エア・サプライのバラードの様な雰囲気だ。
6曲目は2曲目からはメロウ系の曲が続くが、ここで再びディスコ系のサウンドが登場し、2曲目と同じように中間部でサックス・ソロが華やかさを加える。
7曲目はいままでは彼自身の女性体験を歌ったような内容から、一転して彼自身が父から人生観を問い質され、それに反発し自分の道を歩むことを宣言したかのようなパーソナルな歌詞が特徴的だ。
8曲目はアルバムの中では最もロック色が前面に出ている。中間部以降でギターソロが2度入りそのままFOして終わる。
9曲目は大部分をピアノとストリングスをバックに思い詰めたように歌っている。ドラムスは終盤で少し入るだけの曲展開でアルバムを閉める。

こうしてアルバムを通して聴くと、曲その物は日本人好みのしっとりとしたサウンドが特徴だが、やはりそれだけでは売れないと見たのか、当時流行していたディスコサウンドを彼なりに消化した曲を表題曲として収録することでバランスを取ったようだ。
歌詞は全体的に彼の女性関係を扱った中身が多いようなのだが、作品のクレジットを読むと9曲目だけが彼単独の作詞作曲で、他の8曲は共作となっている。更に、演奏陣だが彼自身がキーボード、シンセ、ギターを担当している。AORアルバムでは通常豪華なセッション・ミュージシャンがバックを固めるのだが、このアルバムでは辛うじてベースのリーランド・スクラーやサックスでアーニー・ワッツの名前を見かける程度で、他の名前は無名のミュージシャン?が演奏しているのも珍しい。

彼はその後、日本でのコンサートツアーも実現したようだが、AORが勢いを失いMTVが台頭しはじめるとソングライターとしての道を歩んだようだが、最近の活動は全く分かりません。それでも本国では殆ど無視された存在だったが、日本では確実に名前を残したアーティストでしょう。

 


AORの名盤、スティーヴ・キプナーの「ノック・ザ・ウォール・ダウン」(1979)

2010-09-09 00:00:00 | 音楽

 

 

<曲目>
1. THE BEGINNING/ザ・ビギニング
2. KNOCK THE WALLS DOWN/ノック・ザ・ウォールズ・ダウン
3. LOVEMAKER/ラヴメイカー
4. SCHOOL OF BROKEN HEARTS/失恋教室
5. WAR GAMES/ウォー・ゲーム
6. I’VE GOT TO STOP THIS HURTING YOU/ディス・ハーティング・ユー
7. LOVE IS IT'S OWN REWARD/愛の報酬
8. CRYIN’S OUT FOR LOVE/クライン・アウト・フォー・ラヴ
9. GUILTY/ギルティ
10. The Ending/エンディング
11. I Had To Find It Out For Myself
12. Love Is It's Own Reward (Instrumental)/愛の報酬(インストルメンタル)

Musicians:

Drums
:Jeff Porcaro,Mike Lingle
Percussion:Victor Feldman
Bass:David Hungate,Kenny Lee Lewis
Guitar:Dean Parks,Steve Lukather,Jay Graydon,Larry Carlton,Tom Seufert,Steve Kipner
Keyboards:Michael Omartian,Greg Mathieson,Steve Porcaro,David Foster,Geofrrey Leib,Robbie Robinson
Trombone:Bill Reichenbach
Trumpets:Jerry Hey,Gary Grant
Sax:Don Roberts
Background Vocal:Steve Kipner,Peter Beckett,Bill Champlin,Tom Seufert,Bobby Kimball,Tom Kelly,Carmen Twillie

最近になって一気にAORのリイシュー化が進み音楽専門月刊誌にまでレビューが書かれるなど、ちょっと前までは考えられない状態に嬉しい意味での戸惑いを感じています。
AORには1作しか発表しなくても「AORの名盤」とファンの間から称されるアルバムは少なくありませんが、スティーヴ・キプナーの「ノック・ザ・ウォール・ダウン」もその仲間の一つです。この度のリイシュー(再発盤)ではボーナス・トラック2曲を含む「+2」としてメデタク陽の目を見ることになりました。このアルバムはエアプレイでデヴィッド・フォスターとコンビを組んだ、名ギタリストでもある、ジェイ・グレイドンがプロデュースとギターで参加しています。

1曲目はアルバムの冒頭を飾るに相応しいロック調のナンバーで、終始、ジェイ・グレイドンのギターが印象的だが、エンディングはいきなり訪れ、「もう少し聴きたい」との余韻を残して2曲目に移る。
その表題曲である2曲目ではラリー・カールトンがアコギで加わり、デヴィッド・ハンゲイト(TOTO)のベースも良い味を出している。プレイヤーのピーター・ベケットらとのバック・ヴォーカルとの絡みも良い。
3曲目はソングライターとしてのキプナーの本領発揮と言えそうな曲。中間部でのジェイ・グレイドンのソロは短めで、曲の良さで勝負している。キーボードでデヴィッド・フォスターが参加している。
4曲目は力強いキプナーのヴォーカルと、ビル・チャンプリンやボビー・キンボール(TOTO)らのバック・ヴォーカルの終盤での絡みが印象的。この辺のアイデアはジェイ・グレイドンによるものだと察する。
5曲目はジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ハンゲイト、スティーヴ・ルカサー、ボビー・キンボールらのTOTOのメンバーらが勢揃いしている。ここでも前曲同様にバック・ヴォーカルのコーラス隊が耳に残る。
6曲目は、このアルバムの中でもこれだけがバックの演奏陣が異なる。その訳は不明だが共作者であるトム・シューファートがギターとバック・ヴォーカルで参加していて、この曲にはジェイ・グレイドンが参加していない。アルバムの中でも異色の曲で、全体的にシンセの音が大きいのが特徴。
7曲目はキプナー自身の多重録音によるコーラスから始まる。冒頭からエアプレイの様な雰囲気が漂うが、ここでもデヴィッド・フォスターが参加しているので至極当然?メディアム・テンポの曲で、前曲から再びキプナーらしさが戻ってくる。
8曲目はイントロと中間部でドン・ロバーツのサックスが入る。ポップな曲調にこのサックスが良い味を醸し出している。
9曲目は冒頭にしっとりとした展開になるように見せながらも、曲は一転して軽快なリズムで展開して行く。ジェイ・グレイドンのギターがグイグイと引っ張り、最後に再び冒頭の様な展開になり幕となる。しっとりとした部分は別れた恋人への反省とか後悔を述べているようだ。
10曲目はアルバム本来のラスト。1曲目の「The Beginning」で始まりラストは文字通り「The Ending」で終わる。どちらもキプナーとジェイ・グレイドンの共作で、グレイドンのギター・ソロがこれでもかと言うほど炸裂して終わる。
11曲目と12曲目は今回のリイシューに際してボーナス・トラック
として加わった。11曲目は冒頭からジェイ・グレイドンのギターが炸裂するミディアム・テンポの曲で、表題曲とのカップリングでシングル発売された際にB面(LP時代ですので)として収録されていた。
12曲目は7曲目のインスト版でこれもシングルB面で発売されていた。ジェイ・グレイドンのギターが延々と続きますので、彼のファンなら涙ものかな?

こうしてアルバム一枚を聴いてみると、やはり、シンガーソングライターとしての曲の良さと、ジェイ・グレイドンのプロデューサーとしての確かな仕事ぶりには感服します。
演奏陣も6曲目以外はTOTOのメンバーであるジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ハンゲイト、スティーヴ・ルカサー、ボビー・キンボールらに加えて、ラリー・カールトンやジェイのパートナーであるデヴィッド・フォスターらが参加していてキプナーのヴォーカルを見事に引き立てている。
プロデューサー特権?でジェイ・グレイドンがギターで目立ち過ぎとも思えますが、この辺は愛嬌として受け流しましょう。ジェイ・グレイドンは、この頃からギタリストとしてより、プロデューサーとして自信を付けたようで、そのきっかけとなったのがマーク・ジョーダンの「ブルー・デザート」と本盤であることは間違いないでしょう。
スティーヴ・キプナーはコンポーザーとしてオリビア・ニュートン・ジョン「フィジカル」を筆頭にシカゴ、ジャック・ワグナー、ジョージ・ベンソン、マーク・ジョーダン、エアプレイ、近年ではクリスティーナ・アギレラ等と枚挙に暇がないほど多くの楽曲をアーティストに提供してきた。AORアーティストと言えば一発屋で、その後のキャリアも細々と続くだけのパターンが多い中で、彼は今でも現役の第一線で活動しています。

このアルバムは、AORが華やかだった時代の最中に発売された一枚として、AOR史に残る一枚だと思います。これからも私の愛聴盤として残って行くことだと思います。

 


AORの名盤/マーク・ジョーダンの「ブルー・デザート」(1979)

2010-08-30 00:00:00 | 音楽


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<曲目>
1. GENERALITIES/ジェネラリティーズ
2. I'M A CAMERA/私はカメラ
3. TWILIGHT/たそがれ
4. FROM NOWHERE TO THIS TOWN/彼方へ
5. BEAUTIFUL PEOPLE/ビューティフル・ピープル
6. LOST IN THE HURRAH/ロスト・イン・ザ・フレー
7. RELEASE YOURSELF/自由へのさすらい
8. TATTOOED LADY/刺青の女
9. EXILE/エグザイル

Musicians:

Drums
:Jeff Porcaro,Jim Keltner,Ralph Humphreys
Percussion:Leeny Castro,Robert Greenidge
Bass:Abe Laboriel
Guitar:Dean Parks,Ray Parker Jr.,Jay Graydon
Keyboards:Michael Omartian,Greg Mathieson,Steve Porcaro,Dave McMorrow
Sax:Ernie Watts,Pete Christlieb
Flugel Horns:Chuck Findley
Background Vocal:Venette Gioud,Bill Champlin,Macy Levy,Bobby Kimball,Tom Kelly,Carmen Twillie

最近になって一気にAORのリイシュー化が進み音楽専門月刊誌にまでレビューが書かれるなど、ちょっと前までは考えられない状態に嬉しい意味での戸惑いを感じています。そのリイシューには自分が持っていないアルバムも多く、でも、前からリイシューを切に望んでいた(或いは半ば諦めていた?)のが含まれていて発売日を過ぎて直ぐCDショップへと直行しています。

前置きはこの位にして、今回はAORアルバムの正に名盤との誉れが高いマーク・ジョーダン「ブルー・デザート」(1979)を入手出来て気分が高揚しています。
このアルバムはエアプレイでデヴィッド・フォスターとコンビを組んだ、名ギタリストでもあるジェイ・グレイドンがプロデュースしている作品群の中でも最も評判が高いと言われている。
1曲目はアルバムのオープニングを飾るに相応しいさわやかなナンバーで、アーニー・ワッツと思えるサックス・ソロも生かしている。
2曲目はこのアルバムからのシングルとして売り出されたナンバーで、主役を食う働きを見せているのがプロデューサーでもあるジェイ・グレイドンのギターソロだ。まるでジェイのソロアルバムのようにギターが唸っている。バック・ヴォーカルの女性はマーシー・レヴィと思えるが、マークの歌声と上手くからんでいる点も見逃せない。
3曲目は一転して哀愁を帯びたナンバーだが、中間でのジェイのギターソロが良いアクセントになっている。
4曲目はアルバムの中で最もロック色が強い「TOTO系」サウンドで、ここでもジェイのギターソロが冴えている。バックコーラス隊のノリが良く、ライヴで映えそうな感じがする。
5曲目はアコギのイントロで入るメディアム・テンポの曲で、多分アーニー・ワッツだと思うけどサックス・ソロが2度入るがこれが曲を彩っている。2度目のソロ部分はそのままエンディングへとFOする素晴らしい展開だ。
6曲目はポップなメロディーラインを崩さずも、中間部でのサックス・ソロからスピード感が出て来てマーク自身のヴォーカルにも力強さが加わる。ここでもサックスがFOしてエンディングへと向かう。
7曲目はやはりジェイの2度に渡る力強いギターソロが印象的。歌詞はマーク自身の体験かな?バックコーラス隊の使い方も上手い。
8曲目はやはりジェイのギターソロが中間で唸る。歌伴の域を超えた?サックス・ソロも光っている。歌詞はこちらもマーク自身が都市生活で感じた戸惑いを形にしたのだろうか?

ラストはバック・コーラス隊の歌声で入る。中間でジェイのギターソロが入った辺りから、再びバックコーラス隊が主役を食う?展開になり、バックの演奏と絡んでマークの歌声がかき消されたような感じで終わる。
こーしてアルバム全体を通して聴くと、ジェイのソロ・プロジェクト?と言うのは大袈裟だが、彼のオーバー・プロデュースと言っても過言ではない。しかし、バックのTOTOのメンバー等の名演奏が無ければこのアルバムが注目されることも無かったでしょうが、それを確かなものにしているのは、やはりマーク自身の曲作りの良さであるのは間違いありません。

今回のリイシュー・シリーズではこのアルバムと、一作前の作品「マネキン」も発売となった。そちらはスティーリー・ダンのプロデューサーでもあるゲイリー・カッツが担当しているが、アルバム全体の印象としては「静」であり、ジェイ・グレイドンが担当した本作の方が華やかさを感じる。興味のある方は2枚共買えば違いが分かるでしょう。
今回のリイシュー化は初版限定らしいので、早いうちに買わないと店頭から姿を消す日は近そうです。是非、私の様にこの機会を逃さず買いましょう。


ブラコン/AORの名盤、スティーヴィー・ウッズの「ウーマン・イン・マイ・ライフ」(1982)

2010-08-28 00:00:00 | 音楽

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<曲目>
1. The Woman In My Life ウーマン・イン・マイ・ライフ
2. Love You Back To Sleep 愛の眠りをもう一度
3. The Other Way Around ジ・アザー・ウェイ・アラウンド
4. In Way Over My Heart オーヴァー・マイ・ハート
5. Never Gonna Let You Go ネヴァー・ゴナ・レット・ユー・ゴー
6. Ladies Of The 80's 80年代の淑女たち
7. Into The Light イントゥ・ザ・ライト
8. When Love Goes Right 恋のハッピー・エンド
9. Can't Keep It Lit キャント・キープ・イット・リット
10. One Love To Live ワン・ラヴ・トゥ・リヴ

AOR関連のリイシュー(再発)が目白押しの中でも、目玉中の目玉がスティーヴィー・ウッズで、一気に3枚も紙ジャケでCD化(「Take Me To Your Heave」(1981),「Attitude」(1983))されるのは嬉しい限りだ。私は3枚全て買いましたが、ここでは「The Woman In My Life」を紹介します。
スティーヴィー・ウッズと言えば、AORファンの間で長きに渡ってCD化が待望視されていた。最近ではどんな活動をしてるか知らないけど、AORファンにはそんなことは関係無いので、このアルバムをどれだけ聴きたかったことか。特に、LPでも持っていない私は早く聴きたかった。
アルバム前半にメロウ系バラードが多く、後半に当時の流行を反映してディスコで受けそうなダンスナンバーが並んでいる。10曲の中でもやはりキラーチューンは1曲目のタイトル曲だ。この曲を聴くだけでもこのアルバムを購入した価値はあると言うもんだ。ミディアム・テンポのバラードでアルバムの冒頭を飾るに相応しい。
5曲目の「Never Gonna Let You Go」はセルジオ・メンデスやディオンヌ・ワーウィックの名唱でも知られたナンバーで、比べてみるのも個性の違いが分かって面白いかも。
8曲目と10曲目は、まだ超売れっ子になる前のダイアン・ウォーレンのナンバーを取り上げている。
アルバムを通して聴くと、同時期に活躍していたリオン・ウエアを思い出す。どちらもサウンド的には似ている部分があり、メロウ系AORの名盤として位置づけられている点など共通点もある。但し、リオン・ウエアはソングライターであり、プロデューサーでもあるが、スティーヴィー・ウッズはシンガーであるということです。

紙ジャケで、生産限定らしいので早いうちに購入することをお勧めします。


ハワイアンAORの名盤「LUI!」

2010-08-25 00:00:00 | 音楽

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<曲目>
1. KAANAPALI
2. MY LOVER
3. PANIOLO COUNTRY
4. WHAT I DID FOR LOVE
5. OH,OH (THINK I’M FALLIN’IN LOVE)
6. BEYOND THE REEF
7. PEOPLE’S HAPPINESS
8. MY FUNNY VALENTINE
9. MISSY
10. HAWAIIAN WEDDING SONG

このアルバムの存在は全く知らなかったが、新宿のDユニオンでこのアルバムの発売告知がなされていたので知った。そこにはこのアルバムの絵葉書のようなジャケットと「世界限定発売1000枚」とか「ハワイアンAORの最高峰」と言ったキャッチコピーが目に入った。
「限定発売」とか「期間限定」って言葉に弱いんですよ。ハワイアンAORに多少なりとも関心があるので、予備知識全く無い状態で騙された積りで早速買った。

「ハワイアンAORの最高峰」だそうだが、この分野ってそれほど裾野が広い訳ではないので果たして最高峰なのかは分かりません。サウンド的にはジャケット写真が示すように、AORサウンドと言うよりはハワイアン・ポップスの趣でありながら、2、4のグルーブ感はトロピカルなポップスであり米本土のアーティストでは出せないリズム感だ。
1や7は如何にもハワイアンだなって雰囲気が前面に押し出されていて、しかも、最後の10曲目に至っては、誰もが知っているハワイアンの名曲だ。

ルイことルイ・ウィリアムスは、ジャケットに映っているマウイ島のホテルで演奏活動をしていたそうだ。ホテル側の協力もあってこのアルバムを録音したそうだが、やはり、ホテルで演奏していたせいか、10のような定番曲からオリジナルまで、しかもノリの良い曲からしっとりとした曲まで幅広くこなしているのはこうした経験があるからだろう。
ハワイでひっそりと売られたこのアルバムがどういう経緯で日本に上陸し、知る人ぞ知る名盤として高額で取引されるようになったのかは知りません。それでもこのアルバム、やはり評判が良いらしく発売直後からあっと言う間に売り切れ続出となったそうで、当初の1000枚限定発売では捌ききれず、追加発売が決定したとか。

タワーレコードでもハワイアンのコーナーで「奇跡の再発」とか煽っているようで好評の様です。興味のある方は早く買わないとマジで販売終了となり、再び高額で取引されることになりそうです。


ジャズ・ピアニスト、ビージー・アデールの「Love,Elvis」「Yesterday」

2010-08-16 00:00:00 | 音楽

The Beegie Adair Trio/Love,Elvis

2010_0805_191550-beegie adair love elvis.jpg<曲目>
1. Love Me Tender
2. Are You Lonesome Tonight?
3. Crying in the Chapel
4. Fools Fall in Love
5. It's Now or Never
6. Love Me
7. I Want You, I Need You, I Love You
8. Always on My Mind
9. Loving You
10. You Don't Have to Say You Love Me
11. Love Letters
12. I Can't Help Falling in Love

ビージー・アデールが、今、何故か人気急沸騰中で彼女のアルバムは従来は輸入盤でしか購入出来なかったのが、人気急上昇に伴い何と国内盤が登場した。私が彼女の存在を知ったのは2年位前で、CDショップでの試聴コーナーで聴いてみたら意外と良かった。最初に買ったのはホリデイ・アルバムでX'mas関係の曲や冬を連想させる曲調のアルバムで、これがなかなか良かった。
そこで次に何を買おうかと思っていたところ、CDショップで彼女のアルバムを探していると、企画物のアルバムが多く、中でも自分が良く知っているアーティストのを買おうと思って購入したのがこのエルビス・プレスリーとザ・ビートルズのカバー集。

彼女の演奏は「The Beegie Adair Trio」名義での演奏になっていて、彼女のピアノとベースとドラムスの編成での演奏だ。
曲目は見ての通りでエルビスのヒット曲として名高いものばかりだが、やはりジャズスタイルでの演奏なので、ロック調の曲よりバラード系の曲が目立つようだ。演奏スタイルはジャズと言うよりはイージーリスニング風の演奏で、ホテルのラウンジやバーなどでのBGMにぴったりはまる、そんなイメージですね。

Yesterday(2008)

2010_0509_181555-beegie adair yesterday.jpg<曲目>

1.And I Love Her
2.If I Fell
3.Can't Buy Me Love
4.Here, There & Everywhere
5.All My Loving
6.Got To Get You Into My Life
7.In My Life
8.Michelle
9.When I'm 64
10. Something
11.Eleanor Rigby
                                       12.Yesterday

こちらはザ・ビートルズのカバー集。彼らの曲は誰もが知っているものばかりで、この12曲も定番ともいえる4,8,11,12等が収録されている。興味深いのは12曲中9曲がポール主体のナンバーで、2はジョン主体でポールとの共作、7はジョン主体、10はジョージのナンバー。
ライナーによれば彼女は以前から、ザ・ビートルズのカバー集を発表してみたかったと書いてある。更に、ソングライターとして彼らを見てこの選曲になったそうである。

ザ・ビートルズのカバーアルバムはジャンルを超えて星の数ほどあると想像できるが、やはり、ジャズ系のピアニストが作るアルバムとしては、ポールの曲が中心になるのは至極当然の流れでしょう。
ここではソロ名義の演奏だが、原曲のイメージは基本的に損ねることなく、ゆったりとした演奏でアルバムを通している。エルビスのカバー集はトリオ演奏なので演奏に膨らみを感じるが、こちらは逆に彼女の表情豊かなピアノ演奏を堪能出来るので、どちらが良いとは判断し難い。

エルビスであってもザ・ビートルズであっても、どちらも彼女のピアノ演奏はジャズをベースにしながらも、しっとりとした演奏スタイルが非常にはまっている。まさに究極の癒し音楽であり、そうした魅力がジワジワと人気に繋がってきたのかな?


ハワイアンAOR/ソウルの名盤「AURA」

2010-08-01 00:00:00 | 音楽

AURA/「AURA」(1979)2010_0719_182052-2010_0719_182051-aura.jpgProduce:Gary Shimabukuro
<曲目>
1.I'll Remember You
2.Let Go,It's Over
3.Magic Lover
4.Yesterday's Love
5.No Beginning,No End
6.Short And Sweet
7.Winds Of Love
8.Let Me Say Dis About Dat
9.Can't Waste No Time
10.The Feeling's Right
11.Stop



最近、音楽関係のブログを書いていなかったので、久し振りに書いてみたいと思いました。
ここで取り上げたのは、ハワイの「AURA(オーラ)」というメンドーサ一家のハウスバンド?と言っても過言では無いバンドのアルバム。
これが発表されたのは1979年、当時大学生だった自分は全く知りませんでしたが、AOR系アーティストのリイシューに関心のある管理人としては、AURAの存在は知っていましたので再発されたと知って直ちにDユニオンで購入しました。Dユニオン以外で扱っている店舗は稀の様なので、Dユニオンに行ける方は早いうちに購入しないと、店頭から姿を消す日が直ぐに訪れそうです。ハワイアンの大所帯のグループといえば1978年のレムリアがよく知られていますが、こちらも11人の大所帯。
しかも、うち8人はメンドーサ一家の子供たちなんです。この作品は、病に臥した父の生きている間にと、メンドーサ・ファミリーの活動の集大成をレコードに刻んでおきたいという家族の結束心から作られたものらしいのです。

サウンド的にはEW&Fの影響を感じさせるものがあったり、この辺は「Lemuria」にも見られる傾向。インスト曲に交じって女性ヴォーカルがフィーチャーされていたり、7では男性ヴォーカルのファルセットが魅力なメロウ系サウンドありと、まさにヴァラエティに富んだ選曲になっています。
Lemuria,Seawind,Kalapanaが紡ぎ出すサウンドにも似ていて、でも、大所帯バンドらしい個性が感じられます。ジャンル的には「ハワイアンAOR」に分類されて販売されています。、1982年に発表されたTender LeafはAURAのサウンドに近いものを感じるが、米国本土での流行をハワイ流に取りこんで消化(昇華?)させた、そんな感じのするアルバムです。

最後に、家族愛に支えられて制作されたアルバムとして聴いてください。


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