12-103.もうひとりのシェイクスピア
■原題:Anonymous
■製作年、国:2011年、ドイツ・イギリス
■上映時間:129分
■観賞日:12月22日、TOHOシネマズシャンテ
■料金:0円(1カ月フリーパス)
□監督・製作:ローランド・エメリッヒ
◆リス・エヴァンス(オックスフォード伯エドワード・ヴィア)
◆ヴァネッサ・レッドグレイヴ(エリザベス1世)
◆ジョエリー・リチャードソン(若き日のエリザベス1世)
◆デヴィッド・シューリス(ウィリアム・セシル)
◆セイヴィア・サミュエル(サウサンプトン伯ヘンリー・リズリー)
◆セバスチャン・アルメストロ(ベン・ジョンソン)
◆レイフ・スポール(ウィリアム・シェイクスピア)
◆エドワード・ホッグ(ロバート・セシル)
◆ジェイミー・キャンベル・バウアー(若き日のエドワード・ヴィア)
【この映画について】
史上最高の劇作家と呼ばれながら、その生涯が謎に包まれているウィリアム・シェイクスピア。彼の手による名作の数々は、実は別の人物が手がけていたともいわれる、文学史上最大の謎に迫る歴史ミステリー。数々のスペクタクル作で知られるローランド・エメリッヒ監督が、16世紀末のロンドンを舞台に、時代に翻弄された男の運命を描く。(この項、MovieWalkerより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
16世紀末。エリザベス一世統治下のロンドンの街では演劇が盛んになり、市民も貴族も芝居に熱狂していた。ある日、オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアが、サウサンプトン伯に連れられ、評判の芝居を見にやってくる。作者はベン・ジョンソン。
鮮やかな芝居に感心するエドワードだったが、芝居の途中でエリザベス一世の宰相、ウィリアム・セシル卿の兵が現れて上演を中止させ、劇場は大混乱となる。セシルは、老いたエリザベスの後継にスコットランド王ジェームスを据えようとしていた。エドワードにとってセシルは義父だが、彼はチューダー朝の王たるべき者が後継であるべきと考えていた。エドワードが庇護するサウサンプトン伯とともに“エリザベスの隠し子”と噂されるエセックス伯も強力なチューダー朝派で、セシルは彼らをエリザベスから遠ざけようしていた……。
16世紀半ば、若きエリザベスは、オックスフォード家に招かれ、エドワードによって書かれた芝居を見る。それから間もなく父を亡くしたエドワードは、ある密かな理由からセシル卿に引き取られて英才教育を受け、文武に秀でた美しい青年へと成長。やがてエリザベスはエドワードを男性として愛するようになる。女王とエドワードの恋愛に危険を感じたセシルは、エドワードを宮廷から追放。だがエリザベスはエドワードの子を身ごもっていた。
エドワードはセシルの娘と結婚を強いられ、以来彼は望みを失い、屋敷の書斎に篭ってばかりいる生活を送るようになった……。牢に捕われていたベンを助けたエドワードは彼を自分の屋敷の書斎に招くと、自分が書いた戯曲を君の名で上演して欲しいと申し出る。エドワードが渡した戯曲は「ヘンリー5世」。半信半疑で役者たちに戯曲を渡したベンだったが、ローズ座での上演は大好評。興奮した観客は作者の登場を要求するが、その時、ベンの機を先んじて、芝居に出ていた役者ウィリアム・シェイクスピアが舞台に進み出て自身が作者であると名乗り出る……。
この作品、原題は「匿名」という意味だが邦題ではシェイクスピア自身のストーリーのような錯覚を覚えるが、原題にあるようにオックスフォード伯が書いた作品を無名の役者兼作家だったシェイクスピアを利用して発表させていたという内容。だからか、シェイクスピアの話ではなくて「オックスフォード伯」の話なのだ。
そのオックスフォード伯に絡む当時の時代背景とエリザベス1世の関係を巧に絡めた展開で、ヴァネッサ・レッドグレイヴ演じる女王は貫録あるが、彼女の若い頃だけを演じている訳ではないのでレッドグレイヴが配役されたのだろう。
この「シェイクスピア」別人説は以前からある説で、彼の自筆の原稿が無いとかいきなり表舞台に登場したとか、有名な肖像画にも別人説がある。中にはエリザベス1世説まで囁かれている。
そういう歴史を探るのは面白いが、私自身は別人説はどうでも良いのだ。これでも私の大学での専攻は「英語英文学」だし、卒論もシェイクスピア関連だから、別人だとしたら大学での勉強は何だったのか?って感じ。更には、卒業後、何度も英国に行って生誕地のストラスフォード・アポン・エイヴォンにまで行って来たのだから...。