Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

絶望に効く薬

2009年01月23日 | マンガ・アニメ

オバマ大統領のスローガン”Change!”を聞く度に、いつも思い出していた言葉がある。

それは

”Be a Change agent!”(変化の担い手になれ!)

・・というものだ。

 

これは山田玲司のマンガ、『絶望に効く薬』”希望のライム”で見かけた言葉である。

山田玲司といえば、おそらく『Bバージン』という純愛をテーマにした生物オタクが主人公のラブコメマンガが最も有名ではないか?これも面白い作品だった。

『絶望に効く薬』、通称『絶薬』(ぜつやく)はヤングサンデーが廃刊になったため、現在連載もストップしているが、サブタイトルに”ONE on ONE [革命的対談漫画]”とあるように、毎回、各界著名人とのインタビューをもとにした特異なスタイルのマンガで、作品中に貫かれているテーマもハッキリしている。

それは、1日に100人近く自殺者の出る日本の現状の中、希望をもって頑張っている人たちに会い、そんな絶望に打ちひしがれている人たちに希望を与える”絶望に効く薬”をもらう・・というもの。もちろん、”薬”とは比喩だが、毎回最後に”希望のライム”としてひと言、作者がインタビューした人からもらった言葉でシメている。

 

今まで出たゲストにはみうらじゅん、井上雄彦、忌野清志郎、宮藤官九郎、荒俣宏、城彰二、さかなくん、糸井重里、哀川翔、水木しげる、富野由悠季、佐藤琢磨、河合隼雄、よしもとばなな、K DAB SHINE、ボビー・バレンタイン、C・W・ニコル、オノ・ヨーコ・・といった面々が名を連ねる。これでも一部だが、じつに多岐にわたる分野のトップが自らの挫折や経験をまじえ、今取り組んでるプロジェクトや将来の展望を語っているので、それだけでも一読の価値ありだ。

きっと自分の好きな有名人も出ていると思うので、希望や勇気をもらったり、自分のなすべきコトのヒントがつまっている作品ではないかと思う。

単行本にあるコピーのごとく、「未来を照らす具体案てんこ盛り!!」である。

 

さて、今日、その中でピックアップしたいのが第65夜「湖岸のツァラツストラ」に出てくるNPOアサザ基金代表理事、飯島博(単行本Vol.7収録)だ。

「誰それ?

「何それ?

・・という声が聞こえてきそうだが、自分もこれを読むまでは全く知らなかった。

 

NPOアサザ基金は日本で最も成功しているNPOのひとつで、かつて「瀕死の湖」と呼ばれていた霞ヶ浦を元の美しい湖にするための組織だ。

その展望も実に具体的で、40年後にコウノトリを野生復帰させ、100年後には霞ヶ浦にトキを呼び戻すために2000年から100年計画を立て、そのために社会システムを構築し始めている。

コンクリートで固められた湖の岸辺にアサザを植えるコトで、ヨシやガマなどをよみがえらせ、水をきれいにしようという活動に実に10万人を超える人が参加し、170の学校の児童がアサザを種から育て、湖に植えている。

その活動はバラバラだった行政や企業をもつなぎ合わせ、林業や霞ヶ浦の漁業のしている人たちをも巻き込み、2003年の自然再生推進法のモデルとなったと言われている。

 

飯島さんは霞ヶ浦の現状を知るために自分の足で湖岸を歩いて調査、250kmにわたる湖岸歩きは、やがて高校生や一般市民を巻き込んでいく。

そして、水を元に戻す力をもつ浮葉植物「アサザ」と出会う。

タテ割り行政から来るあきらめを破るために、次々と新しい展望を示し、総合学習の時間をどうするか悩んでいた学校には新しい教育の場を与えた。

水を美しくするため、ボランティアが作った無農薬の田から取れた米はすばらしく、その米で作られたお酒は大好評と、次々と新しい産業も生まれようとしている。

・・そんな飯島さんの希望のライムは「もやもやもいつか形になる!」

 

自分も含め、何かこーゆーコトをしてみたいなあ・・と漠然とながらも思っている人は多いのではないか?いわゆる”夢”というやつだ。

しかし、それを形にしていくには自分には力がない、能力もない、資金もない・・とマイナス面に意識が先行してしまいがち。現実が大きくなって、一歩が踏み出せなくなってしまう。

 

『絶薬』に出てくる、その道で何かを成した人たちを見てると、夢を実現しようと思った時に絶対必要なものは、能力やお金ももちろん、あるに越したコトはない重要な要素ではあるが、最終的にはそれすら問題ではなく、夢を実現しようという熱い気持ち、つまりは情熱や熱意、やる気を持ち続けるコトが出来るか否か・・これにつきるのではないか。

第55夜「天国をつくる男」(単行本Vol.6収録)に出てくる元お笑い芸人、軌保博光改め「てんつくマン」なんか、その典型的な例である。彼はかつて山崎邦正TEAM 0というコンビを組んでたので知ってる人もいるだろう。

人の目にいかにバカバカしく映ろうとも、正しくておもしろいと思ったコトは全部やる・・という感じで温暖化を止めるためにモンゴルに植林しに行ったり、アフガンの子どもたちにマフラーを届けたりしている彼を動かしているものは「まず俺が本気でやる!」という熱い情熱だけだ。

ちなみに「てんつくマン」とは「天国をつくる男(マン)」のコト。

 

能力やお金を理由にあきらめてしまうような夢は、所詮、その程度のものでしかないのだ。

 

いくつになっても夢への情熱、熱い気持ちを持ち続けて、みんなで「てんつくマン」になろう!

 

 

 

 

 


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