Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

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前へ!

2010年07月14日 | 人生覚書き

 

          羯諦(ぎゃーてい)

 

感動をくれたW杯も激闘の末、オランダを降したスペインの初優勝におわり、TVからにぎやかなブブゼラの音も聞こえなくなって久しい。

まさしく祭りのあと・・といった雰囲気だ。

 

見事、海外でのW杯で初のベスト16進出を果たした岡田武史監督率いる岡田ジャパンも帰国会見を最後に解散。

モノマネあり、歌あり、笑いありの会見は、本当に日本代表の一体感を感じさせた。

 

W杯前のテストマッチ4連敗で、岡田監督は「やめろ!」と世間とマスコミから叩かれてきたが、初戦のカメルーン戦での勝利を皮切りに、1戦ごとに進化・成長するチームに岡田監督の評価も一転、「迷将」から「名将」へと手の平を返すように変わっていった。

 

南アフリカへ出発する前、岡田監督が師事する禅僧野田大燈師が贈った言葉が冒頭の「羯諦」(ぎゃーてい)。

「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶」(ギャーテー ギャーテー ハーラーギャーテー ハラソウギャーテー ボージソワカ)という、『般若心経』の最後に出てくる言葉で、精神統一をするための呪文。http://www.chohoji.or.jp/houwa/hannya.htm

イミは「前へ進め!」というものだそうだ。

 

「“羯諦”とは、前に前に行って一歩も下がらない、との意味。
    英語の「GO」。
  1センチも下がらず、ただひたすら前へ進んでください」

 

野田師は人の心を癒したいと脱サラして禅宗を学び、出家。

現在は香川県高松市の西部、五色台と呼ばれる山の中腹にある財団法人・喝破道場の理事長を務め、不登校児やニート、非行少年を預かり、共同生活を通し、社会更正させている。

 

鎌倉仏教の中でも、自己を厳しく律する禅宗が主に武士の間に浸透したのは、戦いにのぞみ、命のやり取りをする侍に向いていたからであろう。

 

過去の過ちを悔い、未来の不安に怯えていては、自分の持っている力を発揮するコトは出来ない。

過去や未来にふりまわされるコトなく、自分には今しかないという、「今、ここ」を生き切る知恵こそ、禅の悟りであり、その教えの核心である。

 

田師は岡田監督に、くりかえし”平常心”を説いたという。

青きサムライたちを率い、どんなに否定され、こき下ろされても、表情ひとつ変えるコトなく、自らの考えを貫き通した岡田監督の胸中には「今、ここ」を生き切る平常心と、「羯諦」の2文字が常にあったのかもしれない。

 

「今、ここ」、そして「前へ!」

 

―肝に銘じておきましょう・・。

 

 

 

 

 

 

 


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