神楽というのを調べてみると、
『「かみくら(神座)」の音が変化したもので、神をまつるために奏する舞楽。
宮中の神事芸能で、先行の琴歌神宴(きんかしんえん)などに、石清水八幡(いわしみずはちまん)などの民間の神遊びを取り込み、平安時代に内侍所御神楽(ないしどころみかぐら)として完成。
楽人は左右の本方(もとかた)・末方(すえかた)の座に分かれ、歌い奏し、主要部分では舞を伴う。御神楽(みかぐら)』
また 『諸社、民間の神事芸能で、神を迎え、その御魂を人々の体内にいわいこめる一連の儀礼中に行われる歌舞。採物(とりもの)神楽(出雲流(いずもりゅう)神楽・巫女(みこ)神楽)・湯立(ゆだて)神楽(伊勢流神楽)・獅子(しし)神楽など、多くの系統がある』・・等とある。
・・まあ、難しいコトはわからないが、自分が見た感想は、とにかく一言でいって「エンターテイメント!」という感じだ。
先日見た「葛城山」「「悪狐 那須野ヶ原」「八岐大蛇」の3つの演目は、すべて妖怪変化の化け物が出てきてそれを退治する・・という単純明快な勧善懲悪のストーリーだ。
写真は「悪狐 那須野ヶ原」から。「悪狐伝」というタイトルの方がポピュラーなようだ。いわゆる九尾の狐が出てくる話だ。
花火やスモーク、蜘蛛の糸といった派手な演出、衣裳や面が一瞬にして変わる早変わり。妖怪も退治する者も3回は変わる。しかもどんどん派手できらびやかなものに変わっていくという、けれん味たっぷりの演出で観客を惹きつける。
「八岐大蛇」ではジャバラをつかった大蛇がとぐろをまき、からみあい、人を飲み込む・・と、ダイナミックな動きを見せる。
1度倒したかと思えば、火花を散らしながら、さらにパワーアップして暴れまわる。
ゲームなんかで最後に出てくるボスキャラのようだ。
そして格闘シーンのみならず、何かにつけ、くるくる回りながら舞う!(笑)
当然、クライマックスにむけてさらに回転は速くなり、回りながら衣裳が変わり・・と、とにかく派手だ。
ゲームやマンガ、テレビでしか見たコトがないようなシーンが目の前で繰り広げられるのだから、子どもや若者が夢中になるのも頷ける。
東京からきた友人は「くるくる回ってるだけにしか見えない」そうだが、まあ、たしかに・・というくらいよく回る。
しかし、クライマックスにむけ、さらに派手に激しく回転しながら舞い、それをあおるように笛や太鼓の楽器の音も激しくなっていくさまは、まさに一種の神がかり的な入神状態とも言うべき恍惚の空間を作り出していく。
まさしく神のます座、神楽であるなぁ・・と感じさせられた。
一見の価値あり!です。