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Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

格闘技の魅力

2009年01月30日 | 格闘技・武道

最近、ある人の格闘技論を読んだ。

川原正敏という、かつて『修羅の門』という格闘技マンガを描いていた漫画家である。

それによれば、格闘技と他のスポーツは、そもそもその”成り立ち”が違うという。

他のスポーツはどれだけ激しく、「フィールドの格闘技」「水上の格闘技」と言われようが、とにかく、まずルールがある。

 

これに対し、格闘技や武道というものは、まず「相手を倒す」「相手を制する」という戦う術として生まれ、競技する上で、試合のルールをあとからつけたというのだ。

だから、異種格闘技戦というものは、基本的に存在しない。

格闘技の目的が「相手を倒す」「相手を制する」コトにあるのだから、「グローブをつける」、「投げや関節は禁止」というルールも、ただ戦う「条件」「状況」がそうだというだけで、ひとつの状況にすぎない。

その中で柔道なり、空手なり、その技をもって戦っているのだ・・と。

 

柔道からプロ格闘家に転向した吉田秀彦も、打撃も使うが、基本的には柔道で戦っているという。

それは当然そうだろう。 

実際、今は「異種格闘技戦」という言葉はあまり聞かれなくなった。

「総合格闘技」という「打」「投」「極」すべて使える自由度の高いルール、条件の中で、様々な分野の格闘家が交流できる土壌ができ、自分の格闘技、得意とする技術で戦うという認識が浸透してきているからだろう。

だからこそ、グラップラーストライカーといった呼び分け方もあるのだ。(カテゴリー/格闘技:「朝青龍、5場所ぶり復活優勝!」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/d0adef8be9bf826a0b75bd4b0eb935fa

 

・・そういう成り立ちが違う格闘技だけに、直接、本能に訴えてくる魅力がある。

 

強くなりたい」という欲求。

 

これは、何もケンカが強い、腕力が強い・・というコトだけにとどまらない。

精神的に強くなりたい、人間的にもっと強くなりたい・・という純粋な思いに、最もストレートに、直接的に訴えてくるのが、自分にとっては格闘技なのだ。

これが人によってはマラソンだったり、サッカーだったり、野球だったりするのかもしれないし、人生こそ、格闘技そのものなのかもしれないが・・。

 

「自分は弱い」という自覚がある人の方が、「もっと強くなりたい」という思いから、格闘技をしているコトが多いのではないか?

自分の弱さや痛みを知っていれば、人にやさしくできる。

人にやさしくできる人は、強い人だ。

個人的な経験からも、格闘技をしてる人は、根はやさしい人が多いように思う。

 

自分の夢の1つに、いずれ格闘技の道場でもやって、子どもを教えたい・・というのがある。その前にだいぶブランクがあるので、自分自身、もう1度鍛え直さなきゃだが・・。 

 

しかし、殴りあうのはどうも・・という人も多い。

特に女性なんかはそうだろう。ウチの奥さんも格闘技とか大嫌いで、その手の試合は録画したのをあとで一人で見る・・という具合だ。

まあ、「なぜ格闘技なのか?」「なぜ殴りあうのか?」・・という疑問に対しても、いろいろ理由をつけるコトはできるかもしれないが、要は単純に「好きか」「嫌いか」という話になってしまう。

 

格闘技が好き!

 

・・自分はそれでいいんだけど、嫌いな人にその魅力を伝えるコトはなかなか難しい・・。

そして、今もって自分の奥さんに対するその試みは成功していない・・。

 

・・ひょっとしたら、夫婦間以上の「異種格闘技戦」はないのかも・・。

これはどんな格闘技をするより、あるイミ鍛えられるよね・・。


朝青龍、5場所ぶり復活優勝!

2009年01月26日 | 格闘技・武道

最近の相撲界はろくなニュースがなかった。

そんなに相撲をしっかり見るほどでもない自分にも、八百長疑惑、大麻所持、新弟子暴行致死事件など、暗いニュースばかり耳に入った。

今場所、復活優勝を果たした横綱・朝青龍もそんなニュースに一役買っていた1人だ。

3場所休場していた横綱は初場所がはじまる前、普段の言動から思いっきりヒールとしてマスコミから叩かれ、ケガと練習不足から限界説、引退説もささやかれた。

まあ、持ち上げといて足を引っ張るのはマスコミの得意技ではあるが・・。

 

確かに場所前の稽古では、もう1人の横綱・白鳳にいいところなく連敗を重ねる映像もニュースで流れ、ホントにヤバいんじゃないの?・・という思いにさせた。

 

しかし、蓋を開けてみると朝青龍は気迫の14連勝!

1敗で追う白鳳と千秋楽で激突する。

本割りはあっけなく土俵を割り、1敗同士で並んだ白鳳との優勝決定戦。

負けたコトで逆に吹っ切れたという朝青龍は白鳳に得意の左上手をとらせないように頭をつけ、まげを乱しての完勝!

優勝回数23回と、貴乃花の記録を抜き、歴代4位という大記録を打ち立てた。

 

「朝青龍はまた帰ってまいりました!

 

・・と満面の笑みで両手をあげてのガッツポーズで観客にこたえる横綱の顔は、とてもヒールとは思えない無邪気でさわやかなものだった。

 

ところで、相撲=格闘技最強説というものがある。

単純に物理法則上はスピ-ド×重さが破壊力なワケだから、100キロを超える巨体が立会いのあのスピードでぶつかる瞬間のその破壊力、衝撃力たるや、1トンをゆうに超える。

1トンを超える破壊力を誇る打撃など、そうそうない。あの”怪物”と言われた元極真世界王者、フランシスコ・フィリオの蹴りがだいたい1トンくらいだったというから、その破壊力のほどは推して知るべしだろう。

つまりボクサー、空手家の打撃では太刀打ちできないのだ。

また、相撲取りのあたりはアメフトのトップ選手のタックルでさえ、赤子のように軽くあしらってしまうほどである。転がして寝技、関節にもっていこうにも、まず倒れない。

スピードで攪乱し、スタミナがきれたところを攻める・・というのが、対力士用のオーソドックスな戦略であろう。

 

・・といってもこれは理論上のコト。

実際、元横綱のなどは、打撃系格闘技のK-1に転向してからは全くいい結果が残せず、その後プロレスに転向している。

しかし、打撃系格闘技というコトで、かなり相撲本来の戦い方とは違っていたため、これをもって横綱は弱い、相撲は弱い・・というコトにはならないだろう。

 

モンゴル相撲や韓国相撲シルムといった組み技系の格闘技は大陸にも広く分布し、武器を持たない1対1の力くらべとしては最もシンプルな格闘技だけに、その歴史は古い。

聖書にもアブラハムの孫ヤコブがヤボク川で天使と夜明けまで組打ち―つまり、相撲をとり、もものつがいをはずされても執念ではなさず、「勝利した」という意味の「イスラエル」の名を賜ったというくだりがあるくらいだ。(創世記32:22~28)

これがイスラエル民族の「イスラエル」の語源である。

 

ちなみに相撲や柔道、レスリング、サンボといった組み技系の格闘家をグラップラーといい、空手やキックボクシング、ムエタイといった打撃系の格闘家をストライカーという。

・・というより、総合格闘技において、それぞれどちらを得手とする選手かの呼び分け方といった方がよいか・・?

ボクシングにおけるアウトボクサー、インファイターのように戦い方の違い、組み技、打撃いずれの技術主体の選手かという感じでとらえていた方がいーかも・・。

 

いきなり何も知らない人に「おすもうさんはグラップラーだよ」・・とか言っても通じないので要注意・・。

 

・・また長くなりそうなので、この辺で・・。

 


Dynamite!2008

2009年01月01日 | 格闘技・武道

いつからか、年末、大晦日というと、紅白とならんで格闘技イベントが開催されるというのが恒例になってきた。一時期はこのK-1のDynamite!、PRIDE、イノキ・ボンバイエ・・と3つの格闘技イベントが催され、チャンネルをかえながら見ていたという時もあったので、それに比べるとずいぶん落ち着いたなあ・・という印象だ。

それにしてもPRIDEがなくなったのはショックでかかったなあ・・。

ヒョードルシウバミルコノゲイラ、そしてヒクソン・・。日本人選手も桜庭五味吉田藤田と数々のヒーローが名勝負を繰り広げ、活躍した。

いまだにヒョードルは人類最強の呼び声が高い。

 

今回のDynamite!もメインのカードがPRIDEで一時代を築いた桜庭和志とUインター時代からの因縁深い田村潔司の対決!

・・といっても遅きに失したというべきか?

今までも何度も対戦がささやかれ、その因縁が取り沙汰されてきたが、2人とも既に39歳、試合もなんだかスッキリしないまま判定で田村の勝利となった。

 

しかし、今回のDynamite!は大番狂わせ?とでもいうべき試合が多かった。

中村大介HERO`Sで、得意の寝技で名を馳せた所英男からお株を奪うような寝技、腕ひしぎで勝利し、K-1バダ・ハリMMAアリスター・オーフレイムに打撃でKOされ、キック出身の武田幸三に修斗(総合)の川尻達也が打撃でKO勝利、K-1の武蔵もMMAのゲガール・ムサシに打撃で完膚なきまでにKOされた。

ちなみにMMAはMixed Martial Arts (ミクスド・マーシャル・アーツ)の略で、打撃に寝技や関節技、投げ技もが加わった総合系というコトだ。よくルールとして「MMAルール」というように用いられる。同じ意味で「バーリ・トゥード」(すべて有効)というのがあるが、こちらは最近あまりきかれなくなった。時代の流れか・・?

MMAにしてもバーリ・トゥードにしても団体名ではなく、試合形式、ルールと思ってもらえばよい。

 

さて、今回とりあげようと思うのは、ボブ・サップ対キン肉万太郎!

 

・・ではなくて。(笑)

青木真也対エディ・アルバレス!

 

・・といってもあまり知る人はおるまい。

DREAMという格闘技イベントで頭角をあらわし、スター選手となったのが青木真也で、自分も知ったのはここ最近のコトだ。

青木は柔道出身で完璧に寝技系の選手。180cm、69.9㎏の体格は、どちらかというとやせてヒョロっとしてるくらいで、その外見ととぼけた言動が相まって、とても強そうには見えない。あだ名もバカサバイバー!!

ウルフルズ「バカサバイバー」を入場曲にしているため・・?

ロングスパッツにこだわり、毎試合、ロングスパッツを新調して戦う。(笑)

 

・・ここまで書いてても、ふざけたヤローだなあ・・と、我ながら思ってしまう。

しかし、強い!

世界の強豪にまったく何もさせないまま勝ってしまう!

現在、同じ階級では、世界最強の寝技師といっても過言ではないだろう。複雑怪奇な関節技で、相手の輝きを奪うその戦いは熱くなるどころかゾッとするほど。

しかし、そのひょうひょうとしたキモいキャラで笑かしてくれる。

 

たとえば桜庭なんかもキャラや言動はひょうひょうとしているのだが、試合を見れば殴られたら殴り返す!・・という感じで、打撃が得意な選手に打撃で挑んだり、相手の土俵で戦うような熱い試合をするが、青木の場合はまったく相手には付き合わずに自分の得意分野(寝技・関節技)を活かし、徹底的にそこに徹して戦うのだ。

その試合運びも、個人的にはちょっと感情移入しにくいのだが、今はこーゆー時代なのかなあ・・と思わされたり・・。

格闘技も時代の流れとともに進化するからなあ・・。

代を象徴する選手といえよう。

 


WBC世界フライ級王者・内藤大助、最年長4度目防衛達成!

2008年12月24日 | 格闘技・武道

昨日、WBC世界フライ級タイトルマッチが行われ、見事、王者の内藤大助が4度目の防衛を果たした。

実に11ラウンド、本当にお互いの相性がよく、両者休まず打ち続ける激戦で、いい試合を見させてもらったという感じだ。

挑戦者の山口真吾もよく戦った。11ラウンドではじめてリングに膝をつき、ダウンを喫するも、そのダウン直後の攻防でも全くクリンチなどに逃げず、真っ向から打ち合って男を見せてもらった。

王者の内藤もポイントでリードするも、最後まで倒しに行く前へ出る試合で、レフェリーストップのTKO勝ちで激戦を制した。挑む挑戦者も挑戦者らしい、迎え撃つ王者も王者らしい、実にすがすがしい名勝負であった。両者に拍手を送りたい。

 

ボクシングのファイトスタイルで、前へ出て足をとめてガンガン打ち合うのがインファイター(ファイター)、ヒット&アウェーで足を使ってジャブから・・とセオリー通りに戦うのがアウトボクサー(ボクサー)、その両方、アウトボクシングをしつつ、チャンスと見ればインファイトで倒しに行くがボクサーファイターだ。

構えでいうと、右利きは左足が前に出て、左ジャブから右の大砲というのがオーソドックス。利き腕の右のパンチが腰のタメで打ち出されるので威力が増す。左利きは逆に右足が前に出るスタイルで、他のスポーツでもおなじみ、サウスポー

内藤は右利きのオーソドックスで、わりと足をとめて打ち合うボクサーファイター。左右のフックを多用する、トリッキーで変則的なボクサーだ。

ベタ足で左右のフックを振り回す内藤のスタイルは、決してスマートとはいえない。

しかし、今回の試合はリーチ、身長で上回り、足も使って器用に戦っていたという印象だ。近代ボクシングはインファイトもアウトボクシングもこなせる万能タイプが主流で、どちらか一方だけでは世界はとれないといわれているが、4度も防衛している王者の実力をいかんなく発揮した試合だったのではないかと思う。

34歳の現役王者、まだまだ頑張ってもらいたい。


K-1GP 2008 決勝ラウンド

2008年12月08日 | 格闘技・武道

今年もK-1グランプリの決勝ラウンドがやってきた。毎年この時期になると、もう1年もおわるなあ・・という感慨深い思いになる。

 

今年は、昨年までK-1史上初の3年連続連覇を果たしたセーム・シュルトがグランプリ開幕戦で破れる波乱の幕開けで、新世代の台頭著しく、毎年おなじみのK-1の顔といえば、ピーター・アーツジェロム・レ・バンナくらい。バダ・ハリは23歳、グーカン・サキは25歳、初出場のエロール・ジマーマンにいたっては最年少22歳という若さだ。

K-1草創期から見ている自分にとっては、K-1グランプリ2連覇を果たしたレミー・ボンヤスキーやロシアの速射砲、ルスラン・カラエフでさえ最近の選手・・という印象であったが・・。 

この時点でワケのわかんない人は、全然話についてこれないと思うが、自分にとっても「こんなヤツいたんだ?」・・というニューフェイス、ニューカマーがベスト8に残って決勝ラウンドを戦うという新旧入り乱れての戦いであった。

 

決勝を戦ったバダ・ハリは準々決勝でピーター・アーツを破り、準決勝では極真世界王者、エヴォルトン・テイシエイラを破ったエロール・ジマーマンにダウンを喫するも、ダウンを奪い返すという死闘を演じ、勝ち上がってきた。 

一方、レミー・ボンヤスキーもバンナの古傷の左腕を再び砕き、カラエフを破ったグーカン・サキをフライング・ミドルで葬り去り、勝ち上がってきた。

 

どちらも絶好調!好勝負が期待された、まさしく2008年のグランプリ王者を決定する決勝戦で事件はおきた。

 

2ラウンド、もつれあって倒れたレミーに、バダ・ハリがレフェリーの制止を振り切って打撃を加えたのだ。

 

その際、頭部を蹴られたレミーのダメージが回復せず、悪質な反則によるレッドカードが出され、バダ・ハリの失格負け。レッドカードが出されたのは、K-1史上初のコトだという。

しかも、それが1年間戦ってきたグランプリの王者を決める決勝戦においてだ。

 

それで王者になったレミーもスッキリしないだろう。

試合後に流していた涙はあきらかにくやし涙であった。

 

バダ・ハリは、以前は記者会見の席上で乱闘騒ぎを起こすなど、素行に問題があったが、最近はめっきりおとなしく、紳士的な態度で試合にのぞみ、圧倒的な強さで決勝まで勝ち上がってきた。間違いなく次世代を担うホープとして期待されていただけに、非常に残念な結果だ。

 

王者の品格。

 

ボクシングのチャンピオンでも、相撲の横綱でも、一歩、リングや土俵から離れても、王者としての立ち居振る舞いを求められるし、そのような期待をもって世間から見られる。

朝青龍の行動がいちいちマスコミに取り上げられるのも、彼が相撲界の頂点である横綱であるからに他ならない。

解説の魔裟斗が「バダ・ハリの精神的な弱さがでましたね」と言っていたのが印象深かった。

 

 


ボクサー「辰吉丈一郎」という生き方

2008年11月03日 | 格闘技・武道

かつて「浪速のジョー」と呼ばれたボクサーがいた。

辰吉丈一郎、38才。

昭和45年生まれの彼は、自分と同学年、まさしく同世代のボクサーだ。

 

彼は3度世界王者になり、今またベルトを目指してカムバックした。

カムバックというより、正確には、引退した・・と思われていた間も、現役の頃と変わらぬ練習をずっと続けていたのである。

しかし、日本ではライセンスを失効し、もはや、日本ではプロのリングに立つコトはできない。

そこで自分が試合できる国を求め、タイに飛んだ。

 

そして先月26日、2003年9月以来、実に5年ぶりの復帰戦にのぞんだ。

結果は2ラウンドTKO勝利。

しかし、格下相手に何発かパンチももらい、決して手放しで喜べる内容ではなかったという。

 

「もうやめておけばいいのに・・」

きっと、誰よりも辰吉自身が、そう囁かれる言葉を耳にし、再びリングにあがる日を夢見て練習している間にも、自分のこころの中に何度もその思いが湧き上がってきたのではないか・・?

妻や子もある。

生活はどうするのか?

そして、それを口実に逃げるコトも出来たはずである。

 

しかし、もう1度ベルトをまくという、あきらめきれない「夢」

・・現実が大きい時は、「夢」は小さくなり、

「夢」が大きい時は、現実は小さくなる。

 

もちろん、その「夢」を理解し、支え続けてくれた家族や、周囲の協力なくしては、このタイでの復帰戦自体、なかったかもしれない。

しかも、今またタイでの試合さえ、不可能になるかもしれない・・という状況になりつつある。

 

しかし、あきらめずに信じ続け、戦い続けるその姿に、

ボクサー「辰吉丈一郎」という生き方に、感動をおぼえるのである。

たとえ、それが人の目に、どんなに不器用で無様に映ろうとも・・。

 


柔道金メダリスト石井慧、プロ格闘家転向!

2008年11月01日 | 格闘技・武道

石井慧、格闘家転向を監督明言 契約金5億円報道出る - Ameba News [アメーバニュース]

北京オリンピック柔道100キロ超級金メダリストの石井慧が全日本柔道連盟に強化指定選手の辞退届を提出し、事実上、柔道選手としての引退となった。

過去にも小川直也吉田秀彦滝本誠がプロ格闘家に転向したが、いずれも柔道選手としてののピークを過ぎた後で、現役の金メダリストがプロ格闘家への転向というケースははじめてで、まだ21歳と年齢も若い石井の今後が期待される。

もともと「ヒョードルとやりたい」「課題は打撃」等の発言で、総合格闘技への転向が噂されていたが、これが現実となったかたちだ。

 

柔道家出身や柔道経験者のプロレスラーやプロ格闘家は多く、小川や吉田もプロのリングで実績を残してきており、吉田も「柔道ではもう勝てないが、これ(総合格闘技)ならまだ戦える」といった発言をしている。

しかし、総合の方が柔道より楽・・というワケではないだろう。

 

総合には「打」「投」「極」といわれる技術が存在し、「打」、すなわちパンチやキックといった打撃や、絞め技や関節技といった「極」の技術の差が、より勝敗を決定づける要素といえるだろう。

柔道は相手を投げる投げ技、「投」に特化した格闘技であり、もちろん、関節技や絞め技という寝技の技術も存在するが、投げた後、テイクダウンした後、相手をどうしとめるか・・というコトが問われる総合は、きれいに相手を投げたら一本、それまで・・という柔道より、ある面においては、よりシビアな戦いが求められるといえよう。

 

しかし、今やったら勝負は見えているが、経験をつみ、打撃も習得した石井VSヒョードルの試合・・いつかは見てみたいものだ。


長谷川穂積、現役最多V7防衛達成!

2008年10月17日 | 格闘技・武道

昨日、長谷川穂積VSアレハンドロ・バルデスWBC世界バンタム級タイトルマッチが行われた。

長谷川は強豪ひしめくバンタム級で、3年半王者に君臨する日本のエース!

これが長谷川にとって7度目の防衛戦になる。

しかし、挑戦者のバルデスは過去4年間無敗、KO率71%を誇る強打のサウスポー。

 

戦前、長谷川は自分が負けるであろう時は、相手はサウスポーだろうと苦手意識をもらしていた。

バルデスは、世界戦ではじめて迎えるサウスポーで、身長で6センチ、リーチで実に9センチの差があり、苦戦が予想された。

 

しかし、蓋を開けてみれば、磐石の試合運びで2ラウンドTKOでの完勝だった。

試合後、KO勝利だったら娘もリングにあげると言っていたそうで、2人の子供をリング上で抱く長谷川は、戦う男の顔から、穏やかなお父さんの顔になっていた。

 

ちなみに同じ日に行われたWBC世界フェザー級タイトルマッチで、世界初挑戦の粟生(あおう)隆寛はフルラウンド戦うも惜しくも判定負け。

これでプロ、アマ通じての連勝記録は74でストップ。4ラウンドで王者からダウンを奪うなど、追い詰めただけに惜しかった!

10ラウンド終盤にセコンドからとんだ

「ドロ臭くてもいいから打て!」

・・という声が耳に残った。

ボクシングエリートが、はじめて味わう挫折だったろう。

彼の再起に期待したい。

 

長谷川、7度目の防衛に成功/WBCバンタム級(サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース


K-1 WORLD MAX 2008

2008年10月02日 | 格闘技・武道

昨日、K-1 WORLD MAX世界一決定トーナメント・決勝戦がやっていた。

ベスト4が1日で準決勝、決勝と戦う過酷な1DAYトーナメントだ。

 

ちなみに‘K-1‘はさすがに聞いたことがあると思うが、そのK-1とWORLD MAXて何が違うの・・?という人の為に簡単に説明すると、要するに階級が違うのである。K-1が重量級、WORLD MAXが中量級。

もちろんヘビー級の戦いは迫力があるが、個人的にはこの中量級のMAXがいい

スピ-ド感と技のキレ、何よりヘビー級では、日本人はなかなか世界を獲るコトは難しい現状なのだが、このMAXでは違う。

2003年には魔裟斗が優勝し、K-1でははじめての日本人世界王者となった。

 

以来5年間、日本人の優勝はなかったが、今回5年ぶりに魔裟斗が王者に返り咲いた

 

そしてまた、この試合内容がメチャメチャよかった

準決勝、決勝ともに本戦3ラウンドでは決着がつかず、延長までもつれこむ激戦だった。

 

中でも準決勝の魔裟斗佐藤嘉洋戦は間違いなく今大会のベスト・バウトだろう。

魔裟斗の存在ゆえに、日本人との対戦成績は無敗にもかかわらず、常にNO.2の地位に甘んじてきた佐藤嘉洋との日本人頂上対決

佐藤は絶対王者とよばれるブアカーオをKOで破り、魔裟斗もその実力を認めざるを得ないチャレンジャーとなり、まさに‘日本人頂上対決‘の名を冠するにふさわしい戦いだった。

 

「息をのむ」・・という表現があるが、まさに意地と意地のぶつかり合い

魔裟斗はダウンを喫するも、気力と手数で上回り、佐藤を圧倒した。

ホントに呼吸をするのも忘れるくらい、久々の好カードであった。負けた佐藤も凄かったしかし、魔裟斗のスタミナと根性はハンパねえ・・。

 

決勝も、ダウンしながらも延長でキシェンコを下し、勝利をもぎとった。

 

間違いなく「絶対負けない」「絶対あきらめないという気持ちの強さと、その気持ちを維持し続けられたスタミナあってこその勝利だったろう。

 

王者に返り咲いた魔裟斗はリング上で、1つのことを一生懸命続けることで必ずいいことはある、つらいことはあるだろうけど「継続は力なり」、それがこのベルトにつながった・・と涙ぐみながら語っていた。

 

すごい努力をしてきたんだろうなあ・・。

 

ちなみに奥さんはこーゆー格闘技とか大嫌いで、実況の声をきいてるだけで気分が悪くなるほど・・。

なので、1人でこっそり録画したのを見るのである・・。


12年前の17分05秒

2008年09月25日 | 格闘技・武道

先日、テレビでDREAM6がやっていた。

DREAMとは、言わずと知れたメジャーな格闘技イベントだが、その中でミノワマンVS船木誠勝という、一般的にはそれほど注目度の高くない、ごく地味~なカードが組まれていた。

 

超人ミノワマンこと美濃輪育久は、PRIDEのリングでリアル・プロレスラーと呼ばれ、その独特のキャラと、勝っても負けても盛り上がる試合内容で、人気と知名度をあげていった。ちなみにミノワマンというふざけたリングネームは、彼が『キン肉マン』の大ファンで「名前にマンをつけたら超人みたいに強くなる」かと思い、(本人談)大マジメでつけたらしい。(笑)

 

一方の船木誠勝は、テレビ欄に名前すら出ていなかったが、美濃輪の師匠にあたる男で、パンクラスという、かつて美濃輪が所属した団体を、弱冠24歳で旗揚げした格闘技界の若きカリスマだった。

 

しかし、当時400戦無敗ともいわれ、最強の呼び声高かったヒクソン・グレイシーとの対戦に破れ、引退したのが今から8年前の2000年だから、すでに格闘技界からは忘れさられ、過去の人・・という感は否めない。中には「誰、それ?という人もいるかも・・。

事実、今年になって復帰してからも2戦して2敗、内容的にも完敗だった。

 

ところで彼には、ヒクソン戦に敗れて引退するより前に、「負けたら引退」という進退をかけてのぞんだ試合があった。

それはヒクソン戦jより4年前の1996年9月6日、東京ベイNKホールで行われたキング・オブ・パンクラスのタイトルマッチ、バス・ルッテンとの試合である。

当時、船木は27歳、心技体すべてが充実し、絶対に負けられない、負けてはいけない試合・・。

 

しかし、船木は完膚なきまでにブチのめされる。

試合時間、17分05秒・・。

 

試合後、船木の脳裏には「引退」の2文字が浮かんだろう。 

その時、リング上でマイクを握る船木の耳に、観客席からの声がきこえたという。

 

「船木やめんな~

 

その声に呼応するかのように、船木は絶叫していた。

 

「こんなところでやめてられっか~っ

 

・・・たった1つの声援が、人生を変えることもあるのだ。

 

・・ともあれ、船木自身が当時、「生涯最高のベスト・バウト」と評した試合、1度は見てみたい・・と思いつつ、レンタルビデオ屋の棚に見かけることもなく、いつの間にやら12年の歳月がすぎていた。

 

しかし、先日、ついに念願かなってそのビデオを入手した

感想は、確かに壮絶な試合ではあった。

そして、12年の歳月の中での、格闘技界の進化を思わされた。

正直、船木自身がこの後、柔術や様々な格闘技のエッセンス、さらにヒクソン戦の前にはヨガの「火の呼吸」を取り入れ、技術的にも動きも確実に進化していた。

ただ間違いなく、当時、船木の最も思い入れのあった試合だったのだろう・・ということだ。

 

先日のDREAMでのミノワマンとの復帰3戦目、船木は秒殺で完勝した。

ヒクソン戦以来、とまっていた船木の時間が再び動きだした。

 

40を目前にして、何を今さら・・という人もいるだろう。

1度引退したのに見苦しい・・という人もいるかもしれない。

 

・・しかし、戦いはあきらめた時におわるのである。