観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
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「はだしのゲン」恐るべし子役たち

2008年09月09日 | 映画・ドラマ
 漫画家・中沢啓治氏が自身の被爆体験をもとに、戦争への怒りと悲しみを描いた不朽の名作「はだしのゲン」のドラマ化。
 日本は敗戦への道を進んでいた太平洋戦争末期の広島。中岡大吉(中井貴一)は下駄の絵付け職人を営みながら、妻(石田ゆり子)と4人の子供たちと暮らしていた。
 一般的な戦争被害の話ではない。ホームドラマ的要素も、戦争への意味を問うことも、人とは? とか、とにかく問われるドラマだ。
 第一、中井貴一と石田ゆり子の競演ってだけで、「ぐっとくる」と感じさせるものがあるじゃないか?
 それが、蓋を開けたら、子役の圧勝。特に、元(小林廉)と、進次(今井悠貴)。小林君、何者だよって感じで、まだ中井貴一は食えなかったが、石田ゆり子は完全に食ってた。
 歌のシーンで、あんまり上手くはないけど、スタッカートの利いたハスキーボイスも捨てがたい。とにかく大物。
 弟役の今井君は、弟の時は、まあ、頑張ってる子役ってな感じで、小さくなった阿部サダヲ。顔似てるよね。子供にしては嫌味っぽい。肥だめに落ちてまっぱで川で服かわかしてるシーンが泣けた。
 後はへったくそな浪曲で、杉本が感動するシーン。これはジーンときたぜ。
 が、死ぬシーンから、戦争孤児となって二役こなしてからの演技力は目を見張る。同じ子? と思えないような出来だった。
 脇も、成宮、勝本、佐藤B、りょう、杉本、村田といった所が抑え、いい出来。
 でも、このまま締めたんじゃつまらないでしょ?
 そう、難癖付けますよ。
 まず、勝村。家が焼け落ちる時に現れて、「奥さんもう駄目だ」って、隣に住んでたんだから、もう5分早ければ、大吉か進次は助けられたよね。
 そのシーンで大吉がまず、「助けろ」と言ってるけど、言うかな? あの気骨ある親父が? 最後は、「逃げろ。進次には俺が付いてる」って言って死ぬんだけど。これが本来の大吉じゃないかな?
 それから、頼って行った先で、意地悪されるけど、それはこの当時当然。しかし、意地悪されたりなんだかんだの時に限って、りょうが居ない。最後までいい人で通してたけど、これも? だよね。
 最大の謎は、髪の毛が抜けて、悪寒に襲われ、みな死んで行く中、同じ症状で、まっハゲになった元はなぜ無事なのか? 悪寒で震えていたのにすぐに回復。ほかの人は死んで行ったのに。
 しかも、後遺症も無く、現在まで生きてた。
 子供産んだお母さんの石田。「へその緒を切れ」とか、あの原爆の中、元にバケツや水を用意させたり。するかな? 普通。自分でやるよね。だって元まだ小学生だよ。
 水も布もバケツも二の次でしょう。
 違うドラマで黒木瞳が、サトウキビ畑の中で出産してたけど、あの時はオダギリジョーが取り上げてたな。
 私も戦争は知らないが、石田、5人目の出産なんだから、1人でやれるよなー。多分。
 と難癖付けましたが、これはかなりいいです。ミシュランなら5つ星。生と死、国とかを問う戦争ドラマから一歩前に出て、人とは? を考えさせてくれる。
 今は平和な世の中だけれど、今に置き換えることも可能な、人間模様。
 お勧めです。
 




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