観るも八卦のバトルロイヤル

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「なくもんか」。抱腹絶倒のコメディでは終わらない

2010年06月04日 | 映画・ドラマ
 東京の下町、「善人通り商店街」の行列のできる超人気惣菜店「デリカの山ちゃん」を舞台に、二代目山ちゃん・祐太(阿部サダヲ)の行き方を綴る。
 どんなことでも嫌な顔一つせず笑顔で引き受ける山ちゃんは、究極の八方美人呼ばれるほど働き者で親切で温厚な男。
 だが、その笑顔の陰には、8歳の時に父・健太(伊原剛志)に店に置き去りにされ、店主夫婦に育てられた過去がある。そして、故人となった店主から後継者として指名されるまでに信頼を得たのだった。
 そんなある日、10数年前に家出していた初代店主夫婦の一人娘、徹子(竹内結子)が別人のように美しく変貌して帰って来た。祐太はプ徹子と結婚することになり取り寄せた戸籍謄本から、弟がいることを知 る。 
 その弟は、テレビでブレイク中のイケメン兄弟お笑い芸人、金城ブラザーズの祐介(瑛太)。弟との対面 を喜ぶ祐太に反して、本物の兄の出現に複雑な心境と、相方の大介(塚本高史)とは実の兄弟としてコンビを結成していることなど喜べない弟。 
 やがて、徹子の連れ子や祐太と祐介の父がが現れたり、金城ブラザーズの兄弟詐称疑惑がマスコミに報じられたりと事態が変わり出す。
 正直、「舞妓Haaaan!!!」を想像していると、笑いの肩透かし。抱腹絶倒とはいかない。
 しかし、これは笑いを追求するのではなく、笑いの中にあるほろ苦いスィートなホームコメディなので、作品性が違うため、比べる事は出来ないだろう。
 面白かったが、やはり「舞妓Haaaan!!!」みたいにギャグコメディ(こちらにもほろ苦いエピソードはあるが、比重がギャグの方が高い)が観たかったので、ちょっぴり物足りない。
 大ラス(最後のシーン)の瑛太の台詞。舞台の上から、お笑い観に来た客ドン引きなくらいにシリアスな気持ちを語り(映像もそのまんま)、それでいて、兄弟揃って軽いノリの「ありがとうございましたー」ってお笑いの締め。本当にこれで閉まっちゃった。
 ここが残念。
 出演は、竹内結子の母親役のいしだあゆみがいい味出しているほか、カンニング竹山、高橋ジョージ、陣内孝則、皆川猿時、片桐はいり、鈴木砂羽、藤村俊二、小倉一郎、光石研、冨田佳輔ら面白い顔ぶれだ。

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