観るも八卦のバトルロイヤル

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「歸國」。勝手に反戦週間。五作目は、現在に問いかける社会派ドラマ。

2010年08月16日 | 映画・ドラマ
 倉本聰原作の「歸國」。
 舞台は現代の8月15日、終戦記念日の深夜。
 終電が終わり、静まり返った東京駅のホームに、1台の軍用列車が到着する。降車したのは、60余年前、南の海で玉砕し海に沈んだ英霊たちだった。
 彼らの目的は、平和になった故郷を目撃し、かの海にまだ漂う数多の魂に、その現状を伝えることだった。
 故郷へ、また思いを残す人の元へ、それぞれが散って行く。
 戦地で死んだものの、英霊とされなかった者は、日本を彷徨うことを余儀なくされ、その1人である立花報道官(生瀬勝久)がナビゲーター的役目を果たし、60余年の年月を英霊達に知らせる役割も担っている。
 東京の深夜を「明るいな」と話すワンシーンがあるが、車の量や、町の様変わり、高層ビルには感心を示さないあたりは…むむむ。
 出演は、大宮上等兵(ビートたけし)、木谷少尉(小栗旬)、河西洋子(当時/堀北真希、現在/八千草薫)、日下少尉(向井理)、竹下中尉(塚本高史)、志村伍長(ARATA)、水間上等兵(遠藤雄弥)、坂本上等兵(温水洋一)、大宮上等兵の妹/あけび(当時/小池栄子)、大宮上等兵の甥/大宮健一(現在/石坂浩二)、秋吉部隊長(長渕剛)、看護師(現在/西田尚美)、医師(現在/矢島健一)。
 戦闘シーンは一切なく、戦時下の人々の思いが現在に伝わっているのか? 彼らが「お国のため」と捧げた命の意味は現在に繋がっているのか? を問う。
 靖国神社の鳥居に浮かぶシルエットが見事であると同時に物悲しさを伝える。

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