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自然の中で見つけたステキなモノ

小値賀島ツアー その7

2011年09月11日 | 五島のお話

『乾坤一擲』by Alex Kerr

そうそう、今回の小値賀島ツアーの宿泊プランについてまだお話ししていませんでしたねまずはそのお話から。

小値賀島には『古民家ステイ(詳しくはコチラ)』というのがありまして、このレストラン藤松と同じように古民家を改装して作られたステキな宿泊施設が4棟あります。最初はこの『古民家ステイ+藤松の夕食』を希望していたのですが、ちょうどこの日は満室だったためやむなく断念。藤松のお料理は食べてみたかったので、『小西旅館(島で唯一の旅館)泊+藤松の夕食(送迎付き)』というプランに切り替えたところ、空きがあったので即予約。古民家ステイと比べるとお値段も10000円とリーズナブルだったので、その分お食事を追加できて結果的にはよかったです

しかもこの日は私達以外にお客さんは誰もおらず、レストラン丸ごと貸し切り状態。お店の方もとても親切で、私たちがたどり着けなかった五両ダキへの行き方を尋ねると、食事をしている間に手書きの説明付きの地図を準備して下さり、行き方を丁寧に教えて下さったのですこの心遣いが嬉しいですよね~

さらにお食事を終えた後、「二階を見せていただいてもいいですか?」というリクエストにも「どうぞ~」と快く答えてくださいました

このスペースがまたステキ!カフェの時間帯はこちらでお食事をいただくこともできるのだそうです。昼間だと景色も良さそう~

30年間家主不在だったこのお屋敷の屋根裏部分は、柱や梁はしっかりしていたものの床板はかなり傷んでいて、とても歩ける状態ではなかったのだそうです。そんなボロボロの古いお屋敷に価値を見出だしたのが、東洋文化研究者であり「おじか観光まちづくり大使」でもあるAlex Kerrさん。

Alex Kerrさんは京都の町家など古民家修復を中心とした町づくりのコンサルティング事業を手がけている方で、小値賀島を訪れたとき「この島はとても神秘的。昭和30年代のような風景がそのまま残されていて、大変貴重である」と感銘を受け、この古民家再生事業に携わることになったのだとか。ここにある書はAlex Kerrさんから贈られたもので、「乾坤一擲(けんこんいってき)」とは「天下をかけた大ばくちのこと」「自分の運命をかけて、のるかそるかの大勝負をすること」という意味なんですって。確かにこの日本列島の西の果ての小さな小さな島で、このような大きな事業を興すことはばくちのようなものかも知れません。でもそこまでしてもやる価値があると判断されたのでしょうね。 

最後はお食事中ずっとお世話してくださった接客係の方とお庭をお散歩しながら夕涼み。その方はもともと県外の方で、やはりこの島の魅力に取り憑かれ、この島で働くことを決めたのだとか。昔からずっと島の中で暮らしている人たちにとっては昔ながらの当たり前の風景が、島の外から来た人たちにとってはとても新鮮に見えるものなのでしょうね。ここ数年で小値賀に移住する人や観光客が増えたのがその証拠です。この島が変に開発されていたら、逆に衰退の一途をたどっていたかも知れません。

家主を失った古い家がそのまま残されていたからこその再生事業。古いものをどんどん破壊してきた現代人が、古いものに新しい価値を見出し、再生していく。これってとってもステキなこと。私達の価値観そのものも、いつの間にか「新規」から「再生」へと移行していっているのかも。

そんなことを思いながら過ごした小値賀での夜でした

藤松の接客係の方、最後の最後までお付き合いいただき本当にありがとうございましたまだまだいろんな面で課題もあるとは思いますが、これからもレストラン藤松さん(詳しくはコチラ)の息の長いご発展を心よりお祈りしています。また小値賀を訪れた際には立ち寄らせていただきますね!小値賀の旅はいよいよ二日目へと突入します

その8へ続く