怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

ナミヤ雑貨店の奇蹟

2017-09-29 07:11:33 | 映画
以前下町ロケットについて書いた時に、読んでから見るか、見てから読むかという話をしましたが、この「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は東野圭吾の原作を確実に読んでいました。ひょっとしたらブログにアップしていたかもと思って調べてみましたが、それはなかったみたいです。
確実に読んでいたのですが、記憶はほとんどない。還暦過ぎて脳はどんどん軟化しているみたいで記憶がそれに合わせてどんどん飛んでいます。
映画を見てもごくごく大まかな筋しか覚えていなくて、見ているうちにそういえばこんな話の展開だったかと思いだす程度。その意味では心新たな気持ちで映画を楽しむことができました。

で、その映画ですが、まずはセットの作り込みに感心しました。昭和の時代の商店街がそのままに出ています。全部セットでは作れないはずとみていましたが、エンドロールを見て豊後高田市の商店街でロケをしたことが分かりました。昭和の雰囲気を残す商店街として有名ですよね。下町の商店街の自転車屋で生まれ育った身としては、この風景は涙が出るほど懐かしい。これだけでもこの映画を見る価値あると思ったほど。欲を言えば現在の商店街はもっとうら寂れて落書きだらけのシャッター街になっているはずなんですが、そこは今や観光名所となっている豊後高田の商店街に求めるのはつらいか。
時折病院の病室も舞台になるのですが、1980年代の病室はちょうどコンソールボックスが普及し出すころで、魚屋ミュージシャンの父親の病室はコンソールボックスがなく枕灯だけ。ナミヤさんの入院時には時がもう少し進んでコンソールボックスのある病室と年代の変遷をちゃんと手抜きせずに映しています。ちょうど1980年代には私は病院の施設係長をしており新病棟の設計にも携わっていたので、芸の細かさに感激です。まあ、実際の病室はところどころペンキが剥げたり壁紙が捲れたりともっと小汚いのですが、そこまでリアルにやるとかえって興ざめでしょう。
映画というのはマニアックなほど細部にも手を抜かないんだと改めて感心しました。
そして山下達郎の主題曲「reborn」が心に染み入りました。さすが達郎。いい曲作ります。
難点を言うと児童養護施設が火事の時逃げ遅れた子供がいたのはベランダの隅。魚屋ミュージシャンが助けに駆け付けるのですが、どう考えてもあの施設は2階建て。部屋に戻って火に巻かれるよりベランダから飛び降りれば確実に助かるはず。飛び降りるというと女子高生が校舎から飛び降りているのですが、4階以上だと命が危ない。だけど怪我だけで済んで意識もある。背景に高い校舎もあったのですがどこから飛び降りたのか。手すりもなかったしな…
ところでこの映画封切り直後でしたが、平日の夜6時からの上映に行ったらガラガラ。1番スクリーンという一番大きな箱だったのですが各列に1人か二人の状態。おかげで泣けるときには憚ることなく目を潤ませることができましたけどね。
6時からというと仕事帰りに急いで駆け付けないといけないし夕飯を食べる余裕もない。結果8時過ぎまですきっ腹でみるということになって中途半端な時間帯ですよね。結局夕飯は見終わってからで一風堂でラーメンを食べたのですけど。まあ、食後でないので眠くはならないのですが、たぶん満腹でも寝ることなく入り込んで見ることができたと思います。
それにしても見終わってもそんな話だったかというくらいで、もう一度原作を読んで見ようかと思ってしまったのは老化現象というしかないんでしょうか。

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