知人に勧められて、富士宮市にできた「富士山世界遺産センター」に行ってみた。昨年12月23日オープンしたばかりということで生まれたてのホヨホヤである。そのためあまり知られてはいないようだが、素晴らしいの一言に尽きる。
2013(平成25年)にユネスコの世界文化遺産に「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」として登録されたものだ。建物や展示がとてもモダンで、しかもよく考えられている。歩きながら富士登山ができる設計になっている。高齢者や障害者の観覧をよく考えた設計だ。特に最上階の展望ホールはアッと驚く仕掛けでただただ感嘆した。
このセンターでは富士山の特徴をいくつかの分野ごとに整理説明しているが、私が興味を持ったのは富士山を「信仰の対象」として描いているところだ。難しい議論を始めたらキリが無いだろうが、「修験道」を強調することによって富士山が日本人の「心性」の一部を構成していると言いたいようだ。修験道は山岳信仰と密教のハイブリッドみたいなもので宗教と呼べるかどうかわからないが、富士山は山岳信仰の頂点だとみなしているように聞こえた。
このセンターが文科省の施設なのか、県の施設なのか、またはなにか財団法人の施設なのか知らないが、浅間神社との関わりを強調しているようだ。また、高齢者は観覧料無料というのは素晴らしい。まだあまり知られていないせいかどうかわからないが大混雑というほどでは無かった。富士山は山梨県側だけではないという静岡県の心意気が伝わってきた。久しぶりの遠足気分であった。