熱海で宮さんを突き飛ばした後、貫一は東京へ戻って鰐淵という高利貸しに雇われた、世間からはさげすまれても手っ取り早く金を作れるという見込みだったのか、意外やその方面の才能はあったらしくて主人に信用され、それなりに自分の金もできたけれど、何せこの稼業は苦難の連続。
掛取りに行って一文も払ってもらえずに放り出されるやら、昔の友人に締め上げられて借金の証文を奪われるやら、同業の人妻に懸想されるやら、ついには暴漢に襲われて半殺しにされるやら・・・
ところがそれで入院している間に鰐淵夫婦が放火にあって焼死してしまい、貫一はその商売を引き継ぐことになったのでした。「金色夜叉」という小説は一応ここで終わっています。
つまり失踪したヒースクリフ金持ちになるの巻、後のことは紅葉山人の知ったこっちゃない-なんてね、そんな何も解決のつかない終わり方に読者が納得するわけはない。
何でもパーティーの席で女性読者に
「宮さんをどうしてくださるんです?」とつるし上げられたとか・・・
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