時間が空いたので行って来た、なるほど名作、読んでから見た視聴者として、どんな意味でも文句のつけようがない、ここまで作りこまれた映画ってそうはないのじゃなかろうか・・・・
2005年8月、巨大ハリケーンが接近するニューオーリンズの病院で老いた女性が40代の娘に古い日記を読んでくれと言う
「今は1985年、私ベンジャミン・バトンは第一次大戦が終わった年(1919年)に生まれた」-つまり暦年齢は66歳だが-ヒャー、なるほどその手があったか・・・・・母親は生れた時に死に、若い父親は老人にしか見えない新生児(小さい)の自分を老人ホームの石段に捨てた、幸い親切な職員に拾われて老人たちといっしょに面倒を見てもらい、それなりの教育も受け、17歳(見た目は約60歳)で-これまた幸い世話好きな船長に会えたので-船乗りとして世に出た
世界を巡り、ソ連で倦怠期の人妻と束の間の恋をしたり(この人が60代になってからドーバー海峡を泳ぎ渡って彼を元気づける)、第二次大戦に徴用されて仲間と船を失ったり、ニューオーリンズへ戻ると実の父親が名乗り出て彼を相続者にしたり、49歳(見た目30代)になってから昔なじみの女の子(彼女も40代)と結婚して娘が生れたり・・・
だが娘のために自分はいない方がいいと、父親から引き継いだ事業を処分して放浪の旅に出、戻ってみると奥さんは再婚していた、娘はもちろん彼が誰だかわからない・・・・
そして数年後、記憶喪失の幼児として保護された、老人ホームにいた身内の女性が自分の弟だと言って引き取り、そこへ夫と死別した奥さんも入所、2003年奥さんに抱かれて息絶えた・・・
最初に戻る、ハリケーンの水がどんどん増して来て・・・・・完(重態だったけどまだ生きてた老婦人=奥さん、どーなったんだろな、やっぱ心配かも)
スコット・フィッツジェラルドが元ネタを書いたのは1922年だった、この時期、作中のベンジャミンはハナタレ小僧としてまだ生きている、彼が死ぬ前年(29年)に大恐慌が起きるなんて作者は知るよしもなかったのだった
それから80年、ヒトの本質は決して変わってないハズだけど世の中は確実に変わった、環境がよくなってヒトは平均的に長生きになり、それだけ人生のシュンを(うまく行けばだけど)長く楽しめるようになった、また家事の省力化が進んだので女性が家庭に縛られる時間は昔よりずっと短くなって女性の社会進出が進んだ=女性の社会的地位がはっきり上がった-というわけで、あの元ネタを21世紀に映画化すればおおむねこんな感じになるかなと・・・・この記事のトップに戻る
最後に一つ、彼も彼女も子供時代は子役がやってます、特殊メイクで年寄りにはなれても子供はムリ、考えてみれば当たり前だよね
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