通勤途中の書店にてゲト、「すばる」なくなっていた、私が買ったからに違いない、先月は「もっとわかるように書け」と文句を言ってたが、こっちが純文の手法に慣れたせいか、「わからんけどおもしろいかもな」と思う作品けっこうあり
ブライアン・エヴンソン「温室で」-柴田元幸の訳、Monkey Business にもよくわからん翻訳小説(訳文が悪いという意味では決してない)が多かったけど、これはわりによくわかる方、作家に招かれた解説者、人里を離れた廃屋に一人で暮らしてるらしい作家のアヤシイふるまいに早く逃げ出そうと思うのだが・・・わりとよくある結末ながら「やられた」と思う、たぶんね
金井美恵子「ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ」-誰かの死を知らせる手紙が古い机の引出しに入ってて、そこには遠い昔知り合いの兄ちゃんが描いてくれた絵もあった、その兄ちゃんといっしょにチンチン電車で露店を見に行った、その電車で伯母さんとデパートへ行って木馬に乗った、父親が馬に乗るインディアンの話をしてくれた、その父親は自分が本を書くようになってから遠いところで死んだ、最初に戻る・・・・・
でいいんだと思うけどどっかズレてる気もする、たとえば冒頭の机は「兄さんの形見」、兄さんというのは「私」の伯父に当たるヒトで、いっしょにデパートへ行った伯母はその未亡人と考えればスジは通るんだが、そうツジツマ合わせていいのかどうか、また父は死んだ時に「私」の本を持っていた、ラストの数行はその本の最終ページだと言うのだが、これが全く意味不明、「わたし」って誰だよ?とまあとにかく技巧的な「これぞ純文」な作品なんだと思う、連作だそうなので単行本になったらぜひ買いたい
今時間ないので続く
8/13追記-おっと忘れてた、イカちゃん、前の記事にコメント感謝、島田雅彦のオススメは何かな?
『新潮』まで……!
ありがとうございます、助かります。
『新潮』今月は当たりですよ。かなり充実しています。
KEIさんが彼岸先生の小説をお読みになったら、突っ込みどころが気になりまくって放り投げてしまわれるかも知れません。しかし、『退廃姉妹』は物語として巧くまとまってはいると思います。たぶん。
烏賊娘拝