事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

阿部智里

2016-07-28 15:17:57 | 本と雑誌
烏に単は似合わない」何か評判いいし電子化されてたので買ってみた、最初読んだ時は思いっきり???だったが1日経って思い返したら!!!になった、フム、これはなかなかにイケてるミステリじゃあるまいか、ファンタスティックなミステリはなかなか自分で作ったルールを守れないからフェアに仕上がらないと何回か書いたが若い作者はわりにサラッとそのハードルを越えてるような、生きててよかった(あ、これも前に書いたね)

ヒトが三本足のヤタガラスに変身できるファンタジーワールド、だが誰でも変身できるわけではない・・・のか、変身はいささか鍛錬の必要な特殊技能なのか、と言えばたぶん両方、できればいろいろと便利だができなきゃできないでしかたない、特殊技能は他にもあるし(たとえば楽器演奏とか、これがちょっとした眼くらましになっている)

この世界に帝と二人のお妃と二人の皇子、普通なら皇太子は皇后が生んだ兄貴になるハズだが継承権があるのは側室が生んだ弟の方、それはなぜか・・・というとわかってるようでわからない、今後のお楽しみ(だと思う)
貴族の家(日本で言えば藤原四家、なぜか皇室には分家がないらしい、源氏物語にはならんのである)から選ばれたお妃候補が宮中に集まる、みんなそれぞれわけありだがそのうち一人は琴がうまい、ある日ある事情でとんでもなく貴重らしい琴を手に入れたがその後彼女の周りに怪しい事件が相次いで・・・なるほどそう来たか-とわざとらしくネタバレ自粛

烏は主を選ばない」前作の最後に現れていいところを持って行った若き皇太子はその頃何をしてたかというと、これがまた女の子たちのあずかり知らぬ陰謀の真っ只中で孤独な戦いを続けていたのだった、たまたま(でもないことが後でわかる)側近に選ばれた主人公の少年はなぜこの皇子が特別なのか全然わからない、確かに鋭いけど普通のヤタガラスじゃないか・・・結局このナゾはナゾのまま、今後のお楽しみ-というわけで続きを読まざるを得ない、やられたなあ、にしてもこの少年大変な能力の持ち主じゃないか、まだ出番あるんだよな、このままフェイドアウトはもったいないよ

というわけで以下次号(書かないかもしれない)