事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

国家とは何か?

2016-07-20 15:42:15 | 本と雑誌
また大上段に構えちゃったが北方水滸伝を読んでたらこういうことも考えざるをえなくなるのじゃあるまいか、作者によれば「水滸伝」は国を作ろうと戦う集団を描いた夢物語、「楊令伝」は曲りなりにも国を成立させてしまった集団の現実物語とのこと、なるほどね、元ネタの梁山泊も最初は国を作ろうと戦う集団だったのかもしれないがそのうち「戦わないでメンバーをスカウトするだけの集団」になってしまい(それいつからなんだろなあ)方蝋軍という狂気の集団といざ戦ってみたらまるっきし弱いことが証明されてしまったというか・・・いやもちろん最終的には勝ったことになるんだろがあまりと言えばあまりに夢とはかけ離れた結末、北方は夢を夢のまま終わらせるために梁山泊を一度落としたのだった(と思う)

だが宋王朝は事実上滅び(南宋として続いたが)、女真族の金王朝はできたばかりで中国の漢族を統治するだけの能力がない、華北は群雄割拠の状態となり梁山泊の楊令軍もどうやら独立国家の体をなすことができた、減ったとは言えまだ文武両道の人材に恵まれてるし、次世代が順調に成長してて頼もしい

さてこうなると考えなくちゃいけないのは国家とは何か?ということ、実を言えば答えはもう出てるのである(作者がはっきり言ったわけではないが)それは「安全を保障する代わりに税金を払えという組織」、どこで読んだか忘れたが国家とギャングが同じものというのはまんざらマチガイでもないのである、外に対して軍、内に対して警察、国にそれ以外のモノはいらない、他のものは民に任せればよい(と言ったのは誰だったかなあ)

だができることなら税金は安い方がよい、そこで楊令その他が考えたのは貿易立国、モノを西へ東へ動かして商売をしようという作戦だった、東の日本はゴールドを産する(黄金の国ジパングはウソではなかった)がこのものをさほどありがたがっていない、中国も銀本位制、だがはるか西(ペルシア、アラブあたりなるべし)へ行けばゴールドは飛びぬけた価値がある、東の金で西の産物を買ってこっちへ運んで売ればもうかるのじゃないか・・・

そら理論的にはそうだが、また遠く漢代からシルクロードは存在したが、しかしその間はタクラマカン砂漠だろ?ラクダという単語が全く出て来ないのはなぜ?(小松さんの「時空道中」では確かラクダが宋へペルシアのガラス器を運んでいた)

ところでこの時期(12世紀前半)の日本は無政府状態に近い、でもそんじゃ自分が独立国家を作ろうとはあんまし誰も思わなかった(奥州藤原氏はそれに近かったかも)、50年ほど後に頼朝が鎌倉幕府を作ったけど別に独立宣言したわけではない、やっぱ国土が狭い上に山が多くて見通しがきかないってことがあるのかな?

そうそう、アラブはイスラム世界になっている、イスラム教は当然中国へも入って回教と呼ばれていた(ウィグルの宗教という意味)、この頃はまだ爆弾テロを始めてなかったんだろか、少なくとも方蠟はイスラム教徒じゃなかったみたいね(マニ教らしい-って何それ?だがマニは人名、マホメットより400年は前のヒトとのこと、そんなん言われたってわからんよね)