狭き門 (新潮文庫) 価格:¥ 420(税込) 発売日:1954-03 |
田園交響楽 (新潮文庫) 価格:¥ 340(税込) 発売日:1952-07 |
古本でゲト、「田園交響楽」は細かいとこまで忘れてなかったのに、こちらは「はて、ほんとに読んだんだったかしらん?」やっぱ高校生にはむつかしすぎたというか、いや今読んでもやっぱしよくわからんと言うべきなのか・・・
主人公の私=ジェロームと2歳上の従姉アリサは十代の時から恋人どうし、いずれいっしょになるものと(私だけでなく母親や叔父=アリサの父も)信じてたのに、アリサは妹のジュリエットがジェロームを恋しているから自分は結婚しないと言い、それを聞いたジュリエットは、見た目が冴えない上にまるで趣味も合わない求婚者と結婚すると言い出して・・・
ここでジュリエットを愛するジェロームの友人アベルが「せり上げてるのさ」と言った、そう、そこだけは思い出した、けどその先はどういうことなのかやっぱよくわからん。
ジェロームの設定はかなりの部分が作者のジッドそのままで、本人は年上の従姉とめでたく結婚したんだけどうまくいかなかったらしい。「田園交響楽」でさんざんに言われてる奥さんはその人がモデルだとのことである(念のために言えば「田園」の方が後の作品)。
結局「オレ、結婚せん方がよかったかもな」-ということを書いたのが、アリサの死で終る「狭き門」、けどいかに何でもそらエゴイスティックに過ぎたかなと思って書いたのが、結婚してから奥さんに思いっきり責められる「田園交響楽」-そういうことだったんじゃないかしらん?