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事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

60回目の乱歩賞

2014-10-16 21:24:17 | ミステリ

闇に香る嘘 闇に香る嘘
価格:¥ 1,674(税込)
発売日:2014-08-06

近所の本屋でみつけて思わず買ってしまった一件、選評に乗せられたんだが有栖川と京極はバッチシネタ割ってるような、語り手が自称通りの人間じゃないことを察するのにそれほどスレッカラシである必要はないハズ、だけど全盲の主人公を襲う危機また危機、誰が信用できるのかわからないとんでもない状況、そしてあっと驚くハッピーエンド(だよな?)、賞にふさわしい名作だろうと思う

とか言いつつ細かいツッコミ、今時、白内障で全盲になるか?そも白内障って栄養障害でなるものか?
岩手県のヒトは家のことを岩手と言うんだろか、名古屋のヒトは愛知と言わない、私は岐阜県人だが家のことを岐阜と言わない(岐阜市の出じゃないから)、岩手県なら盛岡とか花巻とかいや田舎ならもっと小さい町の名前を言うのじゃなかろうか?
点字暗号に「二銭銅貨」を思い出した、晴眼者の私はどうしてもマジで点字を覚えられん、まして指の先で読もうとは思わんうちにこの年になってしまって、とてもじゃないがこれから指で解読できるようになるとは思えん(ボワロー/ナルスジャックにそういうのあったよね、タイトルも忘れたけど、あ、いろんな意味で本作に似てたかも)、今手元にある缶ビールの上をこすって「おさけ」(そう書いてあるのだ、初めてわかった)と読み取れるかどうか・・・ムリっぽい

というわけで(どういうわけで?)ただ今出張中、ホテルでPCを借りて(貸してくれるのだ)近くの(けっこう遠いけど)コンビニで買って来たサンドをかじりビールを飲みつつ書いている、何かシアワセ・・・・・・

追記-Azonレビはけっこうきびしいね、ゴダードのパクリとか、はてそうかにゃん?それ読んだハズだけど、細かいネタをいちいちパクリと言われたら新しい作品なんて書けん、それは結局読者にとっても損だと思うがにゃ、にしてもゴダードのそれ、知ってて印象に残らんかった気が・・・・・


ヘレン・マクロイ2

2014-09-29 13:57:32 | ミステリ
暗い鏡の中に (創元推理文庫) 暗い鏡の中に (創元推理文庫)
価格:¥ 972(税込)
発売日:2011-06-21

「名のみ知られた傑作」だったとのこと、創元社版は2011年初出、そっか、未読なわけだ、改めてよろしく(誰に言ってる?)

ヒロインは20代の美術教師、校長から突然クビを宣告された、いったいなぜ?そう言えば何となくみんなに避けられてる感じはあったのだが・・・たまたま同僚の恋人が「逃げる幻」に登場した精神科医兼探偵なので相談すると早速学校へ話を聞きに行ってくれる
校長いわく「彼女はしばしば同時に2箇所で目撃される、つまりいわゆるドッペルゲンガーが出没してる、何を隠そう自分も一度見かけた、そんなことを本人に言えるわけはあるまい」、なるほど言われてみればその通りかも、いやそのドッペルゲンガーがホントに怪異であるのなら・・・
何とその日に教師の1人が死に目撃者の生徒はそこにいるハズのないヒロインが犯人だと言う、まさか怪異による殺人?そらないって

同時に2箇所で目撃されたのなら片方は本人によく似た別人なんだろと理性的な人間なら即考えるところだが、スレッカラシの読者もあっさり怪異の可能性へとミスリードされる、1つにはどうやら天涯孤独らしいヒロインにそんないたずらをしかけてどんな意味があるのかわからないから、もう1つには替え玉が勤まりそうな怪しいヤツが思い当たらないから、そのうち当のヒロインが死んでしまい、しかも死んだ後で(と思われる時間に)目撃される、目撃者はあの同僚で見間違いとも思われぬのだが・・・

タネ明かしを聞けばわりと単純な話だけど(もちろんドッペルゲンガーはよく似た別人)、やっぱり驚くのじゃあるまいか、そいつと被害者の接点が伏せられてる上に、何人かいる目撃者の1人がまさかな人物なので・・・(おっとネタバレ自粛)
ところが解決編を聞かされても(こいつしかいないハズの)犯人は断固自分がやったと認めない、証拠がないんだから無罪だと言い続ける、読者は探偵と犯人のどっちを信用するかと言うとこれが意外にむずかしい、証拠がないのもさることながらそも動機が薄弱、悪いヤツだから悪いことをするでは説得力が弱い、はてこれは本格なのか怪奇なのか、専門家の間でも意見が分かれるところなのでアル(とのこと)、このままでは被害者が気の毒過ぎだから犯人を罰してもらいたいのは山々だけど証拠不十分はマチガイないとこなのよね、いまいち納得行かず(フィクションにはよくあることじゃないかって?まーね)


ヘレン・マクロイ

2014-09-27 23:15:58 | ミステリ
逃げる幻 (創元推理文庫) 逃げる幻 (創元推理文庫)
価格:¥ 994(税込)
発売日:2014-08-21

ミラーと違ってこっちは初対面じゃないかと思う、これもミラーと違って入手可能なのが多い、新刊(と言っても1945年初出)が出てたのでゲト
なるほどね、さう来ましたか、ナチスの生き残りが犯人(こう言ってもネタバレにはならんと思う)というのは個人的に普通ならあんまし感心しないネタなんだがこういう使い方ならありかも、何たって戦争が終ったばかしという時期が時期だし、こいつ(犯人)には何やら事情がありそう、言ってる通りの人間じゃないのかもとは何となく見当がついたけどでもまあ一応あっと言わされたかな、クイーンの有名な・・・おっと自粛

細かいツッコミを言えば一応理系の教育を受けてるハズのアメリカ人がオームの公式(I=E/R)を知らないのは解せん、また語り手が小数点の書き方にこだわってながら(そう言えばドットとコンマのどっち書く?私はたぶんコンマ、算数の教科書にはドットが書いてあった・・・ハズだけど思い出せぬ)、実際に書かれた$1,809.43(1809ドル43セント)という数字を見て何とも思わないのも変じゃないかな、さらに言うならジョニーという名前は・・・おっと自粛(あ、これ知ってるヒトにはバレるかも)

ともあれしばらく楽しめそうなのはめでたい

追記-バレついでに思い出した、川村二郎氏の「ブッデンブローク」では作者のお祖父さんに当たる男性(本名ヨハン)が通称ジャンなんだがホントにそうなんだろか、ヤンじゃないのかね、大昔そういう男の子が出て来る実話を読んだ気がするんだが


マーガレット・ミラー

2014-09-22 13:42:57 | ミステリ
悪意の糸 (創元推理文庫) 悪意の糸 (創元推理文庫)
価格:¥ 972(税込)
発売日:2014-08-29

けっこう読んでたのに彼女の名前がMillarでMirrorじゃないことに今日初めて気がついた、今やほとんど入手不可能なことダンナのロス・マクドナルド(こう言わんきゃ-いや言っても-通じんかも)と大差ないみたいね、どちらももっと評価されるべきだと思う、チャンドラーと同程度には・・・ってチャンドラーは探偵が主人公の純文だからなあ、世の中はミステリにきびしい
1950年初出、偶然ながらデュ・モーリアの「鳥」とほぼ同年代、訳が出るのは初めてらしい、タイトルのDo evil in returnはオーデンの詩

Those to whom evil is done
Do evil in return

から採ったとのこと、「悪をなされる者、報復に悪をなす」かな、ナチスドイツのポーランド侵攻に際して書いたというんだが、何となく悪意を感じるね、小説の内容はまさしくその通りのもので、オーデンも知らなかった(かもしれない)悪の因果を見事に表現してる、翻訳が「悪意の糸」とはまたすごいセンス(ホメてるつもり)

先ほどけっこう読んでると書いたが、またすごく感心したのもあったハズなんだが(いまいち犯人が気に入らなかったというかこの作者かなり根性悪だと思ったのもあった気が、だけどそれがどれだったのかはわからない)、かすかながら思い出せるのは「見知らぬ者の墓」だけかも(これが一番最近読んだハズ)、本作にちょっと似たところがあった(どこがって探偵がヒロインにはっきり思い入れてるとこが)

例によって(じゃない!!)怪しいヤツは一人しかいない、何でもなくても怪しいのにかなりアホでわざと(としか思えない)疑われそうな行動ばかりとる、あんまし怪しいからこいつはニセ犯人に違いないと断定するのにさしてスレッカラシである必要はない(と思う)、案の定ニセ犯人なのだが(ネタバレ)怪しい行動は別に真犯人をかばってのことではなかったどころかこいつが理性的に行動してれば犯罪を防ぐこともできたハズってとこがミソかな、犯罪が起きなきゃミステリにならないんだからね、つまり犯人も被害者なのかも-とオーデンの詩がバッチシ生きて来る、全く只者でない作者・・・

にしても「明日訪ねて来るがいい」とか「ここより先怪物領域」とか思わせぶりなタイトルのオンパレード、何で犯人すら思い出せんのかなあ?と書いてからAzonレビを見てたらちょっとだけ思い出したモノもあるような・・・でもそれがどれなのか今となってはナゾ(たぶん「明日訪ねて」だと思うけど)

追記-検索してたら「読んだハズなのに全く忘れてた」とおっしゃる方がおられて笑った、あまりの衝撃を封印しちゃうヒトは私だけじゃないんだね、にしても「鉄の門」、これか「殺す風」のどっちかが根性悪だったと思うんだが、「狙った獣」はひたすらに怖そう、読んでないハズないけどやっぱし忘れたなあ


ダフネ・デュ・モーリア傑作選

2014-09-20 11:33:29 | ミステリ
鳥―デュ・モーリア傑作集 (創元推理文庫) 鳥―デュ・モーリア傑作集 (創元推理文庫)
価格:¥ 1,080(税込)
発売日:2000-11

2日空いちゃったね
恋人-映画館で案内をしていた女の子が気に入って家まで送ろうとバスに乗った、何と彼女は終点で降りて墓地で寝るという・・・誰だって実は幽霊だったというオチを予想するよな、空襲が話題になってるし、でも違った、もっと恐くてまさに想像を絶する結末、全くムダというものがない構成、確かにタダモノじゃない作者なのだ
写真家-浮気するなら相手を選ぶこと、でも仲良くなってみなくちゃどんなヤツだかわからないもんね、珍しく殺人犯人に同情した、バレなきゃいいけどバレそうな予感・・・
-ツガイと読む、偏屈な老人とアホな息子の運命は?という話なんだけど原題のまま「オールドマン」の方がよくないかな、これだとタイトルでネタ割ってるような、いや途中で薄々見当はつくんだけどさ
裂けた時間-ちょっと散歩に出て帰宅してみたら家が知らないヒトたちに占領されている、警察も医者も全然自分を信用してくれない、読者には何が起きたかわかるがヒロインを含む登場人物には全くわからない、そらわからんよな、ここまでド非常識な設定されたんじゃ
動機-妊娠中の人妻が突然自殺、いったい何があったのか?実は彼女自分が誰なのか全く忘れてたらしい、日本ではちょっと考えにくいけどイギリスには(いやほとんどの国には)戸籍というモノがない、重婚だってやり放題とのこと・・・ってこの話のネタじゃないけどさ