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事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

老婆心的揚げ足鳥的リライト

2014-11-11 11:35:29 | ミステリ
ささら さや ささら さや
価格:(税込)
発売日:2013-09-11

やっぱ乗り移る前には一言断った方がよいんじゃないのかね?
まずは旅館にて
彼「実はオレもう死んでるんです、お嫁さんには見えてません、晩飯が1人分だからって文句を言わないでください」
お夏(女将、富司純子の役)「なるほどそういうことね、言いませんよ、今だってモウロクしかけてると思われてるんだから」
(というやりとり実はあったけど略されてるとした方がお夏さんの行動にスジが通ると思う)

郵便配達に
「頼む、君の身体貸してくれ、オレ実は幽霊でみんなには見えてないんだ」
(たぶんこれもあったハズ、こう頼まれて断るヒトがいるとは・・・思う?私は思わんけど)

息子の帰りを待つ隣のオバハン(山野邊夫人)に
彼「あの、時々話しに来てもいいですか、幽霊は孤独なんです」
山「どうぞ、何もお手伝いしなくていいんですか、奥様に伝言とか」
彼「その時になったらお願いします、何せ一回きりなんで」
山「???」
(この時はとりつかない、さほどの緊急事態とは思われぬ上はっきり言って男手は不用だった)

誘拐犯人が現れたその時は断ってるヒマもなかったかもしれないが
彼「呼ばれたのはバンのハズですよ、何でセダンに乗って来るんですか、それも都内ナンバーの」
珠ちゃん(お節介な婆さん、藤田典子の役)「何でこのヒトがそんなこと知ってるんだろ?」
彼「ユウスケ君をどこへ連れてくつもりなの?」
犯人「病院ですが」
彼「どこの?鈴木さん(これもお節介な婆さん、波野久里子の役)が連絡してくれたとこじゃないわよね、あなたはそれがどこだか知らないもの」
珠「何でこのヒトがそんなことまで知ってるんだろ」
彼「そもお宅はユウスケ君が発熱したことをどうやって知ったのか、この家を盗聴してたからでしょう、手嶋さん(珠ちゃんのこと)、そこのヌイグルミを取ってちょーだい」
珠「あ、こ、これに盗聴器?でも何でお宅がそんなことまで知ってるの?」
彼「サヤさんもサヤさんです、こんな怪しい男を疑わないでどうしますか、そんなことで子供を守れますか、ホントに馬鹿ッサヤなんだから」
サヤ「あ、あなた・・・」
お夏「サヤさんお待たせ、ああ珠ちゃん、ユウ坊をどこへ連れてけばいいの?」
彼(犯人に)「ゲームオーバーだな、この盗聴器を持ってさっさと消えれば誘拐未遂は不問に付してやるぜ」
珠「キャ、キャラ変わってる・・・」

続き-サヤとユウスケ、二人の婆さんもいっしょに紹介された医院へ
医師「全く鈴木先生ってば子供が大熱だから診てくれってそれしか言わないんだもん、6ヶ月の赤ちゃんが初めての熱?若いお母さんはしかたないけど年寄りが雁首揃えて何騒いでるんだか、そんなん診なくてもわかる、チエ熱だよ、チエ熱」(今はこんな言葉使わんかも)
珠「でも私は昔、赤ちゃん亡くしてるから」(と続編で言っていた)
医「そっか、それは申し訳なかった、えっとお宅はお祖母さん?」
珠「いえ、隣の他人」
医「じゃ、そういうことでお大事に、時間外の初診で乳幼児・・・いくらになるのかな?」
サ「あの入院しなくていいんですか?」
医「必要ない、赤ちゃんは母親といるのが一番なの、それに何か頼もしい応援団が揃ってるじゃない」
サ「熱さましとか」
医「下げなくていい、子供は大人が思うほど熱を気にしてないんだ、3日経って下がらなかったらまた来てよ」
サ「み、みっかも・・・・?!」
医「そんなに驚かないの、ああ前途は多難っぽいなあ」
そういうこと、ものすごい重体みたいに書いてあったから私も騙されたけど実は誰でもかかる平凡な病気だったのでアル、にしても泣いてる赤ちゃんを1人でほっとくなんてそんな不人情な病院がホントにあるのかね?ありそうだからコワいけど

追記-そらもう元ネタのスリリングな展開の方が面白いに決まってる(これじゃ喫茶店のマスターがいいとこ見せれんくなっちゃうし)、だけどそのために子供を虐待同然の目に遭わせたり、もっと危険な状況に落としたりは許せん、肝心な時に親が子供を守れんなんてそんなストーリーを書く作者は許せん、私らの年代はそういうことに(つまり子供の危険に)若いヒトよりずっと感じやすいのかもしれないね


次は加納朋子

2014-11-09 16:38:53 | ミステリ
ささら さや ささら さや
価格:(税込)
発売日:2013-09-11

01年初出とのことだから家のどっかにハードカバーがあるハズだが探すのはまず不可能、故にソニーで購入する、ポイントがあるから¥200ほど払えばよくてお買得、イラストが昔のままってのはうれしい、ユウスケとにかくカワユイのである

お葬式に現れた幽霊(?)、自分が見えてるらしいお坊さん(同級生)の前へ現れる、「成仏ってどうすればできるんだ?」「知らん、死んだことはないからな」と常識的な会話の後、「オマエにとりついてやる」と言ったらホントにできちゃった、坊さんとして動けるししゃべれる・・・が他人の体だからすぐ抜けちゃったし二度とつけなかった(坊さんは彼が成仏したと思っている)
これが本作における幽霊の取扱説明、自分を見れるヒトにとりつけるが一人一回限り、以後つかれるヒトたちは故人を知らないのでいちいち「オレ幽霊です、よろしく」なんて挨拶はしない、考えてみればわけのわからん状況のハズだが本人たちは何とも思ってないらしい・・・(考えてみなくてもこれかなり変)

彼の奥さん(サヤさん)と赤ちゃん(ユウスケ)は伯母さんが残してくれた家へ引っ越した(この町が「ささら」)、頼りない上に方向音痴の奥さんにはいろいろトラブルも起きるがそこはよくしたもので世話を焼いてくれるお年より(複数)もいれば若い友人もできる、だが彼の両親と姉さんがユウスケを(たった一人の跡とりとして)狙っている、さて幽霊の彼にできることは?

途中までは文句ない、駅長になってちょっとしたナゾ(方向音痴にはよくあること)を解く、旅館の婆さんになって奥さんを救う(まさしく緊急避難、これ忘れてた、かなりド非常識だから)、郵便局員になって混乱を収める(こういうのが作者の面目躍如な日常のナゾ・・・だったんだよな、最初の頃は)、何としゃべれないハズの幼児になって誘拐事件を解決

なんだがいよいよクライマックスってとこがちょっと気に入らない、初めての発熱でいくらあわててたからって(いや初めてなればこそもしやあれでは?と落ち着かなきゃいけない状況で・・・と言っても初心者にはムリかもしれんが)、あっさりユウスケをかっさらわれるとは、危機も危機あんまし危機過ぎではないか、ここは絶対「隣の婆さん」を切り札にとっとくべきだった、前の章で使っちゃうべきじゃなかった、あの時は必ずしも彼が必須という状況じゃなかった(他に手助けはいくらもあった)んだし、その件がなくてもその章のラストはありだったんだから(ちょっとわざとらし過ぎとは言え)

そらこうしないと彼がユウスケにとりつけないということはあるかもしれんがだったらとりつかんでもよかろう、6ヶ月の赤ちゃんをしゃべらせるのは不可能(3歳児とはわけが違う)だしケイタイのキーを押すのもむつかしいと思う、どうしてもとりつきたきゃ自分で歩けるようになってからでもよかったんじゃないか、そんな小さい(それも発熱してる)時にとりついて息子のアタマを壊しちゃうかもしれん可能性を考えもせんかったわけ、テメエはホントに親か?!などとツッコミどころ満載なわけなのよ・・・・・

誘拐犯人「お迎えに来ました」
彼(寝巻にハダシの婆さん姿)「お待ちなさい、貴方は誰です、病気の赤ちゃんをいったいどこへ連れて行くんですか?!!」
これまでの状況にこだわるんだったら絶対こうだと思うんだがなあ

なんてね、こういうのを老婆心というのかもしれんけどな

11/10追記-もちろんこのままの実写化は不可能、アニメ化したら親から袋叩きにされる(と思ったけどAzonレビを見る限り叩いてるヒトいないね)、109で大型ポスターを見て婆さんたち(彼女らだけは名前わかる)がイメージピッタシなので「ドヒャ、あれをいったいどうやって?」と仰天したわけなのであったが・・・評判によればなかなかうまく料理されてるのかも(まるっきし違う話みたいだけど)、見てみるかなあ


久々の(でもないか)西尾維新

2014-11-07 16:53:06 | ミステリ
掟上今日子の備忘録 掟上今日子の備忘録
価格:¥ 1,350(税込)
発売日:2014-10-15

アニメでも人気の物語シリーズに(ほとんど)触れてないもんね、ハーレム小説の一種だということ以外は
で、これはオーソドックスにミステリと言いたいところだがこの探偵「眠る度に記憶がリセットされる」という普通なら(特に私みたいな居眠り名人には)「よくそれで生きてられるなあ」と言いたくなるトンデモ設定、セキュリティ完備の自宅兼事務所に住んでるというんだが自分が家に入れなくなるってことはないのかねとヒトゴトながら心配
さて事件の内容は
データの入ったSDカードはどうやって盗む?なるほどそういう方法が・・・ってあれこわれやすいんだがなあ
マンガ家の仕事場から札束が盗まれた、「犯人は誰?」はナゾじゃない、場所が場所だけに怪しいヤツは決まってる(そう貴方が今思いついたそのヒト)、問題はお金としてではないお札の使い方、これはちょっと思いつかないというかそらないのではというか・・・
作家の別荘で小説の原稿を探せ、これまたちょっと思いつかない・・・じゃなくてムリあり過ぎ、そこ(ネタバレ自粛)へ本1冊は入らんのじゃないかと思うけど(若いモノは知るまいが私は実際に使ってたのだ)
突然亡くなった作家は自殺だったのか?答えは作品の中にある-と全作読破にチャレンジする探偵だったがいかに何でもそらムリだよ・・・多くのシリーズを持つ作者、本のタイトル99冊と22のシリーズ名を考えるの絶対楽しんでやってたろうなと思う、解決のヒントが1つ足りないと思うんだが紙のウラオモテを使ったんだろか(わけわからんと思うけどネタバレ自粛)

名前すら本名じゃなさそうなナゾだらけのヒロイン、まだ続きがあるそうで楽しみである

11/8追記-と書いてから気がついたが彼女がホントは何者であるか推測するのにさほどスレッカラシである必要はないように思う、作中にヒントはいくらでも示されてるし、ただこのヒトはシリーズどうしをくっつけることがほとんどない(いーちゃんが零崎にチラと逢ったくらい)ので他人の空似なのかもしれないなと・・・


ロアルド・ダール

2014-11-01 11:17:17 | ミステリ
キス・キス (異色作家短編集) キス・キス (異色作家短編集)
価格:¥ 2,160(税込)
発売日:2005-10-07
キス・キス キス・キス
価格:(税込)
発売日:2005-10-15

ソニーのポイントが昨日で切れるのであわてて購入した、約30年ぶりの再読、「牧師の楽しみ」と「ローヤルゼリー」(確か昔はロイヤルジェリーだったハズ)以外は忘れてた、ブロックと同じ、オチで読ませる作家だし確かハリウッドで台本を書いてたのも共通だけど明らかに違うところがある、一言で言うとこっちは「クドい」のである、クダクダと書き過ぎ、読者がイラついて作者をひっぱたきたくなった頃にようやくオチ、それで「アッハッハ」になることもあるが「そんな、ヒド過ぎ」あるいは「何それ?」ってこともある、何と言うか・・・はっきり言って「ヤな野郎」なんだよな、「サイコ」の作者がいかに偉大か改めて確認できたと思う、あ、電子版は解説がないのも難、もっとも解説なんか必要ない作品かもしれんが

そうそう、集中1の名作は「誕生と破局」(発表時は「すばらしいお子さん」だったと記憶あり)、これも忘れてなかった、このオチを生かすためなら少々クドくてもしゃあないやね

「アッハッハ」と終わって後から「そんな」になったのは「天国への登り道」、ネタバレを避けると何も言えなくなるけどとにかく「わからんことはないけどそこまでするか?」、「牧師の楽しみ」もそうだけどこういうのを喜ぶヒトってちょっとだけ想像力を欠いてるんじゃないかという気がするよ
ジョージー・ポーギー」-オチは記憶にあったし読んでるうちに内容の一番ショッキングなところも戻って来た、やっぱクドいよな
」-クドいもさることながらあんましカワイソ過ぎて何にも言えなくなる主人公、こういうのも自分は記憶から消しちゃうのだなと納得
ほしぶどう作戦」-「アホか、テメエらは!!」と思いっきりどなりつけたくなるタイプの主人公たち、カワイソ過ぎはもちろんNGだがアホ過ぎもダメってこと、いや「」の主人公ももちろんアホだけどこれは自分の責任じゃないもんね、全面的に作者が悪い、あ、こういう時は一言だけ言えばよいんだ「根性悪!!」
ま、そういうのが好きな方はどうぞ

11/2追記-「ローヤルゼリー」(これ一番長い)再読、思ってたほど悪い感じじゃないかな(特に奥さんのアホっぽさは)、このヒトこういうSFチックなものも書いてたんだ、でもなあ、ミツバチにローヤルゼリーを「作らせる」のは不可能なハズだし(それを言っちゃあオシマイなのはわかってるんだが)、いかに何でも「バケツに何杯」はないだろ、それにもましてローヤルゼリーは大型動物の不妊に全く効かないって当時すでにわかってたと思うんだがなあ・・・(あ、これネタバレ、だけどかまうもんか!)

もう一つ追記-最近は何でも調べればわかる(調べ方さえわかれば)、ローヤルゼリーの主成分は成長因子と呼ばれるタンパクホルモンの一種、これで女王バチの生殖器が発達する、このモノの働きは大型動物の性腺刺激ホルモンと全く違うし、そもヒトがタンパクを口から呑んだって効くわけはないのでアル、いやそれを言っちゃあオシマイなのはよーくわかってるんだけどさ・・・

やけでもう一つ-ヒトの不妊にはヒトの性腺刺激ホルモンを使う(注射)、呑んで効くのもある(と思う)けど別物

最後に1つ-解説は阿刀田さんだったとのこと、やっぱ損した、安いにゃ安いわけがある!!


タイトルの勝利

2014-10-21 14:41:12 | ミステリ
幽霊の2/3 (創元推理文庫) 幽霊の2/3 (創元推理文庫)
価格:¥ 929(税込)
発売日:2009-08-30

これは全くその通りの意味、どう勝利なのか何を言ってもネタバレになるから何も言いようがない、だけどそんなら「ヤラレタ」かというとそれがちょっと・・・であるのだにゃ

本作一番のナゾは犯人でも犯行方法でもない、ある人物が何者か?ということなんだが、怪しいヤツというのはしばしば「知らないハズのことを知ってる」あるいは「その人物であれば知ってて当然のことを知らない」ために怪しまれることになる、でもってこいつは(相矛盾する)その両方なのだ、しかも「知ってたこと」は必ずしも「普通人が知ってるハズのないこと」じゃない(と私は思う)、一方「知ってて当然のこと」は・・・これ日本語の弱点(?)だと思うけどけっこう特殊な専門用語の意味が漢字を見れば知らないヒトでも(かなり正しく)推測できる(こともある)、英語でtibiaと言ったらそれが骨の名前かどうかすら普通のヒトにはわからない(と思う)、だけど日本語で脛骨と言ったらスネの骨に決まっている、腕をネジ上げたのに何でスネが折れるんだ、これ何かのジョーク?になっちゃうわけで、タネ明かしを訊けば意味はわかるものの・・・おっとこれ以上はネタバレ自粛

それともう1つは犯人がいまいちってこと、職業が***(伏字)だなんて作者の個人的なウラミが透けてるのじゃあるまいか?(あ、これネタバレかも)

さらに・・・事情を明かされてみるとこの被害者(複数)アホ過ぎじゃないか?と思うのは私だけだろか、ともあれ当分この作者は買うまい、そろそろ積読が山になって来たし

オマケ-「この小説はなかなかいいけどプロットがあるんです」(いいかげんに要約)、アハハハ、純文業界はどこも同じってね