担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

メロディ IC とスピーカー。

2013-03-31 00:37:23 | 工作・実習
メロディ IC に(発振回路なしの)圧電サウンダをつないだらいい感じに鳴る。

ではスピーカーをつないでみたらどうだろうか。

そう思いついて,手持ちのスピーカーをつないでみた。

生産が終了してしまったレアな半導体が結構手に入る鈴商に寄った際,薄型スピーカーを見つけたので,それもつい買ってしまった(他にもネオンランプを数本買ったのだが,いずれそれらも役立つ日が来るだろう。たぶん。)。

その薄型スピーカーは FDK のアルミスピーカー TS40S である。

誠文堂新光社の『カセット・ケース・クラフト』に載っている音を出す電子工作では,カセットケースに収めるため薄型のスピーカーを使用している。そのような作品のうち,カセット・おふろブザーやカセット・ドア・ブザーでは TS40R という型番のものを使用している。作品の図から,四角い角のついた square タイプではなく,角がなくて円い round タイプのものであることがわかる。鈴商にはそのタイプのものも置いてあったので,一緒に買った。

丹羽一夫著『作って遊ぼう!おもしろ電気工作』の電子オルガンでは TS40S を使用しており,部品表には「超うす型 TS40」と書かれている。当時,作品をコンパクトにするために薄型スピーカーを使用するのが流行だったことが偲ばれる。

これら二冊は少年時代の僕にとってのバイブルだったので,めちゃくちゃ薄いらしいオシャレなスピーカー TS40 は憧れのパーツの一つであった。

さて,圧電サウンダの代わりに UM66T-19 に,薄型ではあるけれども普通のスピーカーである TS40S を使用してみた。その結果,何の問題もなく「エリーゼのために」が流れてきたのである。


実は,直接スピーカーをつないでも聞こえないかもしれないと予想していた。だがその予想は嬉しくも裏切られたわけである。

もし鳴らなかったらどうするつもりだったかというと,スピーカーを鳴らす際の定番らしい山水のアウトプット・トランス ST-32 をつないでみようとおもっていたのである。

スピーカーの直付けで無事に曲が鳴るのを確認した後となっては,トランスを介してもちゃんと音が鳴るのかと,当初の目論見とは微妙に異なるスタンスで実験を試みることとなった。

線がごちゃごちゃしていて見づらいが,左下に ST-32 があり,右下が薄型スピーカー TS40S,そして電池のそばの3本足が伸びた小さな黒いものがメロディ IC である。

こうしても曲はちゃんと聞こえてきた。スピーカーを直接つないだときと音質・音量ともに特に変化がないように思われた。

山水トランスは他にもいくつか買ってあるが,面倒なのでそれらを試す気にはなれない。その代り,トランスの一次側と二次側を入れ替えてつないでみたり,中間タップの赤いコードにつないでみたが,結果はどれも同じように聞こえた。

というわけで,長年の謎であるアウトプット・トランスの役割は未だ謎のままである。

入力インピーダンスと出力インピーダンスを合わせるというのが目的なのではないかと思っているが,それがどういう意味かを全く理解していない。

ちなみに,ST-32 の一次側のインピーダンスは 1.2kΩ,二次側は 8 Ωであり,スピーカーは 8 Ωなのだが,これは直流抵抗値ではないらしい。実際,テスター CD771 で直流抵抗を測ってみると,

ST-32 の一次側:約 60Ω
二次側:約 1Ω
スピーカー TS40S:4.8Ω

であった。トランスもスピーカーもコイルからなる素子であるから,インピーダンスというのは導線の持つ直流抵抗と,コイルとしてのインダクタンスを合わせた交流に対する抵抗値のことを指すのだろう。このあたりのことは不勉強なので,おいおい学んでいくつもりである。
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メロディ IC と圧電サウンダと圧電ブザー。

2013-03-30 23:54:36 | 工作・実習
千石電商に AM ラジオ専用 IC LMF501T を買いに行った折,その IC のすぐそばにメロディ IC も置いてあったので,つい買ってしまった。

櫻井俊一著・たちもとみちこ作品デザイン『電気のしくみを体験!子どもと一緒に電子工作』(CQ出版社)の「第4章 海水で電気をつくる発電所」に,備長炭で作った電池で電子オルゴールを鳴らすという話があり,気になっていたのである。

僕が子供の頃にすでに電子オルゴール用の IC はいろいろ出回っていたが,なぜだかそういう便利なものを利用するのは邪道だ思って敬遠していた。といいつつも,ワンチップの電子オルゴールキットを作った覚えはあるが。

千石電商で買ったのは UM66T-19(エリーゼのために)と UM66T-68(イッツ・ア・スモール・ワールド)である。千石電商の通販サイトではなぜか型番が M66T と表記されているが,ともかくそれである。

1.5V の乾電池と圧電サウンダをつなげればそれでおしまい,というお手軽さ加減にしびれてさっそく鳴らしてみた。

圧電サウンダとしては,基板に差し込めるタイプのものを秋月電子通商で買ったので,それを使うことにした。

ところが,である。

確かにそれらしきメロディが鳴るのだが,想像していた感じよりも暗い曲調で,音がひずんでいる印象を受けた。電池の電圧が低いのかと思って新しいのに取り替えたが結果は同じであった。

しょせんワンチップのお手軽電子オルゴールなんてこんなもんか,と落胆したが,リード線タイプの圧電サウンダに置き換えてみた。


すると,なんということでしょう!


極めてクリアーなイメージ通りの音が聞こえてきたのである。セラミック・イヤホンで鳴らしてみたが,同じようにクリアーな音が響いた。

一体何がいけなかったのか。

待てよ,そういえば最初に試した圧電サウンダには,なぜかパッケージに + のマークがついていたっけ。

もしかして・・・?!

最初に使った圧電サウンダに,極性に注意して電池だけをつないだ。


すると,なんということでしょう!


ピーという済んだ音が聞こえてきたではないか。

つまり,こういうことである。

僕が圧電サウンダだと思って買ってきたのは,発振回路入りの圧電サウンダ,いわゆる圧電ブザーだったのである。

いやー,メロディ IC と圧電ブザーをつなぐというのは双方にとっての御法度であるが,両方とも壊れないでくれてよかった。

商品をよく確かめないで買うとこういうことになる。ちゃんと型番を調べて買い求めるべきだった。

まあ,圧電ブザーを使う予定もあったので,無駄な買い物だったわけではない。
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センター試験・生物I に挑戦。

2013-03-30 01:10:30 | 学習法
思うところあって,今年は高校生物(ただしそのうち,旧課程の『生物I』のみ)を勉強しようと思い立った。

平成25年度のセンター試験が行われたころに,とりあえず平成24年度の本試験問題にチャレンジしてみた。

試験時間は60分であるが,50分ちょっとで解答が完了した。物理Iと化学Iは比較的最近に解いた経験があるが,生物分野のセンター試験に挑戦したのは,これが人生初である。

細胞の各部分の名称や植物の分類,花の各部分の名称など,小中レベルの生物の知識すらほとんどない。もちろん過去に習ったはずだが,ほとんど記憶に残っていない。名称を覚えるという暗記物は大の苦手である。それはもう,胸を張ってそうと言えるほどである。エッヘン。

ただし,高校一年の一年間は生物を学んだ。母校の方針で,物理・化学・生物・地学の理科全分野を生徒全員に学ばせることになっていたのである。ちなみに,地学もほとんど覚えていない。地震に P 波と S 波の二種類があることと,モホロビチッチ面という,一度覚えたら容易に忘れることのない用語だけは記憶に残っている。地学も鉱物や断層の名称,古代の時代区分など,暗記物だったという印象しか残っていない。だから記憶にないのは当然である。エッヘン。

というわけで,僕の生物に関する知識がどの程度のものなのか,ある程度の見当はついたことと思う。ただ一つ付け加えておくと,高校の生物の先生から聞いた,当時流行っていた R. ドーキンスの「利己的遺伝子説」に非常に興味を覚えて関連書籍を少しだけ読んだことがあること,社会生物学という分野にも興味を覚え,E.O.ウィルソンの本の翻訳の背表紙を図書館で眺めていつか読みたいとため息をついていたことも付け加えておこう。あ,あとローレンツの『ソロモンの指輪』にも強く憧れたものである。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』もたぶん読んだ。今西錦司の「今西進化論」は気になっているものの,ちゃんと勉強したことはない。そういえば,大学に入りたての頃に『ゾウの時間・ネズミの時間』の著者である本川達雄先生が担当された NHK 教育の人間講座だったかなんだかを受講して,課題のレポートを添削していただいたことがあったのを思い出した。懐かしい思い出である。オパーリンの唱えた生物の起源のイメージはよく夢に出てきたし,原始地球の大気組成で放電によってアミノ酸を合成したというミラーの実験も強く印象に残っている。オカルトにはまっていた少年時代は,カール・セーガンの宇宙人の存在確率の導出公式にも興奮を覚えたものである。科学小説『コンタクト』が映画化されるよりも前に地球外知的生命体探査計画の SETI は知っていた。子供の頃は昆虫博士を自認していたが,ファーブル昆虫記は読まずじまいだった。シートンの動物記も名前は知っているが手に取ったことはない。ダーウィンとウォレスの代表的著作の翻訳が岩波文庫で出ていることを知って買ってはみたものの,全然読んではいない。NHK の世界生き物紀行とかいう感じのタイトルの,野生生物の生態を紹介する番組は大好きなテレビ番組の一つだった。シュテュンプケの『鼻行類』は人に薦めたい本の一冊である。

案外,生物学に関する思い出をたどり始めたら,次から次へといろいろなことが思い出されてしまって,一つだけ付け足すつもりが,そうではなくなってしまった。

実は結構本気で生物学を専攻しようかと思っていたころもあったような,ないような。心理学を補完するサル学にも興味があったし,生命の起源や進化論にも強い関心を抱いていた。日高敏隆氏の著作も何冊か面白く読ませていただいた。

ともかく,僕は生物学は好きなんだけど,学校の授業はからっきしダメ,という残念な生徒であった。生物学から離れて二十年ほどが経過した今,当時残念な学生だった人間がどのくらいの学力を保持しているのか。これぞまさしく真の実力試験である。もちろん,試験勉強などは一切していない。

もったいぶるのはここまでにして,自己採点結果を述べよう。

ジャジャーン!

平成24年度本試験の自己採点結果は,41点でした。

大学入試センターの公式発表によると,平均点は 64.00 点だそうなので,全然ダメな感じである。

問題を解いていたとき,知らない用語ばかりが出てきて何度投げ出しそうになったことか。特に,物理Iでは第4問までしかないのに,生物Iでは第5問まである。そのことに気づいたときは絶望感に襲われた。

どの選択肢を選べば良いかわからない不安におびえなければならない時間はいつまで続くというのか・・・!


それから二カ月が経過した。やはり何の準備もしないまま,今度は平成25年度の本試験にチャレンジした。50分そこそこで解き終わった。

自己採点結果は 47 点。

僕の実力はセンター試験 40 点台だということは,これでほぼ確定である。50点には届かなそうである。

平均点は 61.31 点とのことで,平均点が平成24年度よりも悪かったにもかかわらず,僕の得点は上がったわけである。まあ,これはたまたまだろう。


物理Iの経験から,センター試験の理科は教科書をしっかり読み込めば対処できると信じている。そこで生物Iの教科書をとある大学の図書館から借り,四日間かけて平成25年度の問題に関する箇所を勉強した。だが,期待は裏切られた。教科書にセンター試験の問題の正解がすぐにわかるような「そのまんま」の記述はあまりなかったのである。いくつかの文章で述べられている事実を組み合わせて正誤を判断しなければならない問題がほとんどであった。そういう意味では,教科書をただ読んでいるだけではだめで,そこから得た知識を組み合わせて正しく推論し,判断する能力も要求されることがわかった。センター生物は思ったより手強いのである。

なお,用語の意味がわかっていないと正解できない問題など,知識があるかないかが問われる問題の正答率は当然のごとく低いが,実験結果の表やグラフを読み解く問題は生物の知識がなくとも論理的な思考さえできれば正解できるものなので,そうした問題には楽しめた。グラフを読み解くのは子供の頃は苦手だったが,機会があるごとに意識して訓練するようにしてきたおかげで,その手の問題は逆に得点源になっていたようだ。あとは以前よく視聴していた健康番組から学んだ知識もときおり役に立った。

要するに僕はこれまでの人生で培ってきたことを総動員して試験問題にアタックしたわけである。その結果が得点 4 割だったというのは,高いんだか低いんだか,それとも,まあそんなもんなのか,全くわからないが,教科書からごく一部のトピックスに関してだけとはいえ,知識を仕入れた今,他の年度の試験を解いてみて,50点以上を取ることができたら,学習の成果の表れだと言ってよいだろうと思う。

近いうちにその機会をもちたいものである。
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フォト・トランジスタとリレー。

2013-03-29 23:59:29 | 工作・実習
西田和明著『たのしくできるブレッドボード電子工作』(東京電機大学出版局)は電子工作初心者向けの一冊である。C-MOS IC 4000 シリーズを使用したデジタル回路が中心だが,トランジスタのみを使用した基本的な回路もいくつか紹介されている。今回はそのうちの一つ,トランジスタ2石をダーリントン接続してフォト・トランジスタの感度を高めてリレーを駆動する,製作編 11.「フォト・トランジスタを使用した光センサ」の実験レポートである。この回路はロジック IC を使っているわけではないが,光学的なスイッチで ON/OFF を行わせるという点では,アナログというよりデジタルな動作がテーマである。

実際に回路を組んだのは二週間ほど前のことである。その時は一気に3つの回路を実験したので,レポートを書く気になれずにずっと放置してしまっていた。自分の配線ミスと,初期の版の本にあった誤植に悩まされたという話はすでに書いた。ここでは写真と自分で試みた小さな改変についてだけ紹介する。

この本ではブレッドボード上の部品とジャンパ線の配置の仕方が図解されているので,それを見れば自分で回路を組み上げるのは簡単である。ありがたい配慮である。僕は趣味でミニ・ブレッドボードを使用したので余計な配線が必要となったが,パーツのレイアウトは本の図を大いに参考にした。本で紹介されているのは,LED をリレーの NC 端子につなぎ,フォト・トランジスタに光が当たっているときに LED が点灯し,光がさえぎられたときに LED が消灯するようにしたものである。僕はまず本の通りにつないで動作を確認した後,LED を NO 端子につないで動作を逆にさせてみた。本文にも,接続する装置の使用条件に合わせて接続する接点を選ぶようにすると書いてあったので,僕がやったことは著者の想定の範囲内であった。

他の本でも回路に必要な部品のリストが載っているものだが,この本の特色は,どの長さのジャンパ線を使用したかのリストまで載っており,初心者への配慮が感じられる。

十分な明かりのもとでは LED は消灯している。左下隅にある丸い緑色の小さな LED のようなパーツがフォト・トランジスタである。


左下隅のフォト・トランジスタに届く光を指で遮るとリレーがカチッと作動して LED が点灯する。


もとの回路ではフォト・トランジスタの感度を調整するために,それに接続されている抵抗をボリュームにしているが,この回路を試したとき手元にボリュームがなかったので,値の異なる抵抗を差し替えて調整した。写真はフォト・トランジスタのエミッタ抵抗を 470kΩ にした場合のものである。

この回路一つを知っているだけで,フォト・トランジスタとリレーの使用法が同時に学べる。暗くなったら明かりが点くというのは十分に実用的であるし,リレーを用いて大電流を必要とするモーターなどを駆動することもできる。応用の幅がかなり広がる,おトクな回路である。

いつか使ってみたいと子供のころから思っていたフォト・トランジスタとリレーを同時に味わうことができたので,満足のいく一品であった。
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Arduino で POV.

2013-03-28 23:38:24 | 工作・実習
せっかく Arduino の動作を確認したので,夜の暗いうちにと『武蔵野電波のブレッドボーダーズ』の「Section 11 残像表示装置 POV」に挑戦することにした。

これは,Arduino に,LED と抵抗を並べた外部装置をつなぐのもなので,まずその準備をした。

次に,スケッチと呼ばれる Arduino のマイコンに書き込むプログラムを本の通りに(といいつつも,コメントまで入力するのは大変なので,必要なコードだけ)打ち込んだ。
スケッチは C 言語に似ているが,Java なのかもしれないが,プログラミングについてはど素人なので詳しいことはわからない。

スケッチが間違っていないか検証させてみると,エラーが出た。いくつか,かっこの打ち間違いなどのミスを見つけて修正したが,それらが原因ではなかったようで,同じエラーメッセージが出てコンパイルできない。

ヘルプを参照したり,いろいろ調べたがわからなかった。本のソースコードが間違っているのではないか,Arduino ソフトのバージョンが違うせいで動かないのではないか,とさえまで疑ったが,なんのことはない,# を付けない行の冒頭に誤って # を書いてしまうという自分のミスが原因だった。それを修正したらめでたくコンパイルが通った。

電気を消して,こんな装置を暗闇の中で振り回すわけだが,やりにくいことこの上ない。『武蔵野電波のブレッドボーダーズ』ではブレッドボードに差し込めるタイプのマイコン・ボードを使用した作例を紹介しているのだが,そうではないタイプを買ってしまったので仕方がない。


初めは複数の LED がまぶしく点滅しているのがわかるだけだったが,視点を一か所に固定したまま LED の載ったボードを横にスライドさせるというコツがつかめて,どうにか光の残像が「ニャニャニャ・・・」と読めた。

ニャという文字は,LED のボードを左から右に動かしたときに描かれる。右に降ったものを左に戻す帰りは,ニャの字を鏡に映した鏡文字になって見える。

なるべく LED ボードを自分から遠ざけて動かした方がよく文字が読み取れることがわかった。

さすがに夜も更けたことだし,別の絵柄用にビットマップデータを考えて打ち込むほどの気力はなかったので,POV の実験は点滅時間を少し遅く (10ms) してみただけで終えることにした。

ちなみに,Arduino の動作確認として最初に実行した Blink について,この本には点滅速度を変えてみましょう,という教育的な配慮が書かれていた。みな考えることは同じなのである。

この実験は,「ニャ」という文字を浮かび上がらせるというセンスもすごく気に入ったので,必ずやってみたかった。成功して満足である。
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Arduino がやってきた。

2013-03-27 23:52:23 | 工作・実習
3週間前に買ったきり,ある場所で保管してもらっていた Arduino をようやく引き取った。

若松通商オリジナルのエントリーキットと,SWITCH SCIENCE 社の「Arduino をはじめようキット」の二種類が手元にあるが,とりあえずはじめようキットに入っていた Aruduino UNO を PC につないでみた。


Arduino UNO ボードは想像していたよりもずっと小さい。

これらのスターターキットには USB ケーブル(A オス・B オス)がついていないので自分で買う必要がある。最近学んだことを活かし,USB ケーブルは100均ショップで手に入れた。

公式サイトの Download ページで Windows 用のファイル arduino-1.0.4-windows.zip をダウンロードし,展開した。

公式サイトの Getting Started のチュートリアルに従ってドライバのインストールを行った。Windows7 での手順は次のようなものである。デバイスドライバーをインストールする手順がちょっとチュートリアルと違ったので,ここに顛末を記しておく。

まず USB ケーブルで Arduino とPCをつなぐ。チュートリアルに書いてある通り,Arduino ボード上で緑色の LED が点灯する。ついでにオレンジ色の LED もなんか点滅している。

Windows のスタートメニューからコントロールパネルを開き,「システムとセキュリティ」をクリックし,その中の項目「システム」から「デバイスマネージャー」を開く。チュートリアルにはこの段階で「ポート(COM と LPT)」という項目が表示されるとあるが,僕の環境ではその項目が見当たらず,代わりに「不明なデバイス」という項目があったので,それをクリックして開いた。

その結果移った表示において「ドライバーの更新」と書かれたボタンを押し,「参照」を押してダウンロードファイルを展開したフォルダをフォルダリストから選択する。そうするとドライバーをインストールするかきかれるので,OK ボタンを押す。そうして無事,デバイスドライバーのインストールが完了した。チュートリアルには ArduinoUNO.inf というファイル(info ファイル?)を開くなどといろいろ書いてあるが,もっとすっきりした手順で済んだみたいだ。

ダウンロード・ファイルを展開したフォルダ内の Arduino.exe をダブルクリックすると,めでたく Arduino ソフトが立ち上がる。

ありがたいことに,Arduino のメニューはばっちり日本語化されている。

「ファイル」メニューの「スケッチの例」から,"01. Basics" の中の "Blink" を選ぶと,新たなウィンドウが開く。

次に「ツール」メニューの「マイコンボード」を確認すると,最初から僕がつないでいる Arduino UNO にチェックがついていた。

もう一度「ツール」メニューを開き,今度は「シリアルポート」の項目を見てみると,PCに他に何もつないでいせいだと思うが,COM3 というシリアルポートだけが表示された。

Aruduino のメニューの下のツールバーに置いてある「→」の絵がついたボタン(マウスのカーソルを置くと「マイコンボードに書き込む」という説明文が表示される)を押すと,なぜだか「COM1がありません」というエラーメッセージが出て,どのポートを選ぶかきかれた。他のポートを選ぼうにも COM3 しか選択肢がないので,よくわからないままに OK を押した。チュートリアルでは,OK のあとしばらくするとマイコンボード上のオレンジ色の LED が点滅を始めると書いてあるが,最初につないだときから別段変わった様子はない。どうやら,買ったボードの初期設定ですでにこの Blink スケッチが書き込まれていたようである。

これではプログラムの書き込みがうまく行っているのかどうか,実に心もとない。他の例を試してみたいところだが,公式サイトの説明を見てもよくわからない。そこで,Blink スケッチを少し改変してみることにした。

スケッチには随所に親切なコメントがついており,それを読めば各コマンドがどういう機能を持っているか,大体の見当がつく。

delay と書かれたコマンドが二か所あった。点灯時間と消灯時間を設定する命令に違いない。もとの数値は両方とも 1000 だったので,両方 50 に変えて,マイコンボードに書き込んだ。

すると,最初からずっとゆったりとしたペースで点滅していたオレンジ色 LED が,チカチカチカチカと速いペースで点滅しだした。

写真ではわからないが,○○ Arduino と白い字で書かれたマークの左側で小さくオレンジ色に光っている LED があるのがわかるだろうか。


これでようやく入口に到達した気分である。


我が家へようこそ,Arduino!


おっと,いけない。どうやってボードを外すのか,重要なことがわからない。

とりあえず Arduino のアプリケーションを終了した。タスクバーを見ても特に Arduino のマイコンボードを表す表示らしきものは見当たらない。終了処理というものをしなくてもよいのだろうか。とりあえず USB ケーブルを引っこ抜いてみると,USB 機器を外した時に鳴る「カコン」というチャイム音がした。もう一度差し込んでみると,Arduino のオレンジ LED が先ほどと同じ速いペースで点滅し始めた。先ほど書き込んだスケッチが実行されているということだろう。

終了処理をしなで USB コードを抜くというのは気持ち悪いが,真相が判明するまで当分そういう使い方をすることになりそうだ。もちろん,マイコンボードへの書き込み作業中は勝手に抜くのは厳禁だろうから,それだけは気を付けることとしよう。Arduino アプリケーションを閉じてから抜くのが安全だろう。


Arduino を使った実験・測定・制御の例は,本やネットにたくさんの情報があるが,オシロスコープとして使うのが夢の一つなので,さっそくそうした使用法を解説したサイトで勉強させてもらおうと思っている。
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ちょっとしたコレクションのお披露目。

2013-03-27 00:12:02 | 工作・実習
長かった春休みもほぼ終わってしまった。

ぼちぼち,まじめに取り組まないでほったらかしにしてしまっていたいくつかの仕事と向き合わなければならない。

そんなわけで,これまで猛烈な勢いで書き散らしてきた電子工作関連の話題はしだいに減っていくことになりそうである。

とりあえずけじめとしてまだ記事にしていなかったネタを綴っていくとしよう。

今回は,自分が何かをしたという話ではなく,単にお金を出して買いそろえたパーツのお披露目である。

大きいブレッドボードは一枚あれば十分だし,立派な奴は数千円するし,置き場にも困るので,気軽に買い集めるわけにはいかない。

けれども,極小サイズのブレッドボードは比較的安価だし,バリエーションも豊富なのでついコレクションしたくなる。

そうやってコツコツ集めたのがこれである。

どう見ても同じ型の製品にしか思えないのだが,メーカーは2社である。その辺の事情は興味がないので調べていない。

下段の青,白,黒と,上段左のスケルトンは秋月電子通商でゲットした。
千石電商で赤と緑を見つけた時は一も二もなく即買いした。

黄色や橙,いっそのこと紫や茶色,さらには灰色もあれば申し分ないのだが,作られていないのかもしれない。
あるいは,チェック柄やファンシーな柄をプリントした,実際には使いづらいに違いないが,見た目重視の商品もあれば面白いのだが,さすがにそういうのはないだろう。けれども限定モデルとか銘打って生産されないものだろうか。
赤いスケルトン(Clear)もあるらしい。まさに "the coolest looking" である。シビれる!(死語?)どこかの店で出会えるのを楽しみに待つこととしよう。

『武蔵野電波のブレッドボーダーズ』に紹介されていたのを見て,絶対買おうと心に決めていた商品の一つである。

喫茶店なんかでこんなオシャレなボードと小さな袋に入れたパーツをおもむろに取り出して,LED がチカチカ点滅する回路を組んだら,なんかすごくカッコよくない?

ときどきそんな夢想にふけるのだが,急に何がしかの怪しい装置を組み立てるというのは不審者以外の何者でもないか,と首を振って妄想を終えるのが常である。下手をすると時限爆弾を組み立て始めたと思われかねない行為なので,なかなか実際に踏み切れない行為なのだが,『ブレッドボーダーズ』111ページにスタバでブレッドボード・ラジオで受信したというエピソードが証拠写真(?)付きで載っていた。やはりやる人はいるんだな,としみじみした次第である。
ちなみに,人の少ない電車の中で回路を黙々と組んだことはある。マルチバイブレータなどの回路をそらでスピーディーに組み上げるというのは,なかなかの暇つぶしであるし,挑戦し甲斐のある遊びであろう。

これらのブレッドボードはオシャレであるが,電源用のラインがないのが玉に瑕である。もっと本格的な実験をするにはもう少し大きいものにしないと使い勝手が悪い。
IC をほとんど使わない回路ならば EIC-801 で十分だろう。

実際,『ブレッドボードで始める電子工作』ではこれのみで十分に組める回路を50例ほど紹介しているし,著者のサイトに行けばもっと多くの回路が掲載されている。
考えてみれば,高々10個くらいの端子しかない小さなラグ板に組める回路は極小サイズのブレッドボードでも余るくらいなので,EIC-801 でも大きすぎると言えよう。
ただ,デジタル回路は IC を何個も使ったそこそこの規模の回路が中心になるし,動作の様子を表示するために多くの LED を使ったりするので,EIC-801 1枚だけでは心もとない。

ちなみに,本物の EIC-801 は左端の白いブレッドボードである。真ん中のものはそれと同じデザインのユニバーサル基版であり,裏面はこんな感じになっている。

配線はブレッドボードに合わせてランドをつなげているが,ブレッドボードとは違ってカッターで削って絶縁することもできるので,ブレッドボードよりも配線をコンパクトにまとめることができそうだ。

この EIC-801 は秋月電子通商で買った。別の日にまた訪れて基板コーナーを見ていたら,真ん中の基板を見つけたので矢も盾もたまらず買った。これもオシャレな商品である。
もう一つのオシャレ商品である右端のスケルトンバージョンは千石電商でミニ赤・緑と一緒に売られているところを発見した。ただ,撮影用に7セグメント LED を光らせた際,端子が固くて抵抗のリード線が差し込みにくかったのが残念である。


本ネタのラストは山水トランスである。

写真に比較物を入れるのを忘れたが,なんとなく小ささは伝わるのではないだろうか。秋葉原のノグチトランスで購入したものである。二段目の左から ST-26,ST-30,ST-32 である。ST-30 は鉄心に刻まれた型番が読み取れると思う。
ちっちゃい,カラフル,たまらないの三拍子がそろっている。

三段目,一番手前においていあるのは他の店で手に入れた同等品たちである。ST ではなく,T だけだったり,ET と書かれていたりする。昔の電子工作の本を見ると SD というのもあったそうだが,それも探せばあったのかもしれない。科学教材社では KT 名義の同等品を扱っているようである。

電子部品たちはカラーコードがプリントされていたり,面白い形をしていたり,とにかくなんだか小さくてかわいらしかったりと,飾っておくだけでも目で楽しめるものがたくさんある。回路に組まなくても,インテリアとして飾っておくのも悪くないのではないだろうか。そんな楽しみかたもありではないかと思う今日この頃である。
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強気の選択。

2013-03-26 23:57:20 | 爺ネタ
一週間ほど前に,花粉のピークは折り返しに入ったという報道を目にしたので,マスクを着けずに外出する日が多くなった。

昨夜は気温も低く雨が降っていたので,花粉はかなり少ないだろうとたかをくくってマスクをせずに出かけた。

寝る前に花粉シーズンの慣習である目薬をさすか迷ったが,鏡を見てもそれほど目は充血していないし,かゆくもない。まあ大丈夫だろうとそのまま寝たのだが,それが間違いのもとであった。

四時間も寝ていないのに目がかゆくて目が覚めた。猛烈にかゆい。特に左目はかゆいだけでなくまつげでも入ったかのような我慢ならない異物感がある。

仕方なく起きだしてアイボンで目を洗浄し,もう一度寝た。次に目が覚めた時は目のかゆみと不快感はほぼおさまっていた。ただ,そこそこ目やにが出ていた。

マスクをしていても隙間から花粉が入り込んでいるに違いないし,格別症状が軽くなっているようにも感じない。日ごろそう感じていることもあってマスクをつけない日々が増えたのだが,やはり見えないところで花粉から受けたダメージが増えていたものとみえる。

そういえば,息苦しくなってマスクを外すとき,いつも頭の中で城オジたちが嘆願する声が響く。

「姫さま,マスクを,マスクをしてくだされーっ!」

今日も僕は強気でノー・マスク・デーを過ごしたが,この声が頭の中で常に鳴り響いていたことは言うまでもない。
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ブレッドボードによる電子回路入門。

2013-03-26 01:32:45 | 工作・実習
僕が目にすることができた本で,ブレッドボードを用いた電子回路・工作入門書について,こんな順序で読み進めるといいのかなぁ,と思うところがあるので,ここにメモしておく。

まず,電子工作の経験が全くないビギナー向けとしては,

スタパ齋藤・船田戦闘機共著『武蔵野電波のブレッドボーダーズ』(オーム社)

が最適だろう。全体的にオシャレな雰囲気が漂う本であるが,工具の選び方や用語の解説など,初心者向けの配慮が行き届いているという印象である。逆作用ピンセットはこの本で初めて知り,さっそく買った。はんだごてやテスターもこの本で進めている物を買ってしまった。もちろんパーツの買い方についても詳しい解説がある。

入門書という性格からは当然のことであるが,回路の動作原理の詳細な解説はない。その代り,いろいろな種類の電子部品を登場させて,この分野の奥行きの深さを余すところなく感じさせてくれる。特に一番最後に Arduino というマイコンボードが紹介されているが,Arduino の世界に足を踏み入れると世界は格段に広がることだろう。その可能性を感じて,Arduino スターターキット一式も買ってしまった。

この本で紹介されている作品は,ラジオやアンプといった定番のものをはじめ,自作コイルを用いた昇圧回路など,ちょっと珍しいものまで色とりどりである。ただ,デジタル回路の例と言えるのは Arduino を用いたものだけである。

電子工作の世界の全貌を概観し,可能性を展望するにはうってつけの一冊である。まさに入門書としてふさわしいと思う。


ブレッドボードでは部品の取り換えが容易なので,部品の数値を変えて回路の動作を調べる実験に向いている。そういった実験の結果を交えてかなり多くの回路が紹介されているのが,

橋本剛著『ブレッドボードで始める電子工作』(CQ 出版社)

である。ただし,全くの初心者を対象としたチュートリアルはほとんど書かれていない。ある程度電子工作の経験があり,もっとさまざまな回路を試してみたいという,入門者から初級者~中級者へと進もうと考えている人には格好の材料をたくさん与えてくれる。回路自体の種類は多いが,カテゴリーとしてはラジオと発振回路にほぼ限定されている。ロジック IC を用いた例もあるが,それはデジタル回路というよりも発振回路の一種である。著者のサイトにはこの本に載っているのとほぼ同じ記事が多く載っているが,そのほかにも興味深い回路の例がたくさんあるようだ。

第1部の準備編では,実験に使用するための部品のリード線の加工の仕方など,実験をスムーズに進めるための素晴らしい工夫が多数紹介されている。そのうちの一つである AM ラジオ用のバーアンテナのリード線の付け方は,下手に我流に走らず著者のやり方をそっくり拝借させていただけばよかったと後悔しているところである。穴あけなどの加工をしたアルミシャーシにブレッドボードを取り付けた,まさに実験装置と呼ぶにふさわしい装置の作り方も紹介されているが.僕はまだ到底そこまでの域に達していない。けれども,とてもカッコいい装置に仕上がっているので,憧憬の的である。


僕は発振回路に関心を寄せているが,このサイトにある「ネオン管発振回路」の記事にも強く惹かれる。ちょうど小さなネオン管をいくつか買ってあるので,それらを活用するいい機会でもあるので参考にさせていただこうと思っているが,とりわけネオン管2個の点滅回路の実験レポートは興味深い。その実験結果によると,どうやらネオン管でフリップフロップが作れるようなのである。発振回路の一つに無安定マルチバイブレータというのがある。その仲間に双安定マルチバイブレータというものもあるが,それはデジタル回路の分野でフリップフロップと呼ばれるものに他ならない。ネオン管発振回路の振動数を遅くするとフリップフロップのような動作をするというのは,これら二種類のマルチバイブレータの間の何らかの関係を示唆しているように思える。両者の関係がまさに僕が一番関心を抱いていることなので,ぜひこの回路について研究したいところである。


西田和明著『たのしくできるブレッドボード電子工作』(東京電機大学出版局)は,「基礎編」に初心者向けの電子部品の解説がある。それにはデジタル回路の基礎も含まれている。「製作編」には多くの回路例が紹介されているが,デジタル回路が中心であり,そういう意味では『ブレッドボードで始める電子工作』と相補うような内容になっている。ただ,著者の西田和明氏にはラジオ工作の本を始め,電子工作関連の著書がたくさんある。そういう観点からすると,この本はその中の「デジタル回路入門編」といった位置づけと言えるのかもしれない。西田和明氏の著作を揃えれば,電子工作のほとんどの分野をカバーできるに違いない。

サンハヤトというメーカーから,この本で紹介されている作品の大半を製作することができるセットが販売されており,それを用いればパーツ集めに悩むことなくすぐに製作にとりかかれるだろう。そういうサービスが充実している点では,最も初心者に向きといえるかもしれない。


入門,初級の段階から,自分で回路を設計できるようになることを見据えてより深く電子回路について学ぼうというのであれば,例えば

高木誠利著『実験回路で学ぶトランジスタと OP アンプ』(CQ出版社)

が要望に応えてくれそうである。オシロスコープで見た波形なども交えて詳しく回路の動作を解説してある。宿題と銘打たれた演習問題(巻末に解答がある)まで用意されているので,実質的に教科書といってよいだろう。僕にはまだ高根の花だが,ごく一部だけでも理解できることを願っている。記述は平易だが,内容はかなり本格的である。


他にも良書はたくさんあるに違いないが,いかんせん,最近電子工作に再入門を果たした僕ごときがそれらを網羅できるはずもない。けれども,今後もしばらくこの手の本は漁るつもりなので,紹介したい本が溜まったら今回のようなメモを残そうと思っている。


なお,最近書いたブログ記事にコメントをして下さった方のサイトにはブレッドボードを用いた実験に関して,初心者向けのチュートリアルから膨大な数の回路例までが網羅されている。このサイトも大いに活用させていただくつもりである。
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電池管検波ラジオ。

2013-03-25 23:48:45 | 工作・実習
たくさん借りた電子工作の本に真空管を用いた比較的簡単そうなラジオが紹介されていたので,真空管にも手を出してみようかと本気で考えるようになった。

ただ,ものによっては真空管を駆動するのにかなりの高電圧を必要とするものらしく,それ専用の電源の製作から行わなければならず,まだまだ敷居が高いと感じていた。

そんな中,橋本剛著『ブレッドボードで始める電子工作』を眺めていたら,電池管というタイプの真空管を用いたラジオの話を見つけた(同書 Section 09)。その名の通り電池で実現できる比較的低い電圧で動作する真空管のことを電池管と呼ぶようだが,そうは言っても,45V の電池などの,今ではなかなかお目にかかれなさそうな電池を使用するのが一般的のようだった。

ところが,見つけた回路を何度見直しても電源は 1.5 V の乾電池一本だけである。まさに僕のような者にうってつけである。

ただ,電池管は現在の真空管ブームの主流にあっては少数派ではないかという印象がある。そもそも聞いたことがないし,そのラジオで使用されている 1T4 という真空管は,心当たりのパーツショップの商品リストをいくら探しても載っていない。

ところが,ネット全体の検索結果のうち,Yahoo! オークションの出品情報が目に留まった。まさにその 1T4 を出品している方がいたのである!

オークションといえば低めの値段から入札を始めて,最終的に競り勝った人が落札するというイメージしかないが,まだ入札者がいない状態だった。未使用品が2本一組で 1,100円との出品者からの即決価格が提示されていたが,相場がさっぱりわからないので高いか低いか判断がつかない。しかし,『ブレッドボードで始める電子工作』の巻末のパーツリストに書かれた参考価格は一本 1,500円だったので,一本 550円というのは破格の値段だとみなしてよさそうである。

確実に,そしてなるべく早く手に入れたかったので,値切ることなく,即決価格で落札した。オークションを利用したのはこれが初めてであったが,出品者は誠実な対応をして下さる方で,すぐに商談がまとまり,無事 1T4 が手元に届いた。

真空管が入っていた箱(白箱?元箱?)と真空管のツーショット。あ,しまった。リード線を付けたソケットをはいたままなので,ツーショットという感じではないな。

製造元らしい RADIO CORP OF AMERICA というのは,かの有名な RCA と呼ばれるメーカーのことだろう。つまりこの電池管は RCA 製なのである。オークションの商品情報にも確かそう書かれていた。

中身は本当に新品だったのだろうが,箱から取り出したり手で触っているうちに,白い塗料でいろいろ書かれていた字がほとんど消えてしまった。が,かろうじて 1T4 という型番だけは残っているのが写真からわかるだろうか。


念願の電池管を手に入れたので,あとは周辺部品である AM ラジオ用のバーアンテナとバリコン,そして 1T4 用に使える真空管ソケットを買い求めた。

パーツ集めで一番苦労したのは真空管ソケットである。別の用事で立ち寄ったある店でソケットを見かけたので一も二もなく購入した。ところが,家に帰っていざ 1T4 を差し込もうとしたところ,かなり力を入れてもなかなか入らない。あまり力を入れ過ぎると真空管のガラスが割れてしまう恐れもある。真空管を触るのも初めてのことだったので,ソケットへの装着がスムーズなのかそうでないのが普通なのか全くわからない。ただ,真空管アンプの工作本だかどこかのサイトだかで,ソケットには出来の良いのと悪いのとがあるという話を知り,いくつかソケットを買ってうまく合うかどうか試すことにした。

若松通商にはタイトソケットのゴールドとシルバーがあるとのことだったので一つずつ買った。また,千石電商でも真空管ソケットを取り扱い始めたとのことだったので,そこでも一つ購入した。それら3つを試したところ,どれもそれほど力まなくてもちゃんと足が最後までカチっといった感じに収まった。そこで,一番スムーズに足が入るソケットに,ブレッドボード用のスズめっき線をつけたリード線をはんだ付けして使用することにした。

せっかくラジオを組み立てても,そもそも AM の受信状況の悪い家であったら聞こえる見込みが薄い。AM 放送がどの程度受信できるのか事前に確かめる必要がある。それには市販のラジオを買えば事足りるが,せっかくの機会なので AM ラジオ専用 IC という強力なデバイスを利用して IC ラジオを組み立ててみた。その結果,バーアンテナだけで十分受信できることが判明した。

また,ラジオの「ラ」の字とも言うべきゲルマ・ラジオでもちゃんと受信できるか確認したところ,受信が確認された

これだけの下準備の後,ようやく電池管検波ラジオの実験に取り掛かかった。

バーアンテナとバリコンとで構成された同調回路の受信部はゲルマ・ラジオで用いた配線を流用すればよいのだが,てきとーに配線したことがたたってアンテナ線などがごちゃごちゃと入り組んでおり,何がどうつながっているのか配線した本人でさえわからなくなってきた。そういうときはリセットして最初からやり直すに限る。全部引っこ抜いて一からパーツを配置し直すことにした。

相変わらずごちゃごちゃした印象だが,これでもゲルマ・ラジオの配線よりかはすっきりしている。いかな実験回路といえども,すっきりした配線を心がけるべきだという教訓を学んだ。

かすかに雨が降っているベランダに出て,ゲルマ・ラジオの時と同じようにアンテナ線を物干しざおに干し,アース線を手すりから垂らしていざ電池をつないでみたが,ダイヤルを回してもうんともすんとも言わない。単三では電力不足なのかと単一電池に変えても改善の兆しはない。一旦ベランダから撤収して配線を見直したところ,配線ミスが発覚した。修正して再チャレンジしたところ,2局だけ受信が確認できた。

受信を確認した時は,もちろん嬉しかったが,感激したというよりも,ほっと一安心といったところであった。

ゲルマ・ラジオよりも感度が悪く,音も小さかったので,ぜひさらに真空管を使用した高周波増幅,低周波増幅機能を搭載した立派な真空管ラジオを目指したいものである。

一つ残念だったことは,ヒーターがぼんやり光るという真空管の情緒を味わえなかったことである。1.5 V ではヒーターは光るほどには温まらないということだろうか。

※ 夜寝る前にヒーターに電池をつないでおき,しばらくしてから部屋の明かりを消したところ,電池管から橙色の明かりがほんのりと漏れていたのを確認した。やはりヒーターは光るのである。ただ,他の明かりにかき消されてしまうようなきわめて弱々しい光であった。[2013.3.27. 追記]

電池を外しても数秒は音量が変わらず,しだいに小さくなって消えた。そういえば,真空管は電源を切ってもしばらく動き続けると聞いたことがあったような気がする。ヒーターが暖かいうちは動作し続けるということなのだろう。

と,さも真空管通のような調子で書いてしまったが,真空管の動作原理は何一つ理解していない。それは今後の勉強課題の一つとしてとってある。

子どもの頃,遠い憧れの対象であった真空管をこうして動かしてラジオを聴けたというのは,やはり感慨深い。また縁があれば増幅回路用の電池管を手に入れて,9V 乾電池 006P を 5 個直列にした 45 V 電源を使用した 2~3 球規模のラジオを作って楽しみたいものである。あ~,そういえば他の出品者がその目的にかなっていそうな電池管バラエティーパックを出品したけど,やっぱり買うべきだったかなぁ・・・。

キットもあるらしい(YouTube の動画へのリンクです)けど,そんな感じのが目標かなぁ!

当然 自作しちゃっている方が世の中にはいるわけで。すごい本もあるらしい。並ではないスキルを持っている方は本当にたくさんいらっしゃるようだ。

B級ラジオ博物館の研究室に,今回試した回路の元ネタがあるが,それにしても,ゲルマ・ラジオで FM まで受信してしまうとは,すごいの一言しか出ない。AM 変調と復調の原理について,昔の記憶を頼りに考え始めているが,僕ごときに解明できる程度はたかが知れているので,「AM 送信機を作ろう!」のコーナーでいずれ勉強させていただくかもしれない。
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