昨日は秋月電子通商秋葉原店と若松通商に二度目の訪問を果たした。
秋月電子通商でパーツを漁っているとき,隣にいた若い男二人連れの一方が「先生だ」と言うのが聞こえた。
驚いて二人を見ると,顔の見える方は見覚えがあるような気がした。
電気・電子工学系の学生を相手に授業をしている身であるから,そのような場所でかつての教え子と顔を合わせることはあってもなんら不思議なことではない。
しかし,特に僕に声をかける気配はなく,それきり二人はどこかへ行ってしまった。
僕に気づいたのなら,すぐそばで噂をするのではなく,直接声をかけてくれればよかったのに,などと悶々としていたが,ふとした拍子に聞き間違いではなかったかと気が付いた。
その会話が聞こえた時,二人はセンサー類が置かれた棚の前にいた。
なので,正しくは
「先生だ」
ではなく,
「センサーだ」
と言ったのである。
思い返せば,その一言の後の会話ではアルコール・センサーなどのことを話題にしていた。
今日,近所に出かけた時,途中のそこそこ大きな交差点に10人ほどの警官が集まっているところに遭遇した。事故の様子はなく,交通整理のときの格好をした警官ばかりであった。
交差点に差し掛かった時は,2名の警官が交差点の真ん中に足踏み台を運んでいくところだった。何かが始まるのは間違いないが,足止めをくらうという嫌な予感にばかり気を取られていた。
一人の警官が全員に聞こえるように「次赤になったら全部止めて」と言った。
ちょうど僕が進もうとしている方向が青になる番なのに,車だけではなく,歩行者も止める気満々のようであった。
運が悪いなぁと思っていると,案の定,信号が赤になった瞬間,
「メットー!」
という掛け声とともにすべての交通が制止された。
おいおい,何が「メット」だよ。交通整理している警官がヘルメットをしているのなんか見たことないぞ。それに,ヘルメットを着用しなければならないのなら,かぶってから作業に入れよ。
などと止められたことへの不満で胸の裡で文句を垂れつつ,「ああ,こっちの信号が青なのに渡れないなんて」と憾みのこもった目を信号に向けた途端,異変に気付いた。
そこの交差点のすべての信号が消灯していたのである。
つまり,
「メットー!」
は,ヘルメットと叫んだのではない。
「滅灯(めっとう)!」
と言ったのであった。
目の前の状況にぴったり当てはまる漢字に脳内で変換できたとき,感動を覚えたと同時に,自分の勘違いがおかしくなってきた。
それほど待たずに横断歩道を渡らせてもらえた。しばらくは滅灯が続いているようだったが,十数分後にまたそこを通りがかったときには警官の数も減り,信号も普段通りに点灯していた。
人為的に信号が消灯される瞬間に立ち会ったのは初めての経験である。工事をしている様子でもなかったので,何が目的だったのかはわからない。また,信号を誰がどう消灯したのかも気になったが,滅灯の瞬間に周囲の警官の所作に何ら注意を払わなかったので,それもわからずじまいである。
僕は人と話しているときにしょっちゅう聞き間違えるというのは,自分の癖としてはっきり自覚があるが,二日立て続けに印象に残る聞き間違いをするというのはレアな体験であった。
今後,連続して聞き間違いを連発するというのが自分にとって珍しくもなんともないことにならないかと心配である。
秋月電子通商でパーツを漁っているとき,隣にいた若い男二人連れの一方が「先生だ」と言うのが聞こえた。
驚いて二人を見ると,顔の見える方は見覚えがあるような気がした。
電気・電子工学系の学生を相手に授業をしている身であるから,そのような場所でかつての教え子と顔を合わせることはあってもなんら不思議なことではない。
しかし,特に僕に声をかける気配はなく,それきり二人はどこかへ行ってしまった。
僕に気づいたのなら,すぐそばで噂をするのではなく,直接声をかけてくれればよかったのに,などと悶々としていたが,ふとした拍子に聞き間違いではなかったかと気が付いた。
その会話が聞こえた時,二人はセンサー類が置かれた棚の前にいた。
なので,正しくは
「先生だ」
ではなく,
「センサーだ」
と言ったのである。
思い返せば,その一言の後の会話ではアルコール・センサーなどのことを話題にしていた。
今日,近所に出かけた時,途中のそこそこ大きな交差点に10人ほどの警官が集まっているところに遭遇した。事故の様子はなく,交通整理のときの格好をした警官ばかりであった。
交差点に差し掛かった時は,2名の警官が交差点の真ん中に足踏み台を運んでいくところだった。何かが始まるのは間違いないが,足止めをくらうという嫌な予感にばかり気を取られていた。
一人の警官が全員に聞こえるように「次赤になったら全部止めて」と言った。
ちょうど僕が進もうとしている方向が青になる番なのに,車だけではなく,歩行者も止める気満々のようであった。
運が悪いなぁと思っていると,案の定,信号が赤になった瞬間,
「メットー!」
という掛け声とともにすべての交通が制止された。
おいおい,何が「メット」だよ。交通整理している警官がヘルメットをしているのなんか見たことないぞ。それに,ヘルメットを着用しなければならないのなら,かぶってから作業に入れよ。
などと止められたことへの不満で胸の裡で文句を垂れつつ,「ああ,こっちの信号が青なのに渡れないなんて」と憾みのこもった目を信号に向けた途端,異変に気付いた。
そこの交差点のすべての信号が消灯していたのである。
つまり,
「メットー!」
は,ヘルメットと叫んだのではない。
「滅灯(めっとう)!」
と言ったのであった。
目の前の状況にぴったり当てはまる漢字に脳内で変換できたとき,感動を覚えたと同時に,自分の勘違いがおかしくなってきた。
それほど待たずに横断歩道を渡らせてもらえた。しばらくは滅灯が続いているようだったが,十数分後にまたそこを通りがかったときには警官の数も減り,信号も普段通りに点灯していた。
人為的に信号が消灯される瞬間に立ち会ったのは初めての経験である。工事をしている様子でもなかったので,何が目的だったのかはわからない。また,信号を誰がどう消灯したのかも気になったが,滅灯の瞬間に周囲の警官の所作に何ら注意を払わなかったので,それもわからずじまいである。
僕は人と話しているときにしょっちゅう聞き間違えるというのは,自分の癖としてはっきり自覚があるが,二日立て続けに印象に残る聞き間違いをするというのはレアな体験であった。
今後,連続して聞き間違いを連発するというのが自分にとって珍しくもなんともないことにならないかと心配である。