担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

とっくり型のハチの巣。

2019-05-25 14:46:26 | Weblog
今年もテラフォーマーズの幼虫が我が家のあちこちに出没する季節になってきたが,昨日,洗濯物をベランダに干していて,軒先にさかさまになったツボないしは花瓶のような形をした怪しい物体があることに気付いた。何年か前に同じところにスズメバチが巣を作りかけていたので,今年も警戒して確認してみたら期待通り(?)あったというわけである。

巣に気付いたちょうどその時,「きゃっ☆バレちゃった(てへぺろ)」という感じで,ブーンという羽音を響かせながら巣の主である女王バチがどこかから巣に戻ってきた。

めっちゃ着実に巣を育てておりますやん・・・。

確か夜が比較的安全だったはずと思い出し,深夜に長い棒で巣をつつき落そうとしたものの,暗くてよく見えなかったせいで狙いを外していたことを今朝思い知った。

てへぺろ女王バチは黒くて大きかったように思ったので「オオスズメバチ」と検索してみたものの,どうもそもそもの生態が思っていたのと違う。そこで「とっくり型の巣」で検索したら,それは「コガタスズメバチ」しかいないとのことであった。

羽音が聞こえてちらっと姿は見たもののすぐに部屋に逃げ帰って相手をよく見ていなかったので,スズメバチに対する恐怖でそのハチがとても大きく危険なものに見えてしまったようだ。格闘モノのマンガでよくある,強大な敵がとてつもなく大きく感じられるという心理描写は正しかった。

夜はまた同じ失敗を繰り返してしまうだろうから,より高い危険を冒して先ほど巣をつつき落した。さすがに今度は命中し,巣は壊れ落ちた。

せっかく頑張って巣を作っていた女王バチには申し訳ないが,そのまま放置しておいてはこちらも命に関わる案件となってしまうので,防衛のために先手を打たせていただいた。許してくれとは言わないが,どこか他所で邪魔されずに幸せに生きてほしいとは願っている。

そう,戻ってきてもう一度同じところに巣を作るような真似をせず,どこか他所に行ってくださいね?!頼みますよ?
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凸関数の連続性。

2019-05-25 13:49:11 | mathematics
開区間 I=(a,b) で定義された実数値関数 f についてのみ考察する。

f が凸 (convex) であるとは,I に属する任意の x, y および任意の t∈[0,1] に対し

f((1-t)x+ty)≦(1-t)f(x)+tf(y)

が成り立つことをいう。

凸関数のグラフは下に凸な曲線であり,そのグラフを描いて眺めれば了解されることであるが,x≠y であるときに定義される平均変化率

((f(x)-f(y))/(x-y)

は,例えば y を固定すると x について単調増加になっている。このことをきちんと示そうというのが本稿のメインテーマである。

まず p∈I を一つ選んで固定し,p と異なる x∈I に対して

g(x):=((f(x)-f(p))/(x-p)

と定義する。この関数 g が単調増加であることを示すのが目標だが,それを

(i) p<x<y<b;
(ii) a<x<p<y<b;
(iii) a<x<y<p

の3つの場合に分けて論じることとする。


(i) t=(x-p)/(y-p) とおくと t∈(0,1) かつ x=(1-t)p+ty であるから,

f(x)≦(1-t)f(p)+tf(y)

が成り立つ。これを

f(x)-f(p)≦t(f(y)-f(p))

と変形し,両辺を x-p>0 で割れば

g(x)≦g(y)

に到達する。


(ii) p=sx+ty, s+t=1, s≧0,t≧0 をみたす実数 s, t が存在する。具体的には

s=(y-p)/(y-x), t=(p-x)/(y-x)

である。

このとき,

f(p)≦sf(x)+tf(y)

が成り立っているが,左辺を (s+t)f(p) とみて

s(f(p)-f(x))≦t(f(y)-f(p))

と変形する。この両辺に y-x>0 をかけると

(y-p)(f(p)-f(x))≦(p-x)(f(y)-f(p))

を得る。この両辺を (y-p)(p-x)>0 で割ると

(f(p)-f(x))/(p-x)≦(f(y)-f(p))(y-p)

となるが,この左辺は分子と分母の双方に -1 を乗じて (f(x)-f(p))/(x-p) と書き改めることができる。

したがって g(x)≦g(y) であることがわかる。


(iii) これは (i) と同様である。s=(p-y)/(p-x) と取れば s∈(0,1),1-s=(y-x)/(p-x) かつ y=sx+(1-s)p であり,

f(y)≦sf(x)+(1-s)f(p)

が成り立つこととなって,

f(y)-f(p)≦s(f(x)-f(p))

となり,両辺を -(p-y)<0 で割って

g(y)≧g(x)

を得る。


以上で g が単調増加であることが示された。


そうすると,a<q<p<r<b なる q,r を一つ固定すると,

p<x<b ならば g(q)<g(x) であるから,g(x) は下に有界であり,右極限 x&arrow;a+0 において g(x) は収束する。
その極限値を β とおこう。

また,a<x<p ならば g(x)<g(r) であるから,g は区間 (a,p) において単調増加かつ上に有界である。したがって左極限値 g(p-0) も存在するので,それを α とおく。

ここで,例えば (-1,1) における凸関数として f(x)=|x| を考えると,p=0 の場合 g(+0)=1,g(-0)=-1 であるから α と β とが一致しないことも起こり得る。しかし,

h(x)=(x-p)g(x)=f(x)-f(p)

とおくと,h(p+0)=h(p-0)=0 であるから,f が x=p において連続であることは言える。



こんな微分積分学の基本事項ですらスラスラと証明ができないままの体たらくだったので,今週分の「自分レポート課題」として答案を作ってみた次第である。


さて,確か積分論の初等的な話題として凸関数が微分できない点,つまり g(p+0) と g(p-0) の値が一致しない点は有限個だか,たかだか可算個だがだったはずだが,とりあえず有界閉区間 J=[a,b] で定義された凸関数 f についてその類のことが言えるかどうかを次の「自分レポート課題」にしようと思う。

サイトをググるなり,それなりのテキストを見るなりすればこんなことはいくらでも解説がされているのだが,自分の「数学力」を少しでも高めるべく,自分の頭で(ある程度は)考えたいものである。
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数列の極限と実数の連続性。

2019-05-16 11:25:22 | mathematics
数学的な概念としての「実数」の特性を表す公理としてはいろいろな形のものが知られている。その中で,比較的シンプルであって感覚的に受け入れやすいのではないかと思えるものは「上に有界(ゆうかい)な単調増加列は収束する(つまり極限値を持つ)」という公理である。

数列 (a[n]) が上に有界であるとは,ある実数 A があって,番号(自然数)n によらず常に a[n]≦A が成り立つことをいう。

数列 (a[n]) が単調増加である(単調に増加する)とは,どの番号 n に対しても a[n]≦a[n+1] となっていることをいう。この条件は,二つの自然数 m と n について m≦n ならば a[m]≦a[n] となっていることと同値である。こちらの述べ方は一般の関数が単調増加であることの定義と同じものである。また,a[n]<a[n+1] もしくは m<n ならば a[m]<a[n] であるというように等号を許さない場合を狭義(きょうぎ)単調増加,等号入りの不等号のバージョンを広義(こうぎ)単調増加と呼んで両者を区別することもある。

さて,この公理は一見素朴でそれほど強力ではないような気がするかもしれないが,あらかじめ極限値がわかっていない,いかにも収束しそうな数列が本当に収束しているのだと明確に言い切っているので,意外と大胆かつ極めて強力である。

その強力さは,この公理を用いてとある定理が証明できることから感じ取れるのではないだろうか。その定理とは次のものである。


【定理】(Archimedes の原理)

自然数の集合は上に有界ではない。言い換えると,どんな実数に対しても,それより大きい自然数が必ずある。


・・・え?そんなこと当たり前じゃない?それってわざわざ証明しなきゃいけないようなことなの?

という声が聞こえてきそうである。そう言ってくる人がいたら私は逆にこう尋ねよう。これって本当に当たり前のことなんですか,と。もし当たり前なのだとしたら,それはなぜですか,と。

まずは次の区別を明確にしておこう。どんな自然数 n も,それよりも大きな「その次の数」n+1 がある。したがって,自然数にはいくらでも大きいものがあるといえるが,それは自然数という閉じたグループの中だけでの話であって,いわば井の中の蛙(かわず)なのである。とあるスポーツ選手が霊長類最強だったとしても,霊長類とは異なる別の哺乳類,例えばクマやゾウ相手に素手で勝てるかどうかはわからない。ましてやもっと範囲を広げて,あらゆる生物の中で頂点に位置するかもわからないし,ロボットなどの機械,自然現象までも含めたら最強である保証はほぼゼロであろう。つまりそういう話なのである。自然数だけの集合という井戸の中だけで自然数はいくらでも大きなものをとることができるかもしれないが,実数全体という大海(たいかい)に旅立ったら,あらゆる自然数を超越した神のごとき大きさの実数があるかもしれないのである。

「自然数にはいくらでも大きなものがある」という口当たりの良いフレーズが,実はきちんと分析してみると上のような大事な観点がごっそり抜け落ちたあいまいな表現であることをまず認識することが実数論への第一歩である。

とはいえ,

・・・え?でも,何か実数があったとしたら,それは例えば 3.141592... という感じになってるだけだろうから,これより大きい自然数,この場合は 4 とか 5 とかがあるのは見てすぐわかるんじゃない?

という次の疑問が湧くかもしれない。そしてやはり私は逆に尋ねよう。その実数とやらが 3.141592... と表せるのはなぜですか,と。実数がそのような数字の羅列として表されるのはいかに保証されるのですか,と。

この問答は,どちらかといえば実数論の第零歩として最初に取り上げるのがふさわしいものであった。そもそも実数というのは 3.141592... のように有限または無限小数で表される何かである,ということを公理に据えて実数論なり数列の極限なりを論じる立場もあるだろう。小数で実数を表すことは幼いころから教わっているし,日常的にも数といえばそのように表された数値を使うのがほとんどなので,こちらの立場の方が一般にはより受け入れられやすいであろう。このような立場に立った微分積分の教育はおそらくかなり以前から行われていると思われるが,私自身はそれをきちんと学んだことはない。良い機会なので,自分でこの観点に基づいた実数論の再構成を試みてもいいかもしれない。その際は二進数を使うのが合理的なように思われる。

ここまでの話で問題の所在ははっきりしただろうか。ここらで上の定理の「証明」を述べよう。背理法を用いる。

自然数を小さい順に並べ,それ自身を数列 (a[n]) とみなすことにする。つまり a[n]=n である。そうすると (a[n]) は単調増加である。ここで,この数列が上に有界である,すなわち,ある実数 A があって,あらゆる自然数 n に対して n≦A が成り立っていると仮定しよう。このとき,数列 (a[n]) は収束するということになっているので,その極限値を b とおく。そうすると,数列の極限の定義(本稿では省略する)により,特に a[m]>b-1 をみたす自然数 m が存在する。すなわち,b<m+1 である。ところが,やはり数列の極限の定義から すべての自然数 n に対して n≦b であることも導けるから,m+1 も自然数であることから m+1≦b でなければならない。したがって b<b でなければならないが,これは矛盾である。以上で証明は完了した。


たったこれだけのことを証明するために,大学で初めて学ぶ(かもしれない)数列のεN論法を用いて初めて確立される収束する数列の基本的な性質をいくつか必要とするので,手ごろな演習問題である。自然数の集合が上に有界でないということは,どんな小さな努力でもコツコツ毎日続ければ無限のかなたにある輝かしい未来に手が届く,という,初学者を励ますメッセージを含んでいるとも解釈できよう。
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令和最初の日,ではないけれども。

2019-05-03 01:29:12 | Weblog
2019年5月1日(水),日本の元号は令和に変わった。

という記念の記事を当日に投稿できなかったけれども,忘れないうちに書き込んでおく。
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