電子工作の世界に再び飛び込むにあたって最初に参照したのはスタパ齋藤・船田戦闘機共著『武蔵野電波のブレッドボーダーズ』(オーム社)である。
この本の52ページから55ページにわたって,3V のボタン電池に LED を直接つないで光らせるという話が載っている。同じ実験が高橋隆雄著『電気をつくろう!』「5-2 ちょっとした工夫で明かりをつくろう」にもある。
どちらの本も,CR2032 というボタン電池に,順方向電圧降下 Vf が 3V の LED を,抵抗を介さず直接つなぐことにしている。
この実験のことが印象に残っていたので,100円ショップで 3V のボタン電池を購入した。正確な型番は覚えていなかったが,CR2016 など他の 3V 電池もある中,奇しくも CR2032 そのものずばりを購入していた。しかも 2 個入りというお買い得品である。
そして,本の記述を無視して Vf が 2V 程度のオレンジ色 LED をつないでみた。これは本当は危険なことで,運が悪いと LED が破裂する恐れもあったのだが,幸い,今のところ無事である。
そしたら,まあ,むっちゃ光りよるわい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/3f/4f27f9c52b4bdc0fd4fe0e5d3f23323c.jpg)
『武蔵野電波のブレッドボーダーズ』を参考にテスタで電流を測定したところ,この LED の最大定格である 50mA 付近をふらふらしている。さすがにヤバいと思ったのですぐに LED を外した。
実は,桜色っぽい別の LED を,配線ミスで 6V にダイレクトにつないでしまい,LED を燃え尽きさせてしまうという苦い経験を数週間前に味わっている。お気に入りの色の LED をこれ以上失いたくない。
ちなみに,別の青色の LED をつないだところ,10mA 程度をふらふらしていた。確か Vf が 2.4 V だか 2.6 V だかなので,電流がその分少なめになっていたのだろう。
さて,参考にした本には,ボタン電池の内部抵抗はアルカリ電池等に比べると大きいので,Vf がちょうど 3V 程度なら,電流制限用の抵抗をつけなくても心配ない,というようなことが書いてある。
では,内部抵抗はいかほどか。
可変抵抗はほとんど手持ちがないが,68種類もの抵抗が我が家にはそろっている。無敵状態である。
すでに予備実験で,使っているボタン電池の内部抵抗の大きさのあたりをつけてあるので,それになるべく近い 22Ωと 47Ωを選んでみた。
まずは高校物理で標準的なやり方である,連立方程式を作って解くという方法でやってみよう。
選んだ抵抗はどちらもジャストの値で,22Ωと 47Ωである。
22Ωのときは 1.50 V 前後であった。47Ωのときは 2.2 V 前後であった。
困ったことに,電圧が刻々と変化して一定しないのである。
ともかく,これらのデータを用いて概算してみよう。
電池の内部抵抗を r Ωとし,ボタン電池の起電力を E V とおく。
Kirchhoff の法則により,22Ωのときの電流値と 47 Ωのときの電流値をそれぞれ i A,I A とおくと,
22i+ri=E,
47I+rI=E
となる。これら 2 式の差をとると (47I-22i)+r(I-i)=0 となる。
22i=1.5,47I=2.2 なので,
r=(2.2-1.5)/(i-I)=0.7/(i-I)
である。
また,i=1.5/22=0.0682,I=2.2/47=0.0468 であるから,i-I=0.0214 となる。
よって,r=0.7/0.0214=32.7 Ωとなった。
まあ,公称 3V のところが,22Ωの抵抗をつないだとき,その両端の電圧が半分の 1.5 V になった時点で,内部抵抗 r が 22Ω に近い値ではないかと気づくべきだったかもしれない。
そうすると,22Ωの約二倍の 47 Ωをつないだときの電圧が,3V の約 2/3 倍の 2.2V になったことも説明がつく。ただ,まじめに計算してみたらもう少し大きめの 32 Ωになったわけだが,それはボタン電池が比較的元気で,3V より若干高めの起電力を持っていたからと解釈することができよう。
ネットで見かけた記事から察するに,これは新品にしては結構大きめのようである。ただ,どこかのメーカーのリチウムコイン電池(この記事でボタン電池と呼んでしまっているものの正式名称だろう)のデータシートによると,内部抵抗は1000Hz の交流法の測定器をご使用くださいとある。どうやら雑誌『トランジスタ技術』に掲載されたらしい記事の関連サイトがあり,ありがたくも測定器の回路図まで置いてあるが,IC を7個使った,現在の僕のレベルから1つか2つ上のレベルのもののようなので,ちょと,作ってみようという気にはなれない。ただ,せめて『トラ技』のその記事を読むくらいはしたいものだと思っている。ただ,何年の何月号に掲載されているのか不明なので,バックナンバーを調べるという地道な作業が待っているらしい。どうしようかなぁ・・・。
この本の52ページから55ページにわたって,3V のボタン電池に LED を直接つないで光らせるという話が載っている。同じ実験が高橋隆雄著『電気をつくろう!』「5-2 ちょっとした工夫で明かりをつくろう」にもある。
どちらの本も,CR2032 というボタン電池に,順方向電圧降下 Vf が 3V の LED を,抵抗を介さず直接つなぐことにしている。
この実験のことが印象に残っていたので,100円ショップで 3V のボタン電池を購入した。正確な型番は覚えていなかったが,CR2016 など他の 3V 電池もある中,奇しくも CR2032 そのものずばりを購入していた。しかも 2 個入りというお買い得品である。
そして,本の記述を無視して Vf が 2V 程度のオレンジ色 LED をつないでみた。これは本当は危険なことで,運が悪いと LED が破裂する恐れもあったのだが,幸い,今のところ無事である。
そしたら,まあ,むっちゃ光りよるわい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/3f/4f27f9c52b4bdc0fd4fe0e5d3f23323c.jpg)
『武蔵野電波のブレッドボーダーズ』を参考にテスタで電流を測定したところ,この LED の最大定格である 50mA 付近をふらふらしている。さすがにヤバいと思ったのですぐに LED を外した。
実は,桜色っぽい別の LED を,配線ミスで 6V にダイレクトにつないでしまい,LED を燃え尽きさせてしまうという苦い経験を数週間前に味わっている。お気に入りの色の LED をこれ以上失いたくない。
ちなみに,別の青色の LED をつないだところ,10mA 程度をふらふらしていた。確か Vf が 2.4 V だか 2.6 V だかなので,電流がその分少なめになっていたのだろう。
さて,参考にした本には,ボタン電池の内部抵抗はアルカリ電池等に比べると大きいので,Vf がちょうど 3V 程度なら,電流制限用の抵抗をつけなくても心配ない,というようなことが書いてある。
では,内部抵抗はいかほどか。
可変抵抗はほとんど手持ちがないが,68種類もの抵抗が我が家にはそろっている。無敵状態である。
すでに予備実験で,使っているボタン電池の内部抵抗の大きさのあたりをつけてあるので,それになるべく近い 22Ωと 47Ωを選んでみた。
まずは高校物理で標準的なやり方である,連立方程式を作って解くという方法でやってみよう。
選んだ抵抗はどちらもジャストの値で,22Ωと 47Ωである。
22Ωのときは 1.50 V 前後であった。47Ωのときは 2.2 V 前後であった。
困ったことに,電圧が刻々と変化して一定しないのである。
ともかく,これらのデータを用いて概算してみよう。
電池の内部抵抗を r Ωとし,ボタン電池の起電力を E V とおく。
Kirchhoff の法則により,22Ωのときの電流値と 47 Ωのときの電流値をそれぞれ i A,I A とおくと,
22i+ri=E,
47I+rI=E
となる。これら 2 式の差をとると (47I-22i)+r(I-i)=0 となる。
22i=1.5,47I=2.2 なので,
r=(2.2-1.5)/(i-I)=0.7/(i-I)
である。
また,i=1.5/22=0.0682,I=2.2/47=0.0468 であるから,i-I=0.0214 となる。
よって,r=0.7/0.0214=32.7 Ωとなった。
まあ,公称 3V のところが,22Ωの抵抗をつないだとき,その両端の電圧が半分の 1.5 V になった時点で,内部抵抗 r が 22Ω に近い値ではないかと気づくべきだったかもしれない。
そうすると,22Ωの約二倍の 47 Ωをつないだときの電圧が,3V の約 2/3 倍の 2.2V になったことも説明がつく。ただ,まじめに計算してみたらもう少し大きめの 32 Ωになったわけだが,それはボタン電池が比較的元気で,3V より若干高めの起電力を持っていたからと解釈することができよう。
ネットで見かけた記事から察するに,これは新品にしては結構大きめのようである。ただ,どこかのメーカーのリチウムコイン電池(この記事でボタン電池と呼んでしまっているものの正式名称だろう)のデータシートによると,内部抵抗は1000Hz の交流法の測定器をご使用くださいとある。どうやら雑誌『トランジスタ技術』に掲載されたらしい記事の関連サイトがあり,ありがたくも測定器の回路図まで置いてあるが,IC を7個使った,現在の僕のレベルから1つか2つ上のレベルのもののようなので,ちょと,作ってみようという気にはなれない。ただ,せめて『トラ技』のその記事を読むくらいはしたいものだと思っている。ただ,何年の何月号に掲載されているのか不明なので,バックナンバーを調べるという地道な作業が待っているらしい。どうしようかなぁ・・・。