担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

ボタン電池一つで LED を点す。

2013-03-19 22:32:56 | 工作・実習
電子工作の世界に再び飛び込むにあたって最初に参照したのはスタパ齋藤・船田戦闘機共著『武蔵野電波のブレッドボーダーズ』(オーム社)である。

この本の52ページから55ページにわたって,3V のボタン電池に LED を直接つないで光らせるという話が載っている。同じ実験が高橋隆雄著『電気をつくろう!』「5-2 ちょっとした工夫で明かりをつくろう」にもある。

どちらの本も,CR2032 というボタン電池に,順方向電圧降下 Vf が 3V の LED を,抵抗を介さず直接つなぐことにしている。

この実験のことが印象に残っていたので,100円ショップで 3V のボタン電池を購入した。正確な型番は覚えていなかったが,CR2016 など他の 3V 電池もある中,奇しくも CR2032 そのものずばりを購入していた。しかも 2 個入りというお買い得品である。

そして,本の記述を無視して Vf が 2V 程度のオレンジ色 LED をつないでみた。これは本当は危険なことで,運が悪いと LED が破裂する恐れもあったのだが,幸い,今のところ無事である。

そしたら,まあ,むっちゃ光りよるわい。


『武蔵野電波のブレッドボーダーズ』を参考にテスタで電流を測定したところ,この LED の最大定格である 50mA 付近をふらふらしている。さすがにヤバいと思ったのですぐに LED を外した。

実は,桜色っぽい別の LED を,配線ミスで 6V にダイレクトにつないでしまい,LED を燃え尽きさせてしまうという苦い経験を数週間前に味わっている。お気に入りの色の LED をこれ以上失いたくない。

ちなみに,別の青色の LED をつないだところ,10mA 程度をふらふらしていた。確か Vf が 2.4 V だか 2.6 V だかなので,電流がその分少なめになっていたのだろう。

さて,参考にした本には,ボタン電池の内部抵抗はアルカリ電池等に比べると大きいので,Vf がちょうど 3V 程度なら,電流制限用の抵抗をつけなくても心配ない,というようなことが書いてある。

では,内部抵抗はいかほどか。

可変抵抗はほとんど手持ちがないが,68種類もの抵抗が我が家にはそろっている。無敵状態である。

すでに予備実験で,使っているボタン電池の内部抵抗の大きさのあたりをつけてあるので,それになるべく近い 22Ωと 47Ωを選んでみた。

まずは高校物理で標準的なやり方である,連立方程式を作って解くという方法でやってみよう。

選んだ抵抗はどちらもジャストの値で,22Ωと 47Ωである。

22Ωのときは 1.50 V 前後であった。47Ωのときは 2.2 V 前後であった。

困ったことに,電圧が刻々と変化して一定しないのである。

ともかく,これらのデータを用いて概算してみよう。

電池の内部抵抗を r Ωとし,ボタン電池の起電力を E V とおく。

Kirchhoff の法則により,22Ωのときの電流値と 47 Ωのときの電流値をそれぞれ i A,I A とおくと,

22i+ri=E,

47I+rI=E

となる。これら 2 式の差をとると (47I-22i)+r(I-i)=0 となる。

22i=1.5,47I=2.2 なので,

r=(2.2-1.5)/(i-I)=0.7/(i-I)

である。

また,i=1.5/22=0.0682,I=2.2/47=0.0468 であるから,i-I=0.0214 となる。

よって,r=0.7/0.0214=32.7 Ωとなった。

まあ,公称 3V のところが,22Ωの抵抗をつないだとき,その両端の電圧が半分の 1.5 V になった時点で,内部抵抗 r が 22Ω に近い値ではないかと気づくべきだったかもしれない。

そうすると,22Ωの約二倍の 47 Ωをつないだときの電圧が,3V の約 2/3 倍の 2.2V になったことも説明がつく。ただ,まじめに計算してみたらもう少し大きめの 32 Ωになったわけだが,それはボタン電池が比較的元気で,3V より若干高めの起電力を持っていたからと解釈することができよう。

ネットで見かけた記事から察するに,これは新品にしては結構大きめのようである。ただ,どこかのメーカーのリチウムコイン電池(この記事でボタン電池と呼んでしまっているものの正式名称だろう)のデータシートによると,内部抵抗は1000Hz の交流法の測定器をご使用くださいとある。どうやら雑誌『トランジスタ技術』に掲載されたらしい記事の関連サイトがあり,ありがたくも測定器の回路図まで置いてあるが,IC を7個使った,現在の僕のレベルから1つか2つ上のレベルのもののようなので,ちょと,作ってみようという気にはなれない。ただ,せめて『トラ技』のその記事を読むくらいはしたいものだと思っている。ただ,何年の何月号に掲載されているのか不明なので,バックナンバーを調べるという地道な作業が待っているらしい。どうしようかなぁ・・・。
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緊張の一瞬。

2013-03-19 20:41:10 | 工作・実習
高橋隆雄著『電気をつくろう!』(秀和システム)の「5-1 USB を電源として使おう」の記事を参考にして,この間100円ショップで購入した,Aタイプのオス・メスコネクタが両端についている USB 延長ケーブルを加工して LED を光らせてみた。

まず,USB 延長ケーブルのメス側コネクタ近くの線をニッパで切る。

切った後は,オスのコネクタがついている方の線の切り口を,ニッパで「甘噛み」して被覆の表面に切り込みを入れ,なるべく内部の線を傷つけずに外側の被覆を取り去る。

そうすると,赤,緑,白,黒の4本のビニール線が出てくる。

赤は+5V,黒は GND(0V)で,緑と白は信号線とのことである。わずかに数本シールド線らしき細い金属線が数本あるが,シールド線と言えるのはそれだけのようだ。

つぎに,一ヵ月前に購入して以来ほとんど出番のなかったワイヤストリッパを用いて赤と黒の線の被覆を取り去る。芯の電線を傷つける心配がないので大変便利な工具である。ちゃんとしたものを買うと数千円するが,決して高い買い物ではない。ただ,電線を加工する機会がないと使わないので,ブレッドボード用の市販のジャンパ線を利用するとワイヤストリッパの出る幕はほとんどない。

ドキドキしながらわに口クリップのついたコードで,赤と黒の線,4.7kΩの抵抗と LED を直列につなぎ,いざノートパソコンの USB 端子に接続してみた。

すると,パソコンの方はなんの反応も示さなかったが,見事 LED が点灯した。点灯を確認した後,すぐに USB コードを抜き去ったが,パソコンの動作に問題は見られなかった。
ちなみに,電流制限用の 4.7kΩは数値が大きすぎる。使用した LED の順方向電圧降下 VF は 1.8 V ほどなので,4.7kΩを使用した際には

(5V-1.8V)÷4.7kΩ=3.2/4.7 mA=0.68 mA

の電流しか流れないことになるが,それでも光っているのが十分わかった。

成功に気をよくしたので,今度はせっかくの 5V を利用して,LED を2個直列にして光らせることにした。今度は電流制限用の抵抗を 479Ωに選んだ。このときはどちらの LED にも約 3 mA 流れる計算になる。

それでこの明るさなのだから,10mA も流さなくてよい気がする。

近所の100円ショップに100円ラジオを探しに行ったが,残念ながら置いてなかった。その代りに,AC/USB アダプタという商品を見つけた。945円の値札がついていたが,現時点で財布の中身が心もとないので購入を見送った。しかし,100V のコンセントにつないで 5V の直流を出力するそうなので,実験回路をこわごわパソコンにつなぐよりもこれを買って使えばずっと気が楽であろう。それに,コンパクトな装置でどうやってAC 100V を DC 5V に落とすのか,中身が非常に気になるところである。

ともかく,デジタル IC 回路で標準とされる +5V 電源をどのように確保するかがずっと悩みの種であったが,パソコンを利用するという一つの道が開けた。

ただ,パソコンにつなぐのはやはり心配である。ショートに気をつけなくてはならないのは当然として,一番の懸念は緑と白の信号線の処理である。何も接続せずに宙ぶらりんにしておくのは非常に心苦しい。かといって,勝手に GND に落としてよいものか,判断がつかない。USB の規格という,これまで全く気にも留めなかったことを勉強すべき時が到来したようである。Wikipedia の該当項目をちらっと覗いてみたけど,今回のような USB の使用法が USB 規格「外」の使用法だということはわかったが,そのような「邪道」な使い方をする際の信号線の処理まではわからなそうである。
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電子の流れを確かめたい。

2013-03-19 00:30:45 | 工作・実習
中学理科の教科書はオールカラーで,実質的に図表といった趣がある。

電気分野に限ってみても,自分でやってみたくなるような実験や観察もてんこ盛りである。眺めているだけでも楽しい。

それに比べると,高校物理の教科書からは今一つ科学に対するあこがれや興味が引き立てられない。実験の項目も,実験したらそれなりのレポートを仕上げなくてはならないようなプレッシャーしか感じさせない,「重い」印象なのである。ちょっとやってみようという気楽なお子ちゃまのお遊びではない。オトナな雰囲気が漂っている。

ただ,題材自体は興味深いものが多い。

手元にある数研出版の『改訂版 物理II』(104 数研 物II/010) の巻末近くには探求すべき課題の例として「変圧器の原理と電力輸送の模擬実験」というのがある。研究の進め方を身に付けさせるのが主眼のようで,その解説が文章で詳しく述べられている。そのため,ぱっと見ただけではあまり楽しそうに見えないのだが,発電所から各地に電気が送られる仕組みについて学ぶという身近かつ実用的なテーマであり,読み始めるとためになることがたくさん書かれていて面白い。
送電線の抵抗によって生じる電力損失を小さくするにはどうすればよいか,という人類の知恵を学び取ることができる。これは平成21年度大学入試センター試験本試験の第2問 A で取り上げられた話題である。ちなみに,僕が試しに解いた時にはその問題に正解できなかったので強く印象に残っていたため,このテーマには強い関心を抱いている。

話は脱線するが,トランス(変圧器)の一次コイルと二次コイルの巻き数比がそのまま電圧比になっている、という基本事項は,詳しい説明抜きで物理 I の教科書に述べられており,物理 II では電磁誘導に関する公式から理論的に導かれている。

なお,今一つ理解できないのは,理想的な変圧器では,一次コイルの電力と二次コイルの電力は等しいということである。もし両者の値が異なれば,エネルギー保存に反することになりそうな気もしないでもないが,よくわからない。大学で学ぶ電磁気学や回路理論の知識が必要なのかもしれない。

さらに脱線すると,微分積分を利用した物理の諸公式の見直しが物理 II の教科書の巻末に発展的な内容の資料として載せられているのには驚いた。さすが二十一世紀の教科書である。

教科書の巻末には実験の例もいくつか載っているが,今僕が特に関心を持っているのは『改訂版 物理 I』(104 数研 物I 014)の261ページに載っている,「探究活動 4. ゲルマニウムラジオの製作」という記事である。AMラジオ用のバーアンテナと可変コンデンサ(バリコン)を自作してしまおうという,電子工作のまさに王道を行く内容なので,ぜひそれを参考に作ってみようと思っている。モーターを作るためにエナメル線やホルマル線をいくつも買ってあるのでぜひ有効利用したいという思いもある。エナメル線は100円ショップでも手に入るし,エナメル被覆をはがすために必要な紙やすりもそうである。ただ,ゲルマニウム・ダイオードとコイルの芯にするフェライトコアはパーツ屋などでないと手に入らないだろう。大きなホームセンターなどにはあるかもしれないが。幸い,定番のダイオードである 1N60 はすでに手元に(10本も)あるので,あとはフェライトコアを揃えるのみである。フェライトコアは最近頻繁に訪れている秋葉原で売っている店をいくつも見かけた。すでに手元にあるバーアンテナのフェライトコアを流用するのもありかもしれない。

他にも試してみたい実験はあるが,あまり手軽に出来そうもないある実験を家でもできないか,とあれこれ考えている。

それは,電子線を見る,あるいは磁石で曲げる実験である。

中学理科や高校物理の教科書には定番のクルックス管の写真が載っている。個人的な趣味で買うにはちと高い。自作するにしても,ガラス管の内側を真空に近い状態にしなければならないので,かなり難しいだろう。それに,数千~数万 V の高電圧が必要らしいが,それを用意するのが大変である。

というわけで,クルックス管は気楽に取り扱える代物ではない。しかし,陰極線を利用した電気機器は身近にあったのではないだろうか。

確か蛍光灯は放電管の一種であったはずである。磁石を近づけると光り方がちょっと変化するという話もあるので,クルックス管の代用になるかもしれない。

他にネオンランプも候補に考えている。ただし僕が買ったのは豆電球や LED と同じくらいの大きさの小さなものなので,磁石で陰極線を曲げたとしても,目に見えるほどの効果は期待できそうにない。

そしてもう一つ,これも結構根が張る買い物になるのだが,真空管に目を付けている。

真空管は一昔前の電子素子であり,今ではすっかり半導体にその座を奪われてしまっているが,真空管ブームが静かに継続しており,数千円で案外容易に手に入る。

真空管の動作原理を理解していないのでよくわからないのだが,蛍光灯やクルックス管と同様,そこそこ高い電圧が必要になるらしい。

しかし,である。世の中には電池管と呼ばれる,電池で動く真空管が存在するというのである。しかも 1.5 V の乾電池一つで済ませることもできるらしい。

この春休み中にどうにか電池管を使用した AM ラジオで放送を聞きたいものであるが,果たしてどうなることやら。

今月も残すところあと二週間である。まずはミツミ電機の AM ラジオ専用 IC,LMF501T を使って,自作コイルとバリコンでちゃんと動く AM ラジオが作れたら,同じコイルとコンデンサでゲルマラジオ,電池管ラジオを作ってみたいものである。それがクリアできたら,さまざまな回路が考案されているトランジスタラジオ・ワールドへの足掛かりができる。

ラジオ,無線通信,オーディオアンプといった電子工作のひな形は,実はこれまであまり関心がなかったのだが,とりあえずラジオ分野に手を広げて行こうと思う。

他の路線としては,さまざまなセンサーや素子を利用した実用工作,ロジック IC を利用したゲーム作り,コンピュータと接続してさまざまな測定やロボット制御を行うといったものがある。ロボット制御はこれまであまり興味がなかったが,ちょっとくらい手を出してみたいところである。ただ,機械工作にはいろいろな道具がどうしても必要になるので,手の届かない世界という気もしている。

ともかく,電子工作という分野はとてつもない広がりを持っていることを改めて痛感している次第である。自分の身の丈にあった範囲で楽しみたいものである。


※ そういえば,一昔前のテレビやパソコンのディスプレイに使われていたブラウン管も電子線を利用した機器だったはずである。ブラウン管に強力な磁石を近づけたら表示が乱れるのかどうか,それを確認することで電子線の存在を味わえたかもしれない。
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夜に降られても,ねぇ。

2013-03-19 00:16:42 | 爺ネタ
春は風が強い日もあるが,天気が変わりやすく,雨もよく降る。

花粉症持ちの身としては,強い風は花粉が飛び散るので勘弁こうむりたいが,雨は花粉を流し去ってくれるので大歓迎である。

今日は荒れ模様の天気で,昼間は風が強く,夜は雨が降った。せっかくの雨なのに,その恩恵が最も薄くなってしまう残念なパターンである。

どうせ雨が降るなら昼間がいいな。
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