担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

そういう星の下に生まれたというのか。

2013-03-17 19:49:14 | 工作・実習
昨日,秋月電子通商秋葉原店で抵抗100本入り袋が73袋入ったものを買った。

こんだけあれば,そりゃあもう,オレ,抵抗に関しては無敵なんじゃね?負ける気がしねぇ,という気分だ。

ついに念願のコンパレータ M51204 も手に入れた。

さっそく,『すぐに役立つ電子工作』の一番最初の作品である 5V の電源をブレッドボードに組み始めた。

ところが,である。

コンパレータで比較させる電圧を決める重要な役割を持つ,分圧用の抵抗の一つが 56kΩと指定されているのだが,73袋入りのどこを探しても見当たらない。

ひょっとして,無いのがデフォルトなのか?と悪い予感が胸をよぎった。

そしてその嫌な予感は的中した。セットに含まれる抵抗値のリストを見ると,ちょうど56kΩは飛ばされている。

他のレアな感じがする数値はたんまりあるのに,含まれていない数値がピンポイントで必要になるとは。

仕方がないので,51kΩと 5.1kΩの直列つなぎで急場をしのいだ。


初めて利用した Yahoo!オークションで,電池管と呼ばれる電池で駆動できる真空管のひとつ,1T4 というのを手に入れた。これを使って,『ブレッドボードで始める電子工作』Section 09 「電池管検波ゲルマ・ラジオ」(電池管で検波し,ゲルマニウムダイオードは一切使用していないので,「ゲルマ・ラジオ」と呼ぶのは変な気がする・・・。増幅回路がないラジオをゲルマ・ラジオと総称しているようだ。)の回路を組んでみようと思っていたのだが,買ったと思っていたポリバリコンは,AMラジオ用の 260pF ではなくて,なぜか 20pF 2連のもっと波長の短い電波用のものだった。家に帰ってから気づいた時にはがっかりした。手持ちのパーツに未使用のものがあったように記憶しているが,探して見つかったのはバリコンに取り付けるダイヤル版だけであった。

肝心のポリバリコンを買い忘れるという致命的なことをしているにもかかわらず,同じ店で『武蔵野電波のブレッドボーダーズ』Part 2 作例 5「AMラジオ」を試すためにバリキャップ 1SV149 は買っておいた。そのおかげでバリキャップで選局してゲルマニウムダイオード 1N60 で検波するという,ハイテクとローテクをまぜこぜにしたようなAMラジオが作れないかというアイデアが浮かんだものの,そのためには回路をどんなふうにつぎはぎにすればよいのか自分で考えなければならず,自分の実力はまだそれができるまでに達していないため,保留状態である。ちなみに,元記事は AM ラジオ用の専用 IC LMF501T というものを使うというオシャレなもので,それもついでに買っておけばよかったと今気づいた。

もうひとつの工夫は,『はじめよう電子工作』4-7「ワンチップ ICで作る防災ラジオ」のように,特定の局だけ受信するように,同調用のコンデンサを可変ではなく固定にしてしまうという方法である。この記事ではバーアンテナ BA-200 をしようしており,それが千石電商で入手できるということはそれで知った。この記事のタイトルにある「ワンチップ IC」というのはやはり LMF501 のことで,やはり買うものリストに入れておくべきだったと悔やんでいる次第である。

とりあえずこの記事を参考にしてゲルマラジオもどきを組み立ててみたが,きちんとアンテナとアースをつけていないので,クリスタル・イヤホン(正しくはその代用品であるセラミック・イヤホン)をつないでもうんともすんとも言わない。そもそも我が家で AM ラジオを良好に受信できるかどうかが怪しいので,組み立てた回路がまずいのか,それとも電波状態が良くないののどちらなのかすらわからない。なお,ブレッドボードで回路を組むにあたり,バーアンテナの細いリード線をどのようにブレッドボードに接続するかについては,『武蔵野電波のブレッドボーダーズ』で紹介されている実に賢い方法を採用させてもらった。


ここまでの話は,自分がうっかり買い忘れたという自分のミスで泣きをみたという自業自得な内容であったが,これから紹介するのは僕の不注意に起因する失敗談という点は同じであるが,僕だけのせいでもないと思われる話である。


まずは,失敗を自力で回避したという体験談から始めよう。

一ヵ月前,本格的に秋葉原に出没するようになってすぐに『カセット・ケース・クラフト』に載っている「カセット・サイコロ・ゲーム」をブレッドボードで組んだ。ブレッドボードに組むということは,ロジック IC 3石を使用した比較的規模の小さい回路ではあるものの,せっかく読者用に用意されている専用プリント基板のパターンや,それを利用した際の部品の配置図を使わないということである。そうすると回路図を見ながら自分で配線をしていかなければならない。しばしの前準備の後,いざ組み立てを開始したところ,完成までに3時間を要した。

それはともかくとして,とにかく製作にあたっては回路図だけが頼りである。そのため回路図をよく読まなければならないのだが,電源スイッチの配線がどこか変である。スイッチオフのとき,電池がショートするような結線になっているのである。この本の他の記事を見ても,電源スイッチをそのように結線しているものは他に見当たらない。というわけで,回路上,何か特別な事情があってそうしてあるわけではなく,単なる誤植だという確信が持てた。

実際には電源スイッチを省略して製作したので,気づかなくても何の問題もなかったのだが,回路図が間違っていることがあるということを学んだのは有意義であった。否,有意義な体験をしたはずであった。

先週,僕を電子工作の世界へとのめりこませるきっかけとなった愛読書『作って遊ぼう!おもしろ電気工作』を,隣の市の図書館の書庫で眠っていたのを引っ張り出してもらい,借りてきた。当時小学生だった僕はあきずに繰り返しこの本を眺めて過ごしたものだが,実際に制作したのは,「電子びっくり箱」のただ一つだけだったように記憶している。しかしそれは,パーツ集めから組み立てまで実質ひとりでやった最初の作品だったと思う。そんな記念すべき作品をもう一度作りたくて借りたわけである。

それは,抵抗 1個にトランジスタ 1石,そして山水のトランス ST-26 を用いた,たった 3 つのパーツだけからなる極めてシンプルなものである。部品数が少ないおかげで,部品代も安く済むし,作るのも楽ちんである。当時の僕は,小学生なりに自分の財力と実力にあった作品をちゃんと選べたわけである。

大人になった今,改めて回路図を見ても,具体的にどういう原理で動作する回路なのかほとんどわからない。トランスの巻き数が少ない 2 次側のコイルを利用して発振させ,巻き数の多い 1 次コイルの両端に高電圧を発生させているのだということくらいなら想像がつくのだが,コイルとトランジスタの組み合わせでどうして発振が起こるのかという肝心の点がさっぱりわからない。トランジスタを用いた発振回路の基本中の基本なのだろうが,そういった基本事項が僕にはすっぽり抜けている。つまり,この方面に関しては子供の頃からほとんど成長していないのである。そのため,どれくらいの発信周波数が生じるのかとか,1 次コイル側の電圧はどれくらいになるのかとか,この回路の重要な特性が自力では全く算出できない。ノグチトランスや千石電商の商品リストで,1次:2次の巻き数比が約 4:1 だということはわかったのだが,これがそのまま電圧比になるというわけではなさそうである。

話が脇道に逸れたので元に戻そう。この懐かしの作品をブレッドボード上に再現しようと試みたときのことである。鉄則に従い,回路図を頼りに配線を進めたのだが,腑に落ちない点が一つあった。それは,電池の正極をトランジスタのエミッタに接続している点である。

使用しているトランジスタは有名な 2SC1815 で,これは NPN 型のトランジスタである。したがって,電流はコレクタからエミッタに流すのが普通である。つまり,エミッタはコレクタよりも電位を低くするのが普通の用法のはずである。それなのにエミッタが電池のプラス側とは,これいかに,である。

回路の仕組みがわかっていれば,このような疑問に悩まされることはなかったはずである。しかし,回路が理解できていないため,自分の疑問に自信が持てない。とりあえず回路図の通りに配線し,電池をつないでみた。しかし,動作確認用に付けたネオンランプは光らない。もう一度配線をチェックするが,おかしなところは見当たらない。

回路を見直す際,ふと回路図のすぐ上に書かれた配線図に目をやると,トランジスタのエミッタに接続されているのは電池の正極ではなく,負極であった。そのことに気づいた瞬間,疑惑が確信に変わった。

回路図,間違ってるじゃん。

配線図の方が正しかった。その証拠に,その通りに電池をつなぎ直したところ,成功の証のネオンランプが点ったのである。

この作品を初めて作ったとき,多少の配線ミスはしたような気がするが,最終的には期待通りの動作をしてくれたことははっきり覚えている。本には,子供にも確実に作れるように,ラグ版にどう部品を取り付ければよいかを詳しく図解してあり,当時の僕はそれを見ながら作ったのである。さすがに回路図はちんぷんかんぷんだったので,回路図は一切参考にしなかった。

というわけで,電子びっくり箱を作ろうとした読者はまず間違いなく実体配線図を参考に作ったであろうから,現在の僕が陥ったような失敗はせずに済んだことだろう。しかし,たまたま久しぶりに作ってみたら,回路図に誤植があったことに気づくとは,思いがけないびっくり体験であった。


最後の体験談に移ろう。

世の中にはフォト・トランジスタと呼ばれる面白い半導体素子がある。『初歩のデジタル・ゲーム製作教室』にはフォト・トランジスタを使用したゲーム作品の例があるので,少なくとも 30年前にはすでにホビーの世界でも使われていた。

光でスイッチのオン/オフが切り替えられるという不思議な素子は子供のころから存在を知っていたし,たぶん一個は実際に買って手元に置いておいたような記憶があるが,それを実際に使って動作を確かめた経験はこれまでなかった。しかしついに今日初めて使ってみたのである。といっても,今回使ったフォトトランジスタは三週間ほど前に買ったものなのであるが。

『たのしくできるブレッドボード電子工作』の「11. フォト・トランジスタを使用した光センサ」の記事は,二つの点で僕の目に大変魅力的に映った。

一つは,上に述べたフォト・トランジスタを使用している点である。そしてもう一つは,これまた憧れの素子の一つである,リレーが登場することである。

フォト・トランジスタとリレーという二つの素子を味わえるだけでなく,さらに2つのトランジスタを直列につないだダーリントン接続という基本回路まで体験できる。そのような回路があるということは,名前も含めてずっと前から知識として知ってはいたものの,回路を組んで動作を確認したことはなかった。

このように,まさに僕のために考案されたような回路をついに試してみたのである。この本はそもそもがブレッドボードで回路を組むことを想定しているものなので,今回は回路図から配線を自分で一から考えるのではなく,ほとんどは実体配線図を参考にした。

しかし,一か所だけ腑に落ちない点があった。フォト・トランジスタの図に書かれた端子の名称に違和感を覚えたのである。

標準的な LED や電解コンデンサは素子本体の同じ側からリード線が二本伸びている。つまり人間の足のような感じで線が出ているのだが,これらは極性,すなわちプラスとマイナスの区別があるので配線の際は注意が必要である。LED と電解コンデンサはどちらも長い方のリード線はプラスをつなぎ,マイナスは短い方につなぐという共通の仕様になっている。

ところが,『たのしくできるブレッドボード電子工作』の76ページ上部にある図 11.2 には,フォト・トランジスタ NJL7502L のリード線の長い方がエミッタで,短い方がコレクタだと書いてある。このトランジスタは NPN 型なので,2SC1815 と同様,コレクタにプラス,エミッタにマイナスをつなぐのが普通であろう。つまり,図の説明とは逆の長い方がコレクタ,短い方がエミッタというのの方が,LED や電解コンデンサと同じ規則なのでしっくりくる。フォト・トランジスタだけ仕様がそれらと逆であるというのは使用者のミスを誘発しやすい,不親切な設計だということになろう。

この違和感を覚えつつもとにかく回路を組み上げ,いざ電源をつないでみても,動作確認用の LED が点かない。配線を点検してみてもミスは見当たらない。どうやら嫌な予感は的中したようである。

実は,このトランジスタを秋月電子通商で2個入りの袋を購入したのだが,その袋に商品説明の書かれた参考資料のプリントが入っていた。本来ならば使用前にその資料に目を通しておくべきだったが,つい袋から出すのを面倒がってしまい,やらなかったのである。今回はその怠慢が覿面に災いした。資料を見ると,やはり長い方がコレクタで,短い方がエミッタであった。本の図の説明書きはやはり間違いだったのである。

そこで,念のため出版社のサイトの正誤表を探してみると,この本に関してはたった一件,まさにこの図の間違いだけが正誤表に掲載されていた。最新の版ではおそらく修正されているのだろうが,僕が今回参照したのは,図書館で借りた初版本だったので,誤植がそのまま残っていたのである。

ちなみに,フォト・トランジスタを正しい向きに接続しただけではまだ回路が正常に作動しなかったので焦ったが,ダーリントン接続された二つのトランジスタをそれぞれぐっとブレッドボードに押し込んだらちゃんと動作したので,素子の接触不良が原因だったようだ。


それにしても,どの本もたくさんの製作記事がある中で,特にこれだけは作ってみたい,と僕が興味を持って取り組んだところだけに制作にあたって重要な起債に誤植があったというのは,こう立て続けに三件も体験すると,ただの不運を通り越した何かがあるような気がしてくる。


僕は本には間違いの一つや二つあるのは普通だと思っているので,こういった出来事に出くわしても著者や出版社に対して別段何も思わないが,自分がすでに味わった経験を全く活かせずに似たような失敗を繰り返しているという事実に直面すると,さすがにちょっとヘコむ。


学んだ教訓はぜひ今後に生かしたいものである。
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2 コメント

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Unknown (-)
2013-03-17 22:43:08
10卒卒業生です。昔のbkm探っていたら久々に先生のサイトを見ました。御元気そうで、なおかつ趣味の幅も広がっているようでなによりです。これからもたまに覗かせていただきます。
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消されなくてよかった。 (kei_matsuura2007)
2013-03-19 00:15:14
10年度卒ということは,このブログを始めた頃の方でしょうか。

年度末ということで,気分を一新するべく身辺整理をしていたら,懐かしいものを掘り起こした,という感じでしょうね。懐かしさのあまりコメントを書かずにはいられなかった,ということでしょうが,嬉しいことです。

電子工作関連の話は,所詮趣味どまりなので大した内容にはならなそうですが,もし専門の知識がおありで,そういった見地からコメントをしていただけたりすると大変ありがたいです。

と,変なプレッシャーをかけると気が重くなってしまうでしょうか。

このブログは,特定の分野に限定された話題が多く,文章も長めの「痛ブログ」ですが,ときどきくだらないことも書きますので,楽しんでいただければと思います。

お互い,残りの人生を楽しく過ごしたいものです。
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