担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

フォト・トランジスタとリレー。

2013-03-29 23:59:29 | 工作・実習
西田和明著『たのしくできるブレッドボード電子工作』(東京電機大学出版局)は電子工作初心者向けの一冊である。C-MOS IC 4000 シリーズを使用したデジタル回路が中心だが,トランジスタのみを使用した基本的な回路もいくつか紹介されている。今回はそのうちの一つ,トランジスタ2石をダーリントン接続してフォト・トランジスタの感度を高めてリレーを駆動する,製作編 11.「フォト・トランジスタを使用した光センサ」の実験レポートである。この回路はロジック IC を使っているわけではないが,光学的なスイッチで ON/OFF を行わせるという点では,アナログというよりデジタルな動作がテーマである。

実際に回路を組んだのは二週間ほど前のことである。その時は一気に3つの回路を実験したので,レポートを書く気になれずにずっと放置してしまっていた。自分の配線ミスと,初期の版の本にあった誤植に悩まされたという話はすでに書いた。ここでは写真と自分で試みた小さな改変についてだけ紹介する。

この本ではブレッドボード上の部品とジャンパ線の配置の仕方が図解されているので,それを見れば自分で回路を組み上げるのは簡単である。ありがたい配慮である。僕は趣味でミニ・ブレッドボードを使用したので余計な配線が必要となったが,パーツのレイアウトは本の図を大いに参考にした。本で紹介されているのは,LED をリレーの NC 端子につなぎ,フォト・トランジスタに光が当たっているときに LED が点灯し,光がさえぎられたときに LED が消灯するようにしたものである。僕はまず本の通りにつないで動作を確認した後,LED を NO 端子につないで動作を逆にさせてみた。本文にも,接続する装置の使用条件に合わせて接続する接点を選ぶようにすると書いてあったので,僕がやったことは著者の想定の範囲内であった。

他の本でも回路に必要な部品のリストが載っているものだが,この本の特色は,どの長さのジャンパ線を使用したかのリストまで載っており,初心者への配慮が感じられる。

十分な明かりのもとでは LED は消灯している。左下隅にある丸い緑色の小さな LED のようなパーツがフォト・トランジスタである。


左下隅のフォト・トランジスタに届く光を指で遮るとリレーがカチッと作動して LED が点灯する。


もとの回路ではフォト・トランジスタの感度を調整するために,それに接続されている抵抗をボリュームにしているが,この回路を試したとき手元にボリュームがなかったので,値の異なる抵抗を差し替えて調整した。写真はフォト・トランジスタのエミッタ抵抗を 470kΩ にした場合のものである。

この回路一つを知っているだけで,フォト・トランジスタとリレーの使用法が同時に学べる。暗くなったら明かりが点くというのは十分に実用的であるし,リレーを用いて大電流を必要とするモーターなどを駆動することもできる。応用の幅がかなり広がる,おトクな回路である。

いつか使ってみたいと子供のころから思っていたフォト・トランジスタとリレーを同時に味わうことができたので,満足のいく一品であった。
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