担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

センター試験・生物I に挑戦。

2013-03-30 01:10:30 | 学習法
思うところあって,今年は高校生物(ただしそのうち,旧課程の『生物I』のみ)を勉強しようと思い立った。

平成25年度のセンター試験が行われたころに,とりあえず平成24年度の本試験問題にチャレンジしてみた。

試験時間は60分であるが,50分ちょっとで解答が完了した。物理Iと化学Iは比較的最近に解いた経験があるが,生物分野のセンター試験に挑戦したのは,これが人生初である。

細胞の各部分の名称や植物の分類,花の各部分の名称など,小中レベルの生物の知識すらほとんどない。もちろん過去に習ったはずだが,ほとんど記憶に残っていない。名称を覚えるという暗記物は大の苦手である。それはもう,胸を張ってそうと言えるほどである。エッヘン。

ただし,高校一年の一年間は生物を学んだ。母校の方針で,物理・化学・生物・地学の理科全分野を生徒全員に学ばせることになっていたのである。ちなみに,地学もほとんど覚えていない。地震に P 波と S 波の二種類があることと,モホロビチッチ面という,一度覚えたら容易に忘れることのない用語だけは記憶に残っている。地学も鉱物や断層の名称,古代の時代区分など,暗記物だったという印象しか残っていない。だから記憶にないのは当然である。エッヘン。

というわけで,僕の生物に関する知識がどの程度のものなのか,ある程度の見当はついたことと思う。ただ一つ付け加えておくと,高校の生物の先生から聞いた,当時流行っていた R. ドーキンスの「利己的遺伝子説」に非常に興味を覚えて関連書籍を少しだけ読んだことがあること,社会生物学という分野にも興味を覚え,E.O.ウィルソンの本の翻訳の背表紙を図書館で眺めていつか読みたいとため息をついていたことも付け加えておこう。あ,あとローレンツの『ソロモンの指輪』にも強く憧れたものである。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』もたぶん読んだ。今西錦司の「今西進化論」は気になっているものの,ちゃんと勉強したことはない。そういえば,大学に入りたての頃に『ゾウの時間・ネズミの時間』の著者である本川達雄先生が担当された NHK 教育の人間講座だったかなんだかを受講して,課題のレポートを添削していただいたことがあったのを思い出した。懐かしい思い出である。オパーリンの唱えた生物の起源のイメージはよく夢に出てきたし,原始地球の大気組成で放電によってアミノ酸を合成したというミラーの実験も強く印象に残っている。オカルトにはまっていた少年時代は,カール・セーガンの宇宙人の存在確率の導出公式にも興奮を覚えたものである。科学小説『コンタクト』が映画化されるよりも前に地球外知的生命体探査計画の SETI は知っていた。子供の頃は昆虫博士を自認していたが,ファーブル昆虫記は読まずじまいだった。シートンの動物記も名前は知っているが手に取ったことはない。ダーウィンとウォレスの代表的著作の翻訳が岩波文庫で出ていることを知って買ってはみたものの,全然読んではいない。NHK の世界生き物紀行とかいう感じのタイトルの,野生生物の生態を紹介する番組は大好きなテレビ番組の一つだった。シュテュンプケの『鼻行類』は人に薦めたい本の一冊である。

案外,生物学に関する思い出をたどり始めたら,次から次へといろいろなことが思い出されてしまって,一つだけ付け足すつもりが,そうではなくなってしまった。

実は結構本気で生物学を専攻しようかと思っていたころもあったような,ないような。心理学を補完するサル学にも興味があったし,生命の起源や進化論にも強い関心を抱いていた。日高敏隆氏の著作も何冊か面白く読ませていただいた。

ともかく,僕は生物学は好きなんだけど,学校の授業はからっきしダメ,という残念な生徒であった。生物学から離れて二十年ほどが経過した今,当時残念な学生だった人間がどのくらいの学力を保持しているのか。これぞまさしく真の実力試験である。もちろん,試験勉強などは一切していない。

もったいぶるのはここまでにして,自己採点結果を述べよう。

ジャジャーン!

平成24年度本試験の自己採点結果は,41点でした。

大学入試センターの公式発表によると,平均点は 64.00 点だそうなので,全然ダメな感じである。

問題を解いていたとき,知らない用語ばかりが出てきて何度投げ出しそうになったことか。特に,物理Iでは第4問までしかないのに,生物Iでは第5問まである。そのことに気づいたときは絶望感に襲われた。

どの選択肢を選べば良いかわからない不安におびえなければならない時間はいつまで続くというのか・・・!


それから二カ月が経過した。やはり何の準備もしないまま,今度は平成25年度の本試験にチャレンジした。50分そこそこで解き終わった。

自己採点結果は 47 点。

僕の実力はセンター試験 40 点台だということは,これでほぼ確定である。50点には届かなそうである。

平均点は 61.31 点とのことで,平均点が平成24年度よりも悪かったにもかかわらず,僕の得点は上がったわけである。まあ,これはたまたまだろう。


物理Iの経験から,センター試験の理科は教科書をしっかり読み込めば対処できると信じている。そこで生物Iの教科書をとある大学の図書館から借り,四日間かけて平成25年度の問題に関する箇所を勉強した。だが,期待は裏切られた。教科書にセンター試験の問題の正解がすぐにわかるような「そのまんま」の記述はあまりなかったのである。いくつかの文章で述べられている事実を組み合わせて正誤を判断しなければならない問題がほとんどであった。そういう意味では,教科書をただ読んでいるだけではだめで,そこから得た知識を組み合わせて正しく推論し,判断する能力も要求されることがわかった。センター生物は思ったより手強いのである。

なお,用語の意味がわかっていないと正解できない問題など,知識があるかないかが問われる問題の正答率は当然のごとく低いが,実験結果の表やグラフを読み解く問題は生物の知識がなくとも論理的な思考さえできれば正解できるものなので,そうした問題には楽しめた。グラフを読み解くのは子供の頃は苦手だったが,機会があるごとに意識して訓練するようにしてきたおかげで,その手の問題は逆に得点源になっていたようだ。あとは以前よく視聴していた健康番組から学んだ知識もときおり役に立った。

要するに僕はこれまでの人生で培ってきたことを総動員して試験問題にアタックしたわけである。その結果が得点 4 割だったというのは,高いんだか低いんだか,それとも,まあそんなもんなのか,全くわからないが,教科書からごく一部のトピックスに関してだけとはいえ,知識を仕入れた今,他の年度の試験を解いてみて,50点以上を取ることができたら,学習の成果の表れだと言ってよいだろうと思う。

近いうちにその機会をもちたいものである。
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