何がしかの技術を身につけようとするとき,完全なる自学自習では習得に多大な労力と時間がかかることがある。
しかし,そのように煮詰まっている人が,その技術を持っている人にちょっとお手本を見せてもらうだけで,すぐに習得できることがある。
これはおそらく,すでに何度も試行錯誤を積み重ねてきた結果,お手本を見ただけでコツをつかみ,さらにはそのコツに従って自分のすることを修正する能力も身についていたというだろう。
そして,
・自分自身で試してみたことがない人に,いくら達人がお手本を見せたとしても,できるようにはならない。
・いろいろと試行錯誤をして失敗を繰り返したからといって,その行為が無駄だったわけではない。
ということが言えるのではないだろうか。
また,お手本からコツを読み取ろうとする意志や,なぜそうするとうまく行くのかという理論を自分なりに理解していることも大切な要因であろうと思う。
人に物を教えることを生業としている僕としては,教える相手の内部状態を「お手本からコツを吸収できるような状態」に仕上げるにはどうしたらよいか,方法を考えていろいろと工夫しなければならないところである。
こうした問題は,なかなかすぐにはうまいやり方が見出せる性質のものではないだろうから,ずっとあれこれ考え続ける姿勢が大事であろう。また,他の人が考案したよさげな方法を知ることも大事だから,そういった情報収集にも努めなければならない。
昨日味わった
コマ回しの体験から,こんなことを考えた次第である。