ヴァイオリンとフルートのRio

ヴァイオリンとフルートに取り組んでいます。

音の良いフルート

2014年10月06日 11時13分05秒 | フルート
 フルートは素材によって音が異なり、洋銀、銀、金の順に音が良くなるとよく言われます。私が自分で吹いた経験でも確かに洋銀、頭部管銀、総銀の順に音色が良くなると言う印象があります。金を吹いたことはありませんが、以前の先生も今の先生も金の楽器をお持ちで良い音に聞こえます。これは腕前の差によるのかも知れません。

 洋銀、銀、金、それに白金を並べると、この順に素材の密度(比重)が大きくなり、つまり同じ体積ならより重くなります。とすると密度が音色を決めることになります。ただし、洋銀と銀の比重差はそれほどではありません。銀と金では倍近く違います。金と白金ではそれほど違いません。

 密度の議論は金属製フルートに関しては説明が付くように思いますが、木製フルートに関しては説明に困ります。木の密度はかなり小さいためで、でもN響の神田さんのフルート(パウエルの木管?)はよい音色に聞こえます。ただし管体の肉厚は金属製のものに比べるとかなり厚いそうで、と言う事は単純な密度(単位体積当たりの質量)が決め手ではなく、管体の内面積当たり又は管体の長さ当たりの質量が決め手なのかも知れません。他に、音を聞いたことはありませんが、クリスタルフルートやプラスチック製フルートもあります。クリスタルの密度は木と金属の中間、プラスチックの場合は木とほぼ同様と思います。

 密度説に疑問を抱かせるのが物理的な議論。フルートの音は気柱の振動によるもので、管体の素材は関係ないと言うもの。物理では理想的な条件を前提としていますので、壁は十分に厚く気柱の振動によって影響を受けないと考えているフシがあります。実際の金属製フルートの管体の肉厚は0.3mmとか0,4mm、気柱の振動の影響がゼロではなさそうなので、密度の大きい素材で作られた管体の方が気柱の振動の影響を受けにくいのかも知れません。でも、音色の良し悪しにどう影響するのかと言うと分かりません。

 議論をさらにややこしくすると、洋銀でも優れた楽器が得られるらしいと言う事で、有名なマルセル・モイーズは洋銀のフルートを使っていたと聞きます。特注かも知れません。それから、ゴールウェイが素材の異なるいろいろなフルートを吹き比べたら、どれも良い音がしたと言う話もよく言われます。

 素材による違いの原因は今一つよく分かりません。

 他に音に影響を与えると考えられるのは頭部管、特に歌口の三次元構造があります。メーカーによって形状や寸法はそれぞれ違うものと思います。以前、楽器店でメーカーの違う総銀を何種類か出して頂いて吹き比べたら、随分音が違いました。多少乱暴な議論をすると、この時の比較では頭部管以外は同じとみなせるように思いますので、各フルートの頭部管の違いが音色を決めているのではと言う気がします。

 頭部管と言えば、この頭部管のみを製作・販売しているメーカーがかなりあります。製作者の中にはフルーティストだった人も居ますので、加工と試奏を気の済むまで繰り返せば、良い物が得られるのかも知れません。日本のメカの優れたフルートと組み合わせると良いそうで、例えばラファンの頭部管とムラマツの組み合わせと言われました。値段を聞くと頭部管のみで驚くほど高価なので。


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