よもやま解体新書

山下和也の制作、見聞記. 北へ西へ南へ。

竹内栖鳳展

2013-11-11 20:35:52 | Weblog
竹内栖鳳展に行きました。
駆け足で1時間程でしたが、内容の濃さに感嘆です。今回初めて見た作品も結構ありましたが、キャプションに年齢が書かれておりその点でもたいへん大変面白かったです。いろいろと注目するところは多いのですが、この日は特に栖鳳の色彩についていくつか面白いと思うところがありました。ひとつは栖鳳の色彩は滲むような湿潤さがあり、実際に線に括られずに自由さがあるところ、墨絵の滲みの感覚が色彩にも現れること。また、セピアと墨の使い方、晩年の雲母の使い方も興味深かったです。襖絵の山水も初めて観ましたが、僕も即興でこれくらいの山水を描ける力が欲しいなぁ、この空間の的確さは流石だなとみとれてしまいました。金屏風の使い方も流石でした。小野竹喬が展覧会で感動したエピソードのある屏風も出ていました。栖鳳の色彩についてはこれまでそれほど関心がなかったのですが、今回の展覧会では線と色彩のバランス感覚の中に共通するものを感じ、栖鳳のモダンさをあらためて感じました。
見ごたえのある展覧会なので是非ご覧ください。